スーパーマーケット青果売場の仕事って楽なの? 大変なの? どんなことをするの?
 新卒で入社したスーパーマーケットに約2年半勤続、元青果担当の私がスーパーマーケット青果の仕事をご紹介していきましょう。
  あくまでも私の勤めていた会社での経験を元にしています。
  2年半の中で三度の異動、つまり四店舗を見てきた上での経験を踏まえて紹介していこうと思います。
出勤時間 ―開店時間の2時間前
 おおよその出勤時間は開店時間の2時間前と考えて良いでしょう。
  朝10時開店なら8時出勤、朝9時開店なら7時出勤です。
 但し、人員不足であったりパート社員の教育がなされていない店舗では社員の負担が増すので、それよりもさらに早い出勤となる場合もあります。
  ある店舗においては、近所のスーパーが閉店したことに伴い来客数が急増、人員確保が追いつかずに社員は早朝からの出勤を強いられていました。
 また、多くの来客数・売上が見込まれる特売・売り出しの際には朝に納入される物量が大量になるため、片付けながらの開店品揃えを強いられます。早めに出勤しないと開店に間に合わない事態となってしまいます。
  私の勤めていたスーパーでは月に二度大きな売り出しがあり、その際には私は朝5時に出勤していました。退勤は夜10時くらい。
  隣町にあった大型店舗にいた同僚は3時出勤だったそうです。
 普段は朝8時出勤、夜7時〜8時退勤でした。
  やることがない日は定時で退勤もしていましたが、定時の夕方頃にさっさと帰る社員は私くらいでした。
  従って、残業は当たり前と思ったほうがいいでしょう。
  残業代が支払われるかどうかは上司によります。
私はありませんでしたが、朝に市場に寄ってから出勤する場合もあるかもしれません。
開店時間が早いことに伴って出勤時間も早まることは前述の通りですが、閉店時間も店舗によって違うものの社員の退勤時間はおおよそ8時頃なので、開店時間の早い店舗に配属になると自ずと勤務時間は長くなると考えて間違いないでしょう。
仕事内容
 日常の業務は品出し、商品加工作業、発注がメインとなります。
  アルバイトやパートがきちんと教育されている店舗では品出し・商品作りは簡単な指示をしておけばテキパキとやってくれますので社員は非常に楽です。
  但し、人手の足りていないところでは社員も品出しに追われざるを得ず、バタバタしながら一日が終わるという肉体労働以外の何物でもないことになります。
  どの店舗でも基本的には肉体労働ですが。
 商品加工作業とは、袋詰め、パック詰め、ネギなどを束ねる作業、キャベツなどを半分・1/4に切ってラップに巻く作業などです。
  袋に詰める数は相場やサイズによって違ってきますが、それは適宜、社員が指示します。
  誰でもできる簡単なお仕事です。
 かぼちゃを切る刃物があるのですが、刃が非常に鋭利で少し触れただけでも怪我をしてしまいますので、注意しましょう。
  おおよその怪我は洗っている時・掃除をしている時に起きます。
 上述の通り、アルバイトやパートの仕事は品出しと商品作り、一部の簡単な発注くらいです。
  スーパーマーケットの生鮮(鮮魚・精肉・青果)の中でも青果は清潔でクリーン、簡単で危険も少ないですから、アルバイトやパートをするなら青果は圧倒的におすすめできます。
アルバイトやパートに売場管理は任せておけば、社員の仕事は発注と計画作成くらいです。
発注について
 発注は難しそうに思えるかもしれませんが、前年のデータを見ながら行う単純作業であると私は考えています。
  パソコン上で流通部に発注するものと、各店舗の得意先の市場にFAX発注するものとがありました。商品ごとに安い方に発注します。
 おおよそ在庫過剰になってしまう店舗はデータではなく、勘で発注しているからそうなってしまうのです。
  前年データと直近データを元にきちんと数字で発注すれば、在庫過多になることはありませんし、特売の発注数量も迷うことはありません。
  品出しや商品加工はアルバイトやパート社員に任せ、落ち着いた時間を確保して発注数量を決定することができれば、より正確な在庫管理ができます。
  在庫は少なければ少ないほうが良いです。
販売計画作成
 販売計画については、私は適当に作っていました。
  Excelでそれぞれの品目について自動的に適当な数字が表示されるように式を打ち込んであるシートを作成し、それを使いまわして毎週それらしいものを提出していました。
  正直、計画は計画通りには行きません。「当日の在庫数」「直近の売上」「昨年の売上」を参考に発注数を決めればそれで足りるので、販売計画は形だけのものと言えるでしょう。
  適当に作っていても誰にも何も言われたことはありません。もちろん、会社や店舗にもよるでしょう。
  あまり参考になりませんね。。
棚卸し
 棚卸しは週に一度ありました。
  お菓子などの加工食品や衣料品は年に一度か半年に一度であるのに対し、生鮮部は棚卸しの頻度が高いです。
  野菜や果物には一つ一つバーコードが付いているわけではないので在庫を把握しにくいためなのでしょう。
 棚卸しの目的は、利益(荒利・粗利)を算出することです。
  在庫をカウントすることは手段であって目的ではないのです。
  間違いやすいので注意しましょう。
 棚卸しというと、在庫を一つ一つ数えるという非常に面倒な作業です。
  ですが、これも人によってやり方は違ってきます。
 「正確に数えろ」という人もいれば、在庫を全く数えないで電卓だけで適当に棚卸しを完了させる人もいます。
  私は後者でした。
  とりあえずは「在庫が少ない」「利益目標を達成している」という二点が揃っていれば誰にも文句は言われないので、電卓を叩いてちょうどいい感じに毎週報告していました。
 粗利算出には計算式があり、報告する在庫量を多く計上すれば利益は上がり、在庫量を減らせば利益は下がって算出されます。
  つまりは、利益が出ていない時には架空の在庫を計上して見せかけの利益確保をすることができ、利益が充分に出ている時には在庫を全ては計上しないでほどほどの利益で報告しておく、というテクニックが使えるわけです。
頻繁なる人事異動
 スーパーマーケットは人事異動が多いことで知られています。
  私の勤めていたところもその通りで、冒頭でお話しした通り私は2年半で三度の移動を経験しました。しかも、全て引っ越しを伴う異動で正直参りました。
異動が多いということはメリットにもデメリットにもなります。
 メリットとしては、
  ・嫌な上司と当たってもいずれはどちらかが異動になる。
  ・その店に飽きてしまう頃に異動になるので、気持ちをリフレッシュできる。
 デメリットとしては、
  ・会社の都合でコマのように扱われていると感じることがある。
  ・単身赴任が非常に多い。
 私はデメリットの方を過大に負担に感じてしまって辞めてしまったのですが、感じ方は人それぞれであると思います。
  上述の通り、単身赴任は少なくとも一度は経験することになるでしょうし、長ければサラリーマン人生の大半を単身赴任として過ごすこととなる可能性もあります。
  社員として勤める場合は覚悟しましょう。
勤務シフト
 年中無休でした。元旦も営業です。
  従って出勤はシフト制でランダムに組まれます。月に8〜10日が休日です。
  運が良ければたまたま連休になることもあります。
  当然ながら、お盆休みや正月休みはありません。むしろ繁忙期である場合もあります。
 但し、私が入社した年から「社員は年に一度は3連休を取得するべし」というお達しが本部からもたらされ、翌年には「年に二度の3連休」、その翌年には「年に二度の5連休を取得するべし」と本気取り組んでいるようでした。
  そういう面では悪くない会社だったとは思います。
 休日出勤は根強く残っている印象でしたが、全員が全員休日出勤を強いられているわけではありません。店舗や上司の方針によるところが大きいです。
  最悪の上司にあたってしまうと「一年中休みなし」ということもあり得ます。恐るべき事実です。

 
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