上司に気に入られたいなら、媚びを売るのではなく頼みごとをしろ!ベン・フランクリン効果とは?

 あなたが誰か気に入られたい人がいたとして、その人にプレゼント攻撃を仕掛けるのは最善の策とは言えない。
 贈り物をすることで、あなたがその人に好感を持っていることを示すことにはなるが、相手があなたに好意を持つかどうかとは関係がないのである。

 人間には「返報性の原理」というものがあり、これは「何かを貰ったら何かを返さなくっちゃ」と思ってしまう心理のことであるが、好意を持つ人へのたくさん贈り物によって起こるのは、相手の心に「プレゼントを返さなくっちゃ」というプレッシャーを芽生えさせることのみと言って差し支えない。
 何とも思っていない人からのたくさんのプレゼントが往々にして「ウザい」と思われるのは、「こんなに貰ってしまったけれど、返したくない、困った」という心理の発露である。

 もちろん、そのプレゼント攻撃が、二人の関係における第一歩としてのきっかけにはなるかもしれない。
 だけど、些細なものであれ贈り物をし続けることは、多少なりともお金がかかるし、こちらから一方的というのではフェアじゃない。
 労力をかけたにも関わらず思惑通りにならなかった場合、虚しい。

 であれば、もっといい方法がありますよ、というのが本稿の論旨である。
 上司に気に入られたい場合にも使えるし、恋愛にも応用できる。

 すなわち、「何かを差し上げるのではなく、要求しろ」、「助けてあげるのではなく、助けてもらえ」ということ。
 上述のプレゼント攻撃とは真逆の発想だ。

 

助けてあげた人を好きになる ―ベン・フランクリン効果

要求しろ、助けてもらえ、頼みごとをしろ

 思っているのと違うかもしれない。
 我々は、助けてもらったらその人に感謝して、好感を持つと思いがちである。従って、積極的で行動力のある者は、気に入られようとする対象にプレゼント攻撃を仕掛けるのであり、おせっかいを焼くのである。

 だけど、現実の心理学的効果は逆。

 つまりは、「何か欲しいものあるかい? 買ってきてあげるよ」ではなく、「あれが欲しいんですけど近くに売ってないんで、お金渡すのでついでに買っておいてもらえませんか」と頼みごとをするのが正解だという。

 

ベン・フランクリン効果とは?

 上記の効果を政治の場で活用したのがベンジャミン・フランクリン(ベン・フランクリン、1706年-1790年)である。
 ベンジャミン・フランクリンは、アメリカの物理学者・政治家であり、避雷針の発明者として特に有名。世界史の教科書に需要人物として載っていたのを覚えている。

 ベンジャミン・フランクリンは、かつて自分に反感を持っていたペンシルバニアの地方議員を味方につけることに成功したのだったが、それは相手に「本を貸してくれないか」と頼んだことがきっかけになったのだった。
 その本は希少だったが、地方議員は喜んで応じてくれた。それがきっかけとなり、二人の間に友情が芽生えたのである。

 フランクリン曰く、「一度あなたに親切にしたことのある人は、あなたに対してさらに親切にしようとするだろう。この傾向は、あなたが親切にした人よりも強い」。

 人間は、恩恵を受けるよりも、恩恵を施すことによってその相手を好きになる傾向があるのだ。

 

なぜこんなことが起こるのか? 認知的不協和

認知的不協和とは?

 人は、自分の考えと行動を一致させようとする習性があり、それらが一致していないことを嫌う傾向にある。
 一般的に「言っていることとやっていることが違う人」が周囲からあまり好かれないのは、思考に行動が伴っていないように見えるからである。

 思考・感情と行動が一致していないことを「認知的不協和」と呼ぶのだが、認知的不協和を嫌う傾向は、他人だけでなく、自分にも当てはまる。
 すなわち、人は常に思考や感情に沿った行動をしようと心がけているということ。
 嫌いな人と笑顔で話さなければならない時、我々は物凄いストレスを感じる。それも認知的不協和のせいと言えるのである。

 

助けた人を好きになる理由

 仲の良い人を助けてあげるのは、行動としては当然のものと言える。「助けてあげたい」と思考した結果、「助けてあげる」からである。

 では、親しくない人や好感を持っていない人を助けたときはどうだろう。「別に助けなくてもいいんだけどな」と思っているにも関わらず、「助けてあげる」という行動をしてしまった。
 おや、思考と行動が一致していない認知的不協和の状態が出来上がってしまったぞ。

 この場合、驚くべきことに、脳が思考を書き換えるのである。
 我々は自分の行動に価値がないと思いたくない。思考と行動を一致させたい。
 だけど、もう行動はしてしまった。ならば、遡って思考を変えるのである。
 従って、「助けたのは、相手に好感を持っているからだ」と潜在意識で思い込もうとすることによって、思考と行動を調整するのである。

 1. 本を貸してくれ、と頼まれたので、本を貸した(仕方ないなあ)。
 2. あいつのこと嫌いなのに、なんで本なんて貸してしまったんだ(認知的不協和)。
 3. まー、あの本を借りて行くだなんて、あいつと気が合うのかもしれないな(などと思い込み、思考と行動を一致させようとする)。
 4. あいつ、いい奴かもな。また頼まれたら貸してあげよう(相手のことを好きになる)。

 これが、ベン・フランクリン効果の全貌である。

 

ある実験例

 こんな例もある。とある研究のために行われたコンテストで賞金を獲得した学生たちがいた。ところがコンテスト後、何人かの学生は、一旦貰った賞金を返還してほしいと依頼された。その賞金が研究者たちの貧しいポケットマネーからだされたものだから、という理由からだ。追跡調査で、賞金の返還に応じた学生たちの方が、求められなかった学生たちよりも、より強い好感を研究者たちに抱いていたということがわかった。

 オリバー・バークマン『HELP! 最強知的”お助け”本』下隆全・訳

 

まとめ:好感を持ってもらうには

 誰かに好きになってもらったり、好感を持ってもらうためには、おべっかを使ったりプレゼントを押し付けたりすることはスマートなやり方ではないことがわかってもらえただろうか。

 何かを要求すること。頼みごとをすること。お願いをすること。助けてもらうこと。
 これが心理学的に正しい好きになってもらう方法である。

 とはいえ、いきなりぶしつけな要求をすることは、好感度を下げてしまいかねない。「ちょっと30万円貸してもらえますか」などといきなり頼むのはよろしくない。
 あくまでも、「あー、いいよ」と言って実行してもらえる程度のお願いをしてみることが肝要である。

 現実的なのは、何かを貸してもらうこととか、ほんの少しおごってもらうとか、その辺りから始めるのがベターであろう。

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