経験者が解説。スーパーマーケットの出世コースはどうなっているの?

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 一般的にイメージされる出世というと「平社員 → 係長 → 課長 → 部長 →…」というものが多いと思います。しかし、スーパーマーケットにおける出世はそのようなものとはガラリと違います。

 要因は、従業員が一つの箱の中で働いているのではなく小規模な各店舗に配属されるからでしょう。スーパーマーケットにおいては係長、課長、部長という役職はあまり聞きません。少なくとも私が勤めていたスーパーでは寡聞でした。

 平社員である部門担当者から出世していく可能性のあるのは部門責任者、副店長、店長、スーパーバイザーなどです。また、同じ出世とは言え、店長とスーパーバイザーでは系統が違います。目指す方向が違うのです。

 下記、私が勤めたスーパーマーケットを引き合いに出しながら、スーパーにおける出世について紹介していきましょう。

 

部門担当者

 要するに平社員です。新入社員は全てどこかの部門(鮮魚、精肉、青果、加工食品、デイリー、など)に所属し各店舗に配属されます。

 基本的に部門間の異動はありません。入社時点で青果部門の担当になったら、よほどの事情がない限り副店長に昇格するまでは青果担当です(ネギアレルギーであることが発覚して部門異動になった人はいます)。

 部門担当者として仕事の仕方を学び、おおよそ早い人で2年から3年、遅い人でも10年間の下積みを経て部門マネージャーへと出世していきます。

 

部門マネージャー(責任者)

 各店舗における部門の責任者であり、担当者の上司です。ここまでは全社員共通の出世コースとなります。

 部門マネージャーの仕事は数値管理です。売上が未達であったり利益が取れていなかったりする場合、全てマネージャーの責任です。店長からは怒られ、スーパーバイザーからは叱責されとあちこちからのプレッシャーが伸し掛かります。

 とは言え、部門の責任者ですから部門の経営がうまく行っていれば何をしていても構いません。面倒な仕事は部下やパート・アルバイトに任せて自分は一日中スマホゲームをしているということも理論上は可能です。

 部門マネージャーは管理職とみなされますので、残業代はつきません。あるいは、残業代が支給されたとしてもその分ボーナスから引かれるなどの措置があります。部門マネージャーになったからといって給与がいきなり跳ね上がるということはありません。微増です。ただ、役職手当の分だけボーナスは大いに増額されて支給されます。

 部門マネージャーの次の出世コースは「スーパーバイザー」と「副店長」にわかれます。ごく稀に大変に優秀な人は「人事部」などの本部職へと就くこともありますが、これは例外中の例外ですのでここでは触れません。

 

SV(スーパーバイザー)

 各エリアにおける部門マネージャーの上司ともいうべき存在です。担当エリアにおける自分の部門を指導します。○○エリア△△部門SVという肩書になります。

 部門マネージャーの中でも大変に優秀であったり、SVに気に入られていて推薦されたりすると就ける役職です。私見では戦略家というよりも行動力に長け、怒らせると大変に恐ろしい反面、面倒見の良い人が多いように思います。選ばれた人のみが到達できる出世コースです。

 ちなみにSVと同じような出世コースにBYR(バイヤー)というものもあり、こちらは商品開発や買い付け、部門における総合的な戦略を立案していく人で、こちらはさらに選ばれた人しか就くことができません。

 

副店長・店長

 SVやBYRは選ばれた人しかなれないので、多くの人はこちらのコースを辿ることになります。つまり「担当者 → 部門マネージャー → 副店長 → 店長」の出世コースです。

 おおよそ40歳前後頃を目処に副店長に昇格することが多いと感じているのですが、これも人によります。優秀な人物は早めに出世していきますし、何か問題があったり出世を頑なに断ったりしている場合には部門マネージャーのままです。同様にして、優秀な人は店長に昇格していく反面、副店長のまま退職する人もいます。

 店長、副店長は基本的にデスクワークが多いです。あまりバタバタと忙しいイメージはないのですが、店舗運営がうまく行っていない場合、大変なる叱責に遭うものと思われます。部門マネージャーほど異動は多くはないですが、それでも店長の殆どは単身赴任でした。

 

エリアマネージャー

 各エリアの店長の上司に当たります。店長の中でも特に優秀な人がこの役職に就くことができます。雲の上の存在です。

 私事ですが、エリアマネージャーの印象は誰も彼も「突然に店舗にやってきて理不尽なことを言って帰っていく人」というイメージしかありません。人事権も掌握しているので、気に入らない人を自分のエリア外に追放したりできます。ええ、私は二度も県外に追放されました。

 とは言え、数値面において社長や役員から直接叱責されることも多いでしょうから、ストレスの多い役職でもあると思います。

 

まとめ:スーパーマーケット社員、出世のための戦略

 早く出世したい人はとにかく太鼓持ちになることです。特にSVに気に入られるとマネージャーへの昇格も迅速です。ガツガツすることが肝要で、努力を必至にアピールすることが近道です。スーパーマーケットは体育会系の職場です。計画性よりも行動力が重視されるのです。

 逆に出世なんてしたくないという人は、担当のうちからひっそりと適当に仕事をやりましょう。怠慢を叱責されるとしても部門マネージャーに何か言われる程度です。恐ろしいSVに直接怒られることは滅多にあるものではありません。

 マネージャーになれば給与が増えますが、仕事も責任も増えます。ヘマをすれば、店長に叱責され、SVに叱責され、エリアマネージャーに叱責されと踏んだり蹴ったりな場面もあるに違いありません。

 とは言え、出世するということは裁量権が与えられるということに他なりません。前述の通り、きちんと結果さえ出していれば遊んでいたってサボっていたって構わないのです。管理職であり残業代が付かないということは、理論上は出退勤の自由が認められているということに他なりません。

 必ずしも出世しなければならないということはありません。それぞれのライフスタイルや考え方がありますから、出世したければそれを目指し、したくなければしなくてもいい、というような道があってしかるべきであると思います。