3分でわかる!生命保険に加入すべき人、加入しなくてもいい人

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 私は25歳の頃、ふと「生命保険とやらに加入したほうがいいのかな」とぼんやり思ったことがあります。何か理由があったわけでもなく、子供ができたわけでもありません。

 結婚さえしていなかったにも関わらずそんなことを思ったのは、世間知らずな私にとって生命保険というものが何だかわからないものだったからです。よくわからないが故に、生命保険というものの存在は知っているけれど社会人たる私はそれに入るべきなのか、別に入らなくてもいいのか皆目見当がつかなかったというわけです。

 あれから約10年、私事ですが、真剣に自分の人生設計を考えるようになる中で保険の知識も蓄積されてきました。本稿においては「損をしない」という観点において、生命保険に加入すべき人、加入しなくてもいい人を解説していくものです。

 

はじめに知っておくべきこと:生命保険の5つの真実

1. 生命保険は宝くじと同じである

 ベストセラー作家・橘玲氏の著書においては「生命保険は不幸の宝くじ」であると繰り返し強調されています。

 一般の宝くじは、誰が賞金をもらうかを抽せんで決めますが、保険の場合、あらかじめ加入時に決めておいた偶然の出来事が発生したときに、保険金という名の賞金が支払われます。

 『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015』(橘玲・著、幻冬舎)P.140

 宝くじの還元率は40%程度であり、一等に当せんして億万長者になるのは天文学的確率であることは誰もが知っています。生命保険においても原価率は50%程度であると言われており、当せん(被保険者が死亡)する確率は20代で1,000人に1人を下回ります。両者はとても似ていることがわかります。

 当たると幸運な宝くじか、当たると不幸な宝くじか。宝くじと生命保険はそれだけの違いしかありません。

 

2. 生命保険は善意ではない

 保険会社は善意で生命保険という商品を売っているのではありません。生命保険はビジネスの道具でしかありません。

 上述の通り、生命保険の原価率は50%程度と言われています(殆どの保険会社が原価率を公開していない!)。ということは、私たちが支払った保険料のうち保障に使われるのは半分だけで、残りの半分は事務社員やセールスレディの高額な給与、これまた高額なテレビCMなどの広告費などに消えていくということです。

 

3. 保障は最低限にすべきである

 原価率が50%である以上、確率的に私たちが生命保険で得をすることはあり得ません。得をしているのは保険会社であり、その得とは利益のことです。

 保険商品は複雑怪奇であり、はっきり言って一度説明されただけでは理解するのが不可能であるほどです。なぜこんなにも保険が複雑化しているかというと、私たち消費者のため、ではありません。プランが複雑になればなるほど保険料の単価を上げる口実になり、そこに手数料をさりげなく忍び込ませることが可能だからです。私たちはわけがわからないものの、熱心におすすめしてくるものだから「まあ、いいか」と思考停止して契約してしまうというわけです。

 私たちは生命保険で損をすることはあっても、得をすることはない。そう考えれば、セールスレディがいくら熱弁を振るったとしても生命保険に加入する際には「保障は最低限にする」ことがセオリーになります。

 ちなみに、貯蓄型の生命保険は手数料が高い上に保険会社が倒産してしまったら掛け金が戻ってこない可能性もあるので、全くおすすめできない代物です。

 

4. 保険の本来の目的はリスクを回避すること

 保険の本来の目的は「リスクの回避」です。滅多に起きないことだけど起きてしまったら莫大なお金がかかることに対するヘッジが保険の目的です。

 例えば、自動車保険。万が一事故を起こしてしまったら数千万円や数億円の賠償を請求される可能性があります。そのリスクを回避するために1ヶ月数千円の保険料を支払っているのです。火災保険も同様。滅多に起きないけど、起きてしまったら人生を大きく左右する損失を被ることになる。それを避けるために保険に加入し、万が一の保障と安心を買うのです。

 生命保険も考え方は同じです。「万が一のことが起こったら残された人が大きなリスクを抱えてしまう」という場合にのみ、生命保険は極めて有効なのであり、それ以外の場合はたとえ結婚していたとしても必要はないということになります。

 

5. 遺族年金や貯金で足りるなら生命保険は要らない

 配偶者が死亡した場合、遺族年金の受給対象になります。遺族年金は死亡した配偶者の年収、遺族の年齢、18歳未満の子供の数などによって受給金額が違ってくるやや煩瑣な制度なのですが、年間約58万円から200万円の受給が可能です。

 遺族年金と貯金などの蓄えによって残された人が生活に困らないのであれば、無理に生命保険に加入する必要はありません。

 
関連サイト(外部リンク):
遺族年金(受給要件・支給開始時期・計算方法) – 日本年金機構
知らないと損する「遺族年金」妻・夫が死んだら、あなたの「年金」はこんなに変わる – 週刊現代

 

生命保険に加入すべき人とは?

 以上のことを踏まえると、生命保険に加入すべき唯一の人物像がわかります。それは「子どもがいて資産形成が十分でない身寄りのない若い夫婦」です。

 上述の通り、保険とは「万が一のことが起こったら残された人が大きなリスクを抱えてしまう」という場合にのみ極めて有効なものです。万が一、不運にも親が亡くなってしまった時、「貯蓄が充分でないために子どもを路頭に迷わせてしまうかもしれない」という万が一のリスクを回避するためにこそ生命保険の保険たる効果が発揮されるのです。

 逆に言えば、それ以外の人にとっては生命保険はお金の無駄遣いであるということです。

 

生命保険が必要のない人

独身者

 子どものいない独身者には余程の事情がない限り生命保険は必要ないでしょう。受取人とすべき人がいないからです。本稿の冒頭に書いた話の結論ですが、25歳で独身だった私は生命保険は全くの不要だったのでした。

 また『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください』(山崎元、大橋弘祐・著、文響社)においては「家族がいないなら医療保険にも加入しなくていい」という趣旨のことが主張されています。

関連記事:
独身のあなたが医療保険に絶対に加入しなくても良い5つの理由

 

子どものいない夫婦

 保険会社は「生命保険は愛情の証」として私たちの感情を揺さぶって生命保険に加入させようとしますが、前述の通り、生命保険が必要なリスクヘッジとは「万が一、親がいなくなった場合の子どもの行く末」のみに絞られますから、いくら生命保険が愛情のメタファーであると喧伝されようと、子どものいない家庭が生命保険に加入することは合理的な選択ではありません。

 合理性を追求するか、形のない愛情を選ぶかは完全に個人の自由です。

 

子どもが成人した夫婦

 子どもが一人立ちした以上は両親が死亡してもたらされる金銭的リスクはないとみなされるので、生命保険は必要ありません。

 

子どもがいるが大きな資産のある家庭

 親の死亡により収入が途絶えて子育て費用を捻出できなくなるかもしれないリスクを貯蓄などの資産でカバーできるのなら生命保険は必要ありません。この場合は潤沢な貯金がリスクヘッジとなっており、更に生命保険を掛けることは無駄な支出でしかありません。

 

住宅ローンを組んだ人

 住宅ローンを組むと同時に死亡保険に加入させられることになります。本人が死亡するとローンの残債が保険金と相殺されることになり、遺族はその持ち家を売却することによって性格費を確保することができるため、更に生命保険を掛けてリスクヘッジをする必要はありません。

 

両親が死亡しても子どもに身寄りがある場合

 親族の中に遺族(子ども)の引き取り手がある場合、万が一の両親の死亡が子どもを路頭に迷わせることにはならないので、生命保険に加入する必要はありません。

 

まとめ:正しい生命保険の選び方

 生命保険は高コスト商品であり、損をするようにできているものです。そのような仕組みから導き出される答えはただ一つ「生命保険に加入することは合理的でない」ということになります。それは「宝くじを買い続けるのが合理的でない」のと同じ理由です。

 ただし、人生は合理・不合理だけで語られるものでもないのも事実ですし、リスクに対する考え方は千差万別です。「10,000分の1のリスクが不安で不安で仕方ない」という人もいるでしょう。

 『臆病者のための億万長者入門』(橘玲・著、文春新書)においては、生命保険は不合理な金融商品であり割の悪いギャンブルであるとしながらも、正しい生命保険の選び方も簡単に指南されています。

 1. もっとも経費率の低い生命保険に加入する
 2. 保障は必要最低限にする
 3. 保障が不要になったらすぐに解約する

 (P.51)

 「経費率の低い生命保険」とは具体的にはネット型の生命保険のことです。実店舗を持たずにインターネットだけで契約が完結する生命保険(ライフネット生命など)は、各地に営業所を持たないためにその地代家賃、光熱費、従業員・セールスマンの給与などの経費がかからないために圧倒的な低価格で同等のサービスを提供することができるものです。

 私事ですが、生命保険には加入したことがありませんが、ネット型の自動車保険には加入したことがあります。それまでの保険料が年42,000円だったところ、ネット型(ダイレクト型)自動車保険では年15,000円になりました。もちろん保障は同等。サービスも良い。

 ネット型の保険が誕生してからかなり経ちますが「ネット型は何か不安」と根拠のない先入観で避けている人がまだまだ多いように感じます。非常にもったいないことだと個人的には思います。

 
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参考文献: