風邪をひいても薬は飲むな!とにかく休め!

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 我々社会人は、風邪をひいたらとりあえず風邪薬を飲んで、仕事に支障のないように努めるのが当然と思っています。
 明日も仕事があるんだ。絶対に熱を下げなきゃならない。風邪薬を飲まなければ!

 でもそれって、身体のためには良いことなのでしょうか。

 

風邪が我々にもたらす利益とは

 我々は、風邪がもたらす不利益にばかり目が行きがちです。
 風邪をひくと具合が悪い。本来のパフォーマンスを発揮できない。症状が重ければ会社を休まなければならない。など。

 しかしながら、風邪は単なる疎ましくて邪険なものではありません。我々の体にとってきちんとした効果があるのです。

 野口晴哉『風邪の効用』によれば、「風邪はそれ自体が我々にとっての治療行為」であると言っています。
 身体が潜在的に不調な時に風邪をひく。風邪が身体を経過していくことによって、身体は浄化され、我々は本来の健康を取り戻すというのです。
 風邪は病気というよりも、身体を治療してくれる役割を果たすもの、であるのです。

 疲労が溜まるなどして我々が風邪をひく時、それは身体に弾力がなくなっているという証拠。
 弾力とは、余裕と言い換えてもいい。身体に余裕がなくなり、不健康である状態です。
 風邪をしっかりとひき終わると、身体は元の弾力のある状態に戻ります。
 このサイクルこそ、風邪の効用です。

 風邪を引くとたいてい体が整うのです。(略)風邪を引くと、鈍い体が一応弾力を恢復するのです。だから血圧が高い人は血圧が低くなってくる。血圧が低くなるというよりは血管が柔らかくなってくる。(略)体を使っているうちに、或る一部分が偏り疲労の潜在状態になって、そういう部分の弾力性が欠けてくると風邪を引き、風邪を引いた後、恢復してくる。それで私は風邪は病気というよりも、風邪自体が治療行為ではなかろうかと考えている。

 風邪をひいたあと、何だか身体が軽くなり、前より元気になったように感じたことはないでしょうか。私にはあります。
 それはすなわち、風邪を経過することにより、身体が浄化されたということに他なりません。

 風邪は悪いものではない。むしろ、ちょこちょこ風邪をひいたほうが、後に大病を患わなくて済む。

 ただ、上記のように、風邪によって身体を元の余裕のある状態に戻すためには、上手に風邪を「経過させる」ことが肝要です。

 

風邪の上手な経過のさせ方とは?

 ところで、風邪薬は風邪を治すためのものではありません。これは多くの人が勘違いをしていることなのですが、風邪薬とは、風邪の症状を軽く感じさせるためのものであり、ウイルス撃退に一役買うというものではないのです。
 つまり、風邪薬を飲んで仕事に行くということは、風邪をひいている状態を誤魔化して、無理矢理に奮起していることに他なりません。身体に無理をさせている状態です。

 風邪を完全に経過しないで治してしまうことばかり考えるから、ふだんの体の弱い処をそのまま残して、また風邪を引く。(略)とにかく、天然の体をできるだけ天然に保たなくてはならない。そうなるといろいろな治療行為よりは、却って風邪を上手に引き、上手に経過するということの方が意義があるのではなかろうか。

 風邪を上手に経過させ、身体の弾力を取り戻し、健康を維持するためには、自然に身を任せるに限ります。つまり、安静にして、身体を温めることです。
 熱があるからといって風邪薬に頼ることは、その時は熱は下がるでしょうが、風邪をひき切ることには繋がりません。自然な風邪の経過を妨げることに繋がります。

 熱があるときには、身体は必要があって熱を出しているわけなので、少し苦しくてもそれに身を任せるのが肝要です。
 そうして自然に風邪を全うした時、身体は健康を取り戻し、脱皮するがごとく生まれ変わります。
 風邪をきちんとひき切ることによって、身体は本来の能力を回復するのですから。

 風邪をひいたら、自然に風邪を経過させることができるよう、体を温めて安静にしていることが、風邪をひいた時の本来の過ごし方なのです。

 

まとめ

 我々には仕事があり、風邪なんてひいている場合じゃない。
 だけど、風邪薬で風邪を誤魔化してばかりいると、いつまで経っても身体は健康を取り戻しません。
 風邪が治ったつもりでも根本的には何も変わっておらず、風邪の恩恵を受けられないまま、中途半端に身体が歪んだ状態でずっと過ごして、仕事をしていくということです。

 我々には仕事を休む勇気が必要です。
 それは会社のためじゃない、自分自身の健康のためです。
 風邪薬を飲んでがむしゃらに身体を奮い立たせてばかりいると、不健康が蓄積し、風邪どころでは済まなくなってしまいます。

 風邪をひき、熱が出たら、自然に身を任せて安静にする。
 仕事なんてしている場合じゃない。

 人それぞれ考え方や境遇の違いはあるでしょうが、このせかせかとした毎日の中で、頭の片隅にでも覚えておいて欲しいことなのです。

 参考文献: