歳をとると時間が速く感じるのは、取り入れる情報が少ないから。では、人生を楽しむ方法は?

 つまらない会議に参加させられて過ごす一時間と、自分の好きなことに熱中している一時間は、速さが全く違うことに我々は気づいている。
 つまらない映画を観る二時間と、おもしろい映画の二時間も、同じ二時間とは思えない。

 時間は皆平等に過ぎていくはずなのだが、感じ方によってそれは長かったり、短くなったりする。
 とりわけ、楽しい時間はすぐに過ぎ去る気がして、往々にして我々はがっかりする。

 私も一昨日、友人の結婚式に参加させて頂いて、それはそれは素晴らしい時間だったのだけれど、あっという間なのである。
 「どうせ式で飲むんだから」と前日の夜から飲み続けて式に臨んだわけだが、それでも終わってみれば矢の如しなのだ。何だかノスタルジックな気分になりながらこれを書いている。

 楽しい時間はすぐに過ぎ去るのと同様にして、歳を取ると時間の経過が速く感じる。
 小学生5年生の一年間と、社会人5年目の一年間では、誰もが後者のほうが過ぎ去るのが速く感じているに違いない。

 私は現在30代だが、30歳を超えてからは時間が経つのが速すぎて、今現在自分が何歳なのかよく覚えていないのだった。

 一体どういう要因で時間の感じ方は変わるのか。
 そして、年をとっても時間が一瞬で過ぎ去るのではなく、充実した時間を長く感じるようにできる方法はあるのだろうか。

 本稿の論旨は上記二点である。

 

歳をとるとなぜ時間の経つのが早く感じるのか2つの説

体験時間の割合が少なくなるから

 心理学ノンフィクション作家スティーヴ・テイラーは、著書『メイキング・タイム 時間の流れをコントロール』の中で、体験時間の割合が関係していると述べている。
 あなたが10歳だとすると、それまでの1年間はいずれも人生全体の10%。だけれど、70歳であれば、1年間は人生全体のうちの1.4%に過ぎない。
 パーセンテージが少なくなる分、人生の密度も減るために、時間が速く経過するように感じられる、という説である。

 

新しく取り入れる情報量が少ないから

 哲学者であり心理学の祖とも呼ばれるウィリアム・ジェイムズは、我々の取り入れる情報量に関係しているとの説を提案している。
 すなわち、新しく取り入れる情報量が多い時は時間はゆっくりと経過し、情報量が少ない時には速く経過するというものである。
 この考えによれば、旅行に出かける際に、「行き」よりも「帰り」の方が時間が速く感じるのを説明できる。「行き」の時間は未知の体験なのでゆっくりと感じられ、「帰り」はもう経験済みの道中であるので速いのである。

 

一つの疑問 ―楽しい時間は速いんじゃなかったの?

 矛盾していると思った人は鋭い。
 冒頭で「楽しい時間はあっという間」で、「退屈な時間は長い」と述べた。
 じゃあ、歳をとると時間が経つのが速いのは、歳をとるに連れて人生が楽しい時間になっているとでも言うのだろうか。

 そんな馬鹿な。
 どう考えても、幼年期や青年期の方が楽しかった。
 できることなら学生時代に戻りたい、と切望する人が多いことからも(私もである)、それは実証され得る。
 矛盾しているぞ。一体どういうことなのだろうか。

 

幸福とは、「過去」と「現在」の2つの時間のことである

 歳をとって「何か時間が経つのが速いな」と感じるのは、今現在感じていることである。
 それに対して、「楽しい時間はあっという間だな」と感じるのは、それを思い出してのことなのである。

 つまりは、我々にとっての時間には2種類あるのである。
 「実際に体験している時間」と「記憶を思い起こして感じる時間」である。

 そう、我々にとって幸せなのは、「時間が経つのも忘れて夢中になっている時」と「楽しかった時間をじっくり思い出している時」である。

 逆に、つまらない時間というのは「実際に体験しているときには耐え難いほどに長く感じられる」にも関わらず、「あとになっても殆ど覚えていない」。

 時間がゆっくり過ぎるのを望む人はいない。
 たとえそれが楽しい時間だったとしても間延びして退屈に感じられるだろうからである。
 楽しい時間は惜しいくらいにあっという間に過ぎるのがちょうどいいのだ。

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充実した時間を長く感じるようにできる方法は?

「喜びを他の誰かと分かりあう!」こと

 あっという間に過ぎる時間とは、要するに、集中している時間である。

 私の一昨日の結婚式で言えば喜びや楽しさに集中していた。
 スポーツにおいても集中力を要する。
 他、趣味でも何でもいい、時間を忘れて何かに没頭してしまうことが我々にはある。

 そういう時間が我々にとっての幸せなのだ。
 特に、「喜びを他の誰かと分かりあう」(小沢健二・談)ような、そんな時間が、社会的な動物である人間にとっての幸せな時間なのだと思う。
 オザケンのファンではないが、あの歌詞は素晴らしい。

 私は一人で過ごすのが好きだが、人生最良の時として思い出すシーンには、いつも近くに誰かがいるのだった。
 そしてそういった時間こそが、体験している時にはあっという間で、後から思い返せば、充実していた分だけ長く感じるのである。

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モノよりも体験が、我々を幸福にする

 2010年頃からちょっとしたブームとなった断捨離・ミニマリズム(モノを必要以上に持たない生活スタイル)に関連して良く提唱されていた考え方がある。
 それは、「モノにお金を使うよりも、体験にお金を使う方が幸福度が高い」ということである。
 同じくお金を消費するなら、旅行に行ったり、趣味でレッスンを受けたりしたほうが幸せに感じる、という考え方だ。

 私は、当初はこれを「モノに出費しなくなったせいでお金を余らせた人たちが考え出した、モノを増やさないためのお金の使い道」と勝手に決めつけてあまり良く思っていなかった。
 無理矢理お金を使わなくてもいいじゃないか、貯金しろ、とさえ思っていた。

 だけど、それは間違いだったのかもしれないと今では思っている。
 しつこいようだが、一昨日の結婚式が素晴らしかったからである。

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