転職活動に最も必要なことは、確固たる意志とスピードです。
「転職する!」と決めたら迷うことなく転職のための活動を行い、3ヶ月以内に内定を勝ち取り、2週間以内に退社する。
これがベストな転職の流れです。
従って、まだ迷いがあるうちには転職活動に身が入らないことは明白であり、そんなだらっとした状態で万が一内定をもらったとしても今よりも良い条件の企業である可能性は低いように思います。
中途半端な気持ちの転職者に内定を出す会社は、往々にして中途半端な会社でありましょう。
転職しても良い結果にならないはずです。
「もう後戻りはしない」くらいの気持ちで転職活動を始めてこそ、本気で転職先を見極めることができ、真剣に自分の将来を考えることができるのです。
速やかで、合理的な、潔い転職。
スピーディーな転職のための5箇条を見ていきましょう。
1. 現職中に転職活動を行うこと
原則、現職中に転職活動を行い内定を貰ったら退職するという流れがセオリーです。
理由は、
・収入が途絶えると不安である
・転職までにどれくらいの期間がかかるかわからない
・無職期間が長引くほど不利になる
つまりは、「余裕を持って転職活動するために」と退職してしまうと、なかなか内定が決まらなかった場合、収入や無職期間のブランクを気にしてしまって、逆に余裕のない転職活動になってしまうのです。
これでは本末転倒です。
また、退職してから転職活動を行ってしまうとあまり良い目で見られません。
計画性や忍耐力のない人という印象を与えてしまうからです。
但し、
・これ以上現職で働き続けていたら精神を病みそうだ
・ギチギチの激務であり転職のための時間を全く確保できない
という場合には、一旦退職して転職に臨みましょう。
2. 転職自体が目的になっていないかセルフチェックする
転職は人生においても大きな分かれ道となる場合があります。
「転職なんてしないであのまま勤めていればよかった」という取り返しのつかないことさえ起こり得ます。
おおよそ転職したことを後悔してしまうのは、転職の目的が曖昧であった場合が多いです。
・友人が転職したと聞いて、自分もした方がいいのかなと思って転職活動を始める
・新卒で入社した会社にずっと勤めているけど、なんとなくキャリアアップとやらをしてみたい
・現職に不満はないけど同じことの繰り返しで退屈だから、転職したらやりがいが見つかるかもしれない
それはつまり、転職自体が目的となってしまっているということです。
後悔のない転職にするためには、本当に転職が必要かということを自分に今一度問うてみることが必要です。
転職してしまったら後戻りはできません。タイムマシンはないのです。
「なんとなく仕事が退屈だ」という事態は、転職以外にも「仕事は仕事として自分の時間を充実させる」「退屈な仕事の中に何かやりがいを見つける」「社内での異動を申し出る」など豊富な解決策が意外と見つかるものです。
逆に、「仕事が激務すぎて家族との時間が取れない。収入を下げてももう少しゆったりとした会社で働きたい」とか「過労死の恐れがある。せめてまともな会社で働きたい」などの場合は転職の目的が比較的はっきりしていますので、後悔のない転職が達成できる可能性が高いです。
3. 活動期間は6ヶ月(半年)が限度
転職活動は長く続けるものではありません。
だらだらと長引かせてしまうと現職の業務にも支障が出ますし、転職活動における集中力も欠きます。
二兎追うものは一兎をも得ず、ということにもなりかねないのです。
転職活動は短期決戦です。
転職は、新卒の就職活動のように期限が決められているものではないのでついついだらっとしがちなのですが、転職活動だからこそ短期間で集中して行うのが成功のコツです。
具体的な活動期間としては、リサーチや情報収集に3ヶ月・応募や面接などのアクティブな転職活動3ヶ月=計6ヶ月が現実的な期間です。
実際、アクティブな転職活動期間が3ヶ月を超えると内定獲得率が大幅に下がるというデータも出ています。
つまりは、短期間で集中して濃密な転職活動を行う人が成功しているということです。
もしも3ヶ月から半年で転職が決まらなかった場合、この機会は潔く諦めて次のチャンスを狙うほうが懸命な選択と言えます。
ちなみに、転職活動者において内定獲得までに平均何社にエントリーしているかというと、だいたい25社が相場です。
その中から3〜4社で面接に至り、多くて2〜3社の内定が出る。
なので、数社に応募してなかなか面接に至らないからと投げ出すのは尚早です。
落ち込む必要なんてない。転職すると決めたからには粘り強く行きましょう。
4. 内定通知は書面で受け取る
内定の決定は、多くの場合は電話にて連絡があります。
ですが、ここで安心してはいけません。
重要なことは「内定通知書」をきちんと書面で受け取ることです。
中小零細企業においては特にルールや制度が曖昧な傾向にあり、口約束だけで決めてしまうことが多いです。
なぜきちんと書面で受け取ることが重要であるかというと、内定通知書には労働条件が明文化して記されているからです。
・職務内容
・役職
・勤務地
・就業時間や休日
・社会保険
・給与や賞与
これら条件が曖昧なままに入社してしまいトラブルになるケースが多いのです。
「求人票に書いてあった条件と同じと思っていたら違った」「内定連絡の際に聞いていた条件よりも低い条件にさせられた」と実際に給与をもらう時に気づいても遅いです。
また最悪の場合、口約束で内定を貰っていたが、現職を退社後に内定の取り消しをさせられたというケースもあります。
これはもう本当に最悪のケースです。
これは交渉です。後悔のない転職のためにも、内定企業に強く要望してでも必ず内定通知書を出してもらいましょう。
きちんと内定通知書を受け取り、労働条件をきちんと精査・確認した上で入社を決意しましょう。
5. 2週間以内に退社する
前述の通りに内定通知書を受け取り、転職を決意したら、まず初めにすべきことは現在勤めている会社に退職を申し出ることです。
就業規則に退職に関する記載があればそれに従い、特に記載がなければ退職の2週間前までに申し出ます。
但し、就業規則よりも法律のほうが効力が強いので、就業規則に1ヶ月前との規定があったとしても、民法における「2週間前」が最終的には優先されます。
後腐れのない退社のためには就業規則に従っておいたほうが無難であるというだけの話です。
退職の意思は書面(退職届)にて直属の上司に提出しましょう。
退職すると決まったら、長居する必要はありません。
引き継ぎや整理など極めて事務的に行うだけです。
有給休暇が残っているなら利用して早めに退職する人も多いです。
引き止めに遭うのは想定内と考えましょう。「出世させる、給与を上げるから残ってくれないか」と。
ですが、一旦辞める意思を表明してしまった以上、その会社に残っても良い結果になることは少ないです。
むしろ、良くない噂が広がったりして居心地の悪さを感じるだけということもあります。
退職を決めたら、未練を残さずにさっさと退職に突き進むことです。
退職の理由も「一身上の都合」として誰にも詳しく言わないこと。
特に、退職の理由が転職であることや、転職先を話すことはもってのほかです。
現職の悪口や不満も言わないこと。
これらは全て自衛のためです。
転職であると口を割ってしまった途端に態度が冷たくなったり、転職先に嫌がらせの噂を流されたりということが実際に起こっています。
クールに颯爽と「今までお世話になりました」と退社することが最も無難な会社の去り方です。
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