『20代で隠居』から学ぶ、年収100万円以下で生活していくための9の掟

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 例えば、経済誌『ダイヤモンド』などを見ていると年収300万円は低所得者と位置付けられているばかりか、それ以下の年収である超低所得者のライフプランについては何も触れられていないのが実情です。私たち年収100万円〜200万円程度の人間のことなんて社会のマイノリティと位置付けられ予め考慮されていないのです。

 では、年収100万円以下の人のためのライフプランは存在しないのかというとそうではありません。年収100万円にはそれなりの戦略があって、それを駆使することによって一人暮らしでもたくましく生きていくことが可能です。

 『20代で隠居 週休5日の快適生活』の著者・大原扁理さんは年収90万円で東京都の郊外(多摩市)でひとり暮らしをしています。もちろん、両親からの仕送りや不労所得などのチートはありません。週2日労働によって得られる年収90万円だけで自立して生活しているのです。毎月貯金もしているようです。

 本稿においては『20代で隠居』を参考文献として、年収100万円以下で自立して生活をしていくための具体的な戦略について考えていきたいと思います。

 

1. 田舎すぎず、都会過ぎない場所に住むべし

『20代で隠居』大原扁理さんの暮らし

 1ヶ月の生活費は7万円台。ここでいう7万円というのは、家賃や水道光熱費、食費はもちろん、医療費や税金、保険料や交際費などとにかく生活のすべてにかかるお金を含めた額です。(略)家賃が2万8000円で共益費が1500円です。

 『20代で隠居』においてまず驚くべき点は、著者である大原扁理さんは東京都で年収90万円の暮らしを営んでいるという点です。多摩地区に住んでいるそうです。私たちはお金の掛からない生活というと山奥の山村などをイメージする傾向にありますが、わざわざ片田舎に移住しなくても低コストの生活は実現できるのです。

解説と戦略

 本稿の筆者である私も会社の転勤の関係で山奥の田舎からそれなりの規模の地方都市まで、実際に住んで生活をしたことがありますが、わかったことは田舎暮らしは意外とコストがかかるということです。詳しくは下記参考記事に任せますが、地方都市に住んだほうが生活コストを抑えながら便利な暮らしを実現することができると感じています。

 具体的に挙げられるのは、上記の通り多摩市。私の経験で言えば、仙台市、宇都宮市、高崎市、前橋市あたりであれば年収90万円で生活していく礎を築くことができると感じます。

 
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2. 税金は年収100万円以下であればほとんどかからないと知るべし

『20代で隠居』大原扁理さんの暮らし

 そういえば、隠居暮らしを始めてから、所得税の通知が来なくなりました。(略)所得税って年収が103万円以下だと非課税になるのだそうです。

解説と戦略

所得税 ―年収103万円の壁

 独身かつ給与所得者の場合、所得税は年収103万円以下は非課税、つまり1円も払う必要がなくなります。その根拠は、基礎控除38万円+給与所得控除65万円=103万円となるからであり、働いてお給料を貰っている人は全て年収103万円以下であれば非課税となります。

住民税(市県民税) ―年収100万円の壁

 住民税(市県民税)は各地方自治体によって非課税となる基準にバラつきがありますが、おおよそ年収95〜100万円が基準となります。つまり、おおよそ年収100万円以下であれば納める必要がなくなります。

国民健康保険税

 こちらも各地方自治体によって算定方法や保険料にバラつきがありますが、おおよそ年収100万円以下であれば保険料の7割が減免されるようです。年収90万円である大原扁理さんの保険料は年間1万2000円だそうです。
 

国民年金

 収入が少なくて国民年金を収めることができないのであれば、役所にて申請することで減額あるいは免除してもらうことができます。申請せずに支払わないのは「未納」、申請して支払わないのは「免除」であり、両者には雲泥の差があります。私もかつて国民年金の免除申請をしたことがありますし、大原さんも現在免除中だそうです。

 

3. 光熱費は電気・ガス・水道、計一万円以下を目指すべし

『20代で隠居』大原扁理さんの暮らし

 電気代1,865円、ガス代2,405円、水道代2,845円。エアコンは夏でも冬でも使わないために電気代が抑えられています。

解説と戦略

 光熱費については特に無理な節約はしていないようです。特徴的な点は「エアコンをつけない」くらいでしょうか。

 ガス料金はプロパンか都市ガスかによって単価が倍近く違ってくることもありますし、プロパンの場合は居住する地域によっても価格差があります。私がかつて住んでいた地方ではシャワーを毎日短時間浴びているだけなのに月の請求が10,000円を超えることもありました。もちろんプロパンガスです。

 私見では水道光熱費についてはあまりちまちまとした節約法を実践することは手間の割に効果が薄いように思います。「明かりをこまめに消す」は電気代節約の王道ですが、現在LEDが主流になりつつある中で電気代における照明に占める割合は微々たるものです。冷蔵庫にカーテンを付けるなど言語道断。

 あまり神経質にならず「過剰に無駄遣いしないようにしよう」くらいの意識で構わないと思います。ちなみに月10万円で生活している私は水道光熱費については何の節約もしていません。エアコンは24時間つけっぱなしで、湯船に浸かりたい時には躊躇せずにそうしています。

 

4. 食費は月一万円以下を目指すべし

『20代で隠居』大原扁理さんの暮らし

 食に関しては大変に特徴的な暮らしがなされていて驚きます。

 1. 肉は食べない
 2. 野草を摘んできて食べる
 3. 自炊をしている

 肉を断つことによってあらゆる欲望が抑制され、野草を食材とすることによって食費のコストダウンに繋がるとの事です。主食はうどんやそばなどの麺類が多いようです。

解説と戦略

 確かに肉は他の食材に比べれば高価であるし、野草は自然の恩恵であるので、食費を抑えるという目的を推進するためには合理的な選択であるには違いありません。しかし、間違ってはいけないのは大原さんは肉を食べたいのを我慢しているのでも仕方なく野草を食べているのでもないということです。それを自ら好んで選択しているのです。

 従って、そのような暮らしを嫌々ながら真似をする必要はありません。私はバランス良く食べることが肝要であると考えているので、進んで肉も食べます。だって食べたいんだもの。

 ただ一つ言えることは、自炊は最強の節約法であるということです。きちんと家計管理すれば、食事の質を落とすことなく食費月一万円以下も可能であると実感しています。

 健康が第一です。貧しい食事を続けて健康を損なうようでは本末転倒。月一万円以下とは言いましたが、体調管理の無理のないところと食費の節約のバランスを重視しながら自炊を継続して行っていくのが良いと思います。

 
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5. 通信費は極力削るべし ―格安SIM、光回線

『20代で隠居』大原扁理さんの暮らし

 携帯電話は持っていない。通信費としては自宅への固定電話、インターネット光回線だけが支出となっているようです。月6,500の支出です。

解説と戦略

 携帯電話を持たないに越したことはないのでしょうけれど、現状なかなか難しい人も多いでしょう。であれば、携帯電話料金・スマホ代を節約する唯一の選択肢は「格安SIM」しかありません。

 私は登場して間もない頃から格安SIMでスマホを運用していますが、docomo、au、softbankなどの大手キャリアと比べても使用感に何の遜色もありません。にも関わらずスマホ料金を約1/5にすることができました。

 自宅へのインターネット光回線については賛否両論があります。割安であるモバイルルータによるwifi通信で充分であるという人もいますが、私は光固定回線を愛用しています。なぜなら光回線は「速い」「使い放題」であるからです。

 モバイルルータによる通信は通信量に制限がある場合が多く、定められた使用量をオーバーしてしまうと高速通信をするためには別途パケットを購入する必要が出てきて割高な料金を支払わなければならなくなってきます。そのように使用量を超えないようにビクビクしながら使用するくらいなら最初から使い放題の光回線を導入したほうが精神衛生上も良いと思うのです。光回線ならYouTubeもAmazonビデオもNetflixも通信量に縛られることなく見放題です。

 
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6. 自動車の維持は難しいので売却・廃車すべし

『20代で隠居』大原扁理さんの暮らし

 クルマは所有していないようです。移動手段は徒歩、自転車、遠出をする際には電車です。

解説と戦略

 私はかつて軽自動車を所有していましたが、低コストの生活に移行するにあたって思い切って処分しました。自家用車を維持するためのコストは私の場合、ひと月に約15,000円かかっていました。「あまりクルマに乗らない」且つ「軽自動車」且つ「駐車場料金が月3,000円」という私の場合でさえ月15,000円ですから、一般的には自家用車の維持費はもっと多額である人が多いことと思います。

 自動車の維持費を低く抑えるためにはクルマに乗る頻度を抑えることによってガソリン代などの節約ができると思われがちですが、実際には燃料費よりもクルマを所有しているだけでかかる「駐車場代」「自動車保険料」「税金」「車検代」などの固定費用が多くを占めていることがわかります。

 また、使用する頻度を抑えて節約するのであれば所有している意味は薄らいでいくことになるでしょう。所有している以上はたくさん使用したほうが良いのであり、節約のために乗らないのであれば無用の長物と化してしまいます。

 通勤のためやクルマが趣味であるなどクルマの所有を余儀なくされる・所有するべくして所有している場合は仕方ないでしょうけれど、自動車の維持費が家計を逼迫しているにも関わらずなんとなく自家用車を持ち続けているという場合には売却や廃車を検討することによって意外なほどに家計がスッキリとします。

 
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7. 酒、タバコの習慣はやめるべし

『20代で隠居』大原扁理さんの暮らし

 飲酒、喫煙は習慣にはなっていないようです。ただ本文中に「かつてはハイライトをたまに吸っていて、今でもたまに吸いたくなる」との記述があるので嫌煙家ではないようです。同様にして、友人と飲みに出掛けたりも稀にするようなのでアルコールを避けているというわけでもなさそうです。

解説と戦略

 私が生活のコストダウンを図ろうとした際に初めに実行したことは禁煙でした。当時私の家計は食費の節約を始めたことによって、食費が月15,000円、タバコ代が月15,000円となっていて、食費と同じ金額をタバコに費やしているのが馬鹿馬鹿しくなってしまったことがきっかけとなりました。意志が強かったせいかすんなりとやめることができました。

 同様にして飲酒の習慣もやめたいと思っているのですが、現在、こちらはうまくいきません。ので、せめて出費を減らそうと、コストパフォーマンスの高い4リットルのウイスキーを飲むなどしております。悪あがきですね。

 タバコと飲酒の習慣は節約のための大きな柱になることは間違いありません。

 
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8. お金の掛からない趣味を見つけるべし

『20代で隠居』大原扁理さんの暮らし

 毎日あくせく働かなくても楽しくいきていくためにはお金のかからない、かつひとりでも没頭できる趣味を見つけるのが得策です。

 本文中では「図書館で本を借りてきて読む」「インターネット上で著作権の切れた映画を見る」などが紹介されています。

解説と戦略

 お金の掛からない趣味を見つけるというのは重要なポイントです。趣味というものはお金をかけただけ充実するかというと別にそうでもありません。自分の気持ちや考え方次第で、低コストで最高の趣味・暇潰しをしながら充実した時間を過ごすことができるのです。

 Amazonプライムビデオなどの定額制ビデオオンデマンドサービスはこれからの時代の低コストでの暇潰しの定番になると私は考えています。私はAmazonプライム会員なのですが年会費3800円(月額換算325円)で多様なジャンルの膨大な量の映像作品(映画・アニメ・ドラマなど)が見放題となっていて大変に重宝しています。Amazonプライムに入会してアニメ鑑賞という趣味がひとつ増えました。

 
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9. 週休5日の奇跡を享受すべし

『20代で隠居』大原扁理さんの暮らし

 仕事は基本的に週に2日入れるだけで、現在月収は10万円以下ですが、毎日フツーに楽しく暮らせています。

 土日に介護の仕事をしているだけで、他は全て休日。つまり週休5日ということです。何にも縛られることなく自由を謳歌しながら生活していることが本文中からこれでもかというほど伝わってきます。

解説と戦略

 生活をグレードダウンさせ、維持費を低くすることの最大の利点が「たくさん働かなくても良くなる」という点であると私は考えています。

 私たちには向上心というものがあるようで、暮らしをより良くしなければならないと考えている節がある気がします。今よりも広い家に住み、今よりも高いクルマに乗り、今よりも贅沢に暮らすことを志向しているように思えてなりません。しかしながら、今よりも生活をグレードアップさせればそれだけ維持費やローン金額が増えるわけです。

 コストをかけてより良い暮らしを実現させれば、それに伴ってお金や仕事に縛られてしまうのです。

 バブル崩壊後の日本の失われた20年を経過するに伴って多様なる価値観が出現してきました。『20代で隠居』の著者を代表とする「お金を稼ぐだけが人生じゃない」としてお金や仕事に縛られずに自由に暮らすライフスタイルはその代表のひとつです。

 私も何年間か社会人として会社に勤めましたが「これは自分には向いていない」と痛感、生活のコストダウンを実行することで週3日出勤で暮らすことができています。

 週2日や週3日労働は働く人であれば誰もが強烈に憧れるものであると思います。ですが、決して机上の空論ではありません。夢物語ではないのです。なぜなら、実際に週2日出勤や週3日出勤を実現している人がここにいるからです。

 
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