「怒りっぽい人」とは違う。間欠性爆発性障害が誤解されている5つのこと

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 普段は礼儀正しかったり優しかったりするのに、自分でも不可解な程に些細な事がきっかけで怒りが爆発してしまう衝動を抑えることができない。悩んでいるのであれば「間欠性爆発性障害」という衝動制御障害の一種であることを疑ったほうがいいかもしれません。

 そう、単なる「怒りっぽい人」ではなく「間欠性爆発性障害」という病気みたいなものであると認識することです。まさに私が、自分でもよくわからないけれど小さなことに猛烈に怒り狂ってしまい周囲に迷惑をかけることが頻発していたのですが、自分を「間欠性爆発性障害」という病気みたいなものであると認めることから始めた結果、怒りの感情に振り回されて衝動的に見境なく当たり散らすことは殆どなくなりました。

 「怒りっぽい人」と「間欠性爆発性障害」は違います。怒りを抑えることができない人というのは社会的には「我慢が足りない」とみなされる傾向にありますが、間欠性爆発性障害と我慢は関係がありません。それは、風邪を引いた人に「根性が足りない」と言っているようなもので、論理的な指摘ではないのです。

 怒りという目に余りがちなものを制御できない病気であるので周囲からは偏った考え方で見られがちです。間欠性爆発性障害に対する5つの誤解を紹介しましょう。

 

1. 「学習能力が低い」という誤解

 「間欠性」とは「繰り返す」という意味です。つまり、間欠性爆発性障害とは「怒りの爆発を繰り返してしまう行動制御障害」ということになります。

 怒りに任せて周囲の物や人に当たり散らせば、物は壊れるし迷惑をかけるし信頼を損う。にも関わらず、性懲りもなく再びキレてしまうのは「学習能力が低いせいだ」と思われがちですが、間欠性爆発性障害と学習能力は関係がありません。なぜなら、キレている本人も物は壊れるし迷惑をかけるし信頼を損うことを自覚しており、キレたくないと思っているのであり、キレた後には後悔しか残らないからです。

 学習能力の問題ではなく、「怒りの衝動をどうしても制御できない」ということが問題なのです。

 

2. 「思考が幼稚である」という誤解

 子供は思考が単純であるが故に感情のままに振る舞う傾向にあるけれども、社会人たる大人は様々な要素を勘案して考えた上で感情を抑制するべきである。従って、怒りの衝動を抑えることができないことは「思考が幼稚であるせいだ」とみなされることもありますが、これも誤解です。

 確かに、知的でスマートな人は決して怒らないけれど、愚か者は怒りや不遜な態度で威嚇して物事を解決しようとする、という傾向はあるかもしれません。
 しかしながら、間欠性爆発性障害とそれとは別の話です。間欠性爆発性障害と知能には相関関係はありませんし、普段は聡明で論理的に物事を考えることができるのに怒りにおける攻撃的衝動だけは抑えることができないという場合も多いのです。

 従って、普段からの考え方が幼稚であるから怒りっぽいというのは誤解です。

 

3. 「性格に問題がある」という誤解

 間欠性爆発性障害(IED)と診断される人たちの脳は、感情を制御する前頭辺縁領域(frontolimbic region)の灰白質が少ないことが判明したのだ。つまり、”感情脳”が小さいということである。
 IEDとは、ちょっとしたことで突然激昂し、怒りを抑えられなくなってしまう症状である。怒り心頭のあまり、他人や物に攻撃を加えることもある。双極性障害と統合失調症を合わせた人数より、かなり多く存在するが、ただ性格に問題がある人としかみなされないことも多い。
 『バイオロジカル・サイカエトリー:コグニティブ・ニューロサイエンス』誌に掲載されたアメリカ、シカゴ大学のエミール・コッカロ博士らの論文によれば、IEDは物理的な脳の疾患であり、性格の問題ではないという。

 すぐにカッとくる、怒ってばかりいる人は性格ではなく脳に問題。感情を制御する”感情脳”が小さい可能性(米研究)|カラパイア

 間欠性爆発性障害の原因とされるものは様々に唱えられていますが、上述の研究結果によれば、間欠性爆発性障害は脳の疾患であり各々の性格とは関係がないとしています。つまり、怒りが抑えられないからといって自らの性格や人格を否定する必要なんてないということです。

 間欠性爆発性障害とは個性のひとつであり、その個性とどう向き合っていくかということ。そう考えてみてはいかがでしょうか。

 
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4. 「自制心が低い」という誤解

 間欠性爆発性障害とは「なぜかふと突然にやってくる怒りの衝動に抗えない」という疾患です。但し、すぐにキレるのだから全てのことにおいて自制心が低くて我慢ができない人であるとレッテルを貼ってしまうのは誤りというべきです。

 普段はきちんと論理的に思考することができる。もちろん自制心もあるし礼儀正しい。我慢することもできるし、節制することもできる。長期的視点で考えることができる。計画的に行動することができる。

 なのに、ふとやってくる怒りの衝動にだけは短絡的に身を任せてしまい抵抗できないのです。「全てに対して自制心が低い」というのは誤解なのです。

 

5. 「キレることで周囲を自分の思い通りにしようとしている」という誤解

 間欠性爆発性障害における怒りの最大の特徴はこれです。すなわち、怒りによって自分を優位に立たせようなど、何か明確な意図を持って怒りを発動しているのではなく、ただ単に激しく怒っているだけということです。

 キレることによって相手に謝らせたいわけではないし、自分の意思を通したいわけではない。威嚇したいわけじゃない。主導権を握りたいわけじゃない。ただ単に個人的に頭にきてキレているだけ。

 そこに明確な意図がないわけですから、怒っている当人もなぜあんなにも激しく激昂したのか思い返してみてもよくわからないのであり、周囲の人もあの人はなぜあんなにも怒っていたのかさっぱりわからないというわけです。ひとつはっきりしていることは、その怒りの代償は怒りのきっかけに比してあまりにも大きいということです。

 
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