ストレスと向き合う考え方。もう逃げ回らないためのたった1つの解決策

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 現代社会はストレスの塊だと言うが、そもそもストレスという言葉の起源はどこにあるのだろうか。

 名前が付けられることによって、それはそこに存在することになるのである。
 従って、某人物がストレスなんていう言葉をそうして定義していなければ、現在の社会で右から左からもストレスストレスと聞くこともなかったであろうし、そもそも「何か心に負担がかかってるな」という状態を指す言葉が存在しないわけだから、人々も「ストレスだ!」と躍起になることなく、「なんか疲れたけど、気のせいか」くらいで済まされていたかもしれない。

 誰だ、ストレスなんて言葉を作り上げた奴は。
 そいつは跋扈する現代病の礎を築いた人物と言っても差し支えないのではないか(と私は考えている)。

 

「ストレス」という言葉の始まり

 「ストレス」という英語は、そのまま訳せば「圧力」や「緊張」という意味だが、現在の意味でのストレスという用語が初めて使われたのは1936年のこと。
 ハンガリー系カナダ人のハンス・セリエという人物によって、「変化を求める外部からの刺激に対する不特定の体内反応」を指すものとして定義された。
 重要なことは、ストレスは「体内反応」であるということである。

 さて、彼は上述の通り、ストレスとはそもそもは一般的な単語で「圧力」という意味であり、「心にストレスがかかる」という言い方をすることからもわかる通り、外部的要因を強調する言葉である。
 晩年になって、ハンス・セリエはその解釈の仕方を撤回している。すなわち、外部的要因に目が行きがちな「ストレス」という単語を使うつもりはなかった、というのである。

 ハンス・セリエにとっては、圧力が外部からかけられることを問題とするのではなく、その要因によって心がどのように反応するかが焦点だった。
 外部からの「圧力」というよりは、心の「緊張」という意味でストレスという言葉を使ったというのである。

 英語がよくわからない日本人(私を含む)にとってはどうでもいいことには違いなく、ストレスはストレスなわけである。
 だけれども、ストレスを単なる外部作用と解釈するか、それとも、我々の心の中にあるものであるかと解釈することは、天と地ほどにも違うのである。

 ハンス・セリエの話はもう終わり。さよなら。
 ここからはストレスの考え方の話である。

 

ストレスを外部作用であると解釈することは楽だけど危険だ

 ストレスを自分の外側のせいにすれば、楽な気分になるのである。
 例えば、ストレスの原因は、ムカつく上司のせい、長時間労働のせい、無理難題な仕事のせい、やる気のない同僚のせい、自分の意見が通らないせい、など。
 そういった外部的要因は自分ではどうすることもできないことだから、仕方ない。ということは、自分の責任でもないということ。
 自分のせいじゃないと考えれば気が楽になる。

 しかし、そのように考えてしまうと、ストレスを減らそうとすることは、その外部的要因を避けること以外に手段はないということになってしまう。

 長い社会人生活において、ストレスを避け続けるのは至難の業である。
 休暇で長い気晴らしをするにしたって、結局はバカンスに過ぎない。会社に戻って仕事をしなければならない日がいずれ来る。
 独立すればストレスがなくなるだろうか。確かにうるさい上司からは逃れられるかもしれないけれど、お金の問題などの、さらなる重大なストレスが襲来するだけの話。
 田舎に移住すればスローライフを送れるだろうか。いや、それでも同じこと。

 どうしても我々はストレスというと、やれ独立だ、やれ転職だ、やれ田舎暮らしだと、そのような選択肢しか思い浮かばなくなってしまう。
 つまりは、襲い来るストレスから逃げることである。
 逃げたって仕方ない。

 じゃあどうすればいい?

 

ストレスを自分の内部でコントロールすること:レジリエンス

 「レジリエンス」という考え方が近年注目されている。「精神的回復力」とも訳される心理学用語。
 自然災害やテロなど、とても耐えられないようなストレスの中でうまくやっていける能力とはどのようなものかという研究が出発点となったものである。

 そういった一見絶望的であり、ストレスフルな状況において生き延びる人には考え方に特徴があるという。
 簡単にまとめると、

 ・周囲の状況をある程度コントロールできると信じている
 ・厳しい経験が成長に繋がると理解している
 ・自信過剰な傾向にある

 つまりは、ストレスへの対処は考え方によってなんとかなるということである。
 上記、厳しい状況を乗り切った人たちは、傍から見れば物凄いストレスを抱えながらも、考え方ひとつによって危機的状況を乗り切ったのである。
 外側にあるストレスから逃げたのではない。自分の心の中で生まれたストレスを真正面から捉えて、対処したのである。

 

ストレスと向き合えば選択肢が増える

 冒頭でのハンス・セリエによるストレスの定義を思い出そう。
 「変化を求める外部からの刺激に対する不特定の体内反応」である。

 体内反応。つまり、ストレスは我々の中にある。
 我々がストレスを感じているというだけのこと。

 第一、ストレスの原因は、定義によれば「変化を求める外部」と書いてある。
 そう、我々は考え方の変化を求められているわけである。

 変えることを求められているのだけれど、誰でもそう、考えなんてものはなかなかすぐに変えることができない。
 それを原因とする体の反応が、ストレスなのである。

 ストレスからは逃げるべきもの、あるいは、ストレスはじっと耐えるもの、と考えを固定してしまうことは、自らの人生の選択肢をも固定化してしまうことに他ならない。
 ストレスから逃げ回るためだけに人生の貴重な時間を費やしてしまいかねない。

 そういった固定された考えを払拭し、どのように心の中のストレスと向き合って、どのように対処するかを考えること。
 それこそが柔軟な人生であり、選択肢の多い人生であり、すなわち、充実した人生なのである。

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結論

 ストレスとは、我々の心の中で発生するもの。
 つまり、ストレスと向き合うことは、自分自身と向き合うことである。

 ストレスとなる事象から逃げるのではなく、ストレスと向き合うことによって選択肢の多い充実した人生を送ることができるのだ。