我々が「時間が足りない」と思いがちなのは、自由な時間が細分化されてしまっているからに他ならない。
予定と予定の間のわずかな時間や、遅刻してくる相手を待っている時間、予期せぬキャンセルによってもたらされた次の予定までの時間、などである。
誰もがゆったりとした生活に憧れる。
誰にも邪魔されずに集中して仕事のできる環境。素晴らしい。
では、細分化されたスキマ時間しか与えられない我々は、本当に時間がないのだろうか。
そんなことはないのである。
大変に忙しい生活を送っているように見えながらも、卓越した読書家である人もいる。いつ本なんて読んでいるのだろうか、と疑問に思うのだが、答えは単純なのだ。
スキマ時間を活用しているのである。細切れになった時間を無駄なく使っているのだ。
スキマ時間を有効に活用するためのアイデア4つを教えよう。
1. 腰を据えてやらなければならない仕事なんてない
重要な仕事や大プロジェクトは、誰でもゆっくり時間のあるときに腰を据えて取り掛かりたいと思っている。
だけど、「ゆっくり時間のあるとき」が都合良く訪れる可能性は限りなく低いのである。
となれば、先延ばしに甘んじる結果となるのは目に見えている。
スキマ時間に大プロジェクトをコツコツとこなしていくには、2つの考え方を参考にすると良い。
a. 短時間で一気に仕上げても構わない大プロジェクトもある
全ての重要な仕事について、腰を据えて、慎重に、立派に仕上げなければならないというのは妄想である。
それは単なる思い込みであり、取り組むためのハードルを自ら高くしているようなものだ。
往々にして、先延ばしが生まれるのは、自分で自分にプレッシャーをかけてしまっているからに他ならない。
「難しい仕事か」「重要な仕事か」なんて予め考えずに、まずは5分でいいから手を付けてみることで、やる気が誘発されて完了までの道筋が見えてくるのである。
b. 仕事を細分化して考える
大プロジェクトという大きな塊として考えるからプレッシャーになるし、どこから手を付ければいいかわからなくなるのである。
であれば、その大プロジェクトを細かく切り刻んで、一つひとつのタスクを細かくすることが、優先してすべき第一歩となる。
人には「完了バイアス」と言って、一つの仕事を「終わらせること」に快感を得る働きがある。
大きな仕事を塊として捉えてしまっている場合、いつまで経っても終わらないので達成感や快感を得ることが難しい。
だけど、大きな仕事を細分化し、10分程度でできる小さな作業の集積として考えれば、一つひとつのタスクが完了する度に達成感を得ることができ、モチベーションの維持に貢献するのである。
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2. 同じ種類の仕事はまとめてやっつける
一日の労働時間のうち、仕事の切り替えに要する時間の累計が大半を占めていた、という驚くべき調査結果が出ている。
実際に仕事をしている時間ではなく、仕事と仕事の間の時間(「次は何しようかな」と考えている時間、次の作業の準備をしている時間、気分転換のためのリフレッシュ時間、など)に労働時間が食い潰されているというのだ。
つまりは、それらの無駄を削減できれば、生産性を向上させ、残業を減らすことにも繋がるのである。
仕事の切り替えに時間を要するのだから、切り替えなくて済む仕事はまとめて片付けてしまうのが良い。
例えば、メールの返信は一日の中で時間を決めてまとめて返信する。
一件のメールを削除したのなら、ついでに受信ボックスの整理をしてしまおう。
席を立つ機会があったなら、席を立ってできることはついでにまとめてしてしまおう。
仕事の総量は変わらないのに、効率良く処理できていることに驚くに違いない。
3. スキマ時間に適したことをやってみよう
スキマ時間というのはイレギュラーで不安定な時間である。
10分程度の小休憩であったり、人を待っている時間であったり、他人によって潰されてしまう可能性のある時間であったりする。
ブロガーであるマリーン・マンは、スキマ時間に行うのに適した行動の三箇条を提唱している。「編み物」からインスピレーションを受けたのだという。
a. どこへでも持っていけること
b. 気の散る環境下でも集中してできること
c. 数秒の作業であっても結果を残せること
例えば、読書などはこれら条件を満たす最良のスキマ時間の行為であろう。アイデアをメモするというのもいい。日記を付ける、資料を読み込む、翌日のスケジュールを考えるなどもいいのではないか。
ちょっとした休憩時間にスマホゲームをやっている人をよく見かけるけれど、それはスマホゲームの多くがスキマ時間にできるようにデザインされているからに違いない。
ともあれ、スキマ時間にまずは何かをやってみて、有効活用しようとすることが肝要だ。
ちなみに私はスキマ時間を、ニュースの斜め読み、読書、ブログ執筆に充てることが多い。
4. 敢えて何もしないという選択肢
前言に真っ向から対立するようだが、全てのスキマ時間をみっちり有効活用しようとすることに疲れてしまうこともある。
「何かやらなきゃ。でも、やりたくないな」と足踏みして思案している時間ほど無駄なものはない。
であれば、意識的に何もしないという選択肢もあるのだということを頭の片隅に置いておこう。リフレッシュも必要だ。
私は、何かをすることに気が進まない時には、スキマ時間に散歩をするようにしている。
体を動かしながら太陽を浴びることで、ビタミンDやセロトニンが体内で生成されて、大変に清々しい気分になるのである。
同時にやる気が出て、仕事や次のスキマ時間に取り組む際の原動力になる。
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まとめ:スキマ時間を有効活用するための4つのアイデア
・大きな仕事は細分化して少しずつ取り組もう。
・似たような仕事はまとめて片付けよう。
・スキマ時間の三箇条を参考にしてみよう。
・敢えて何もしないという選択肢も考慮しよう。
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「10分くらいのスキマ時間で一体何ができるんだ。あっという間じゃないか」と思うかもしれない。
私もそう思っていた。
だけど、やってみると意外と物事が捗るのである。10分では何もできないと思うのは、単なる先入観だ。
一日に数度設けられている10分程度の小休憩時間と1時間の昼休みを活用すれば、本を読むのが遅いと自覚する私でも、100ページは読める。つまり、3日程度で1冊を読破できるのである。
プログ記事だって書ける。書くのもそれほどは早くないが、一日のスキマ時間を利用して、3000字は書ける。3000字と言えば、検索エンジンに評価されるに事足りる分量である。
そう、時間は充分にあるのだ。それを活用していないだけなのである。
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