仕事の関係で宮城県仙台市に3年間住んでいたことがあります。東北と北関東合わせて5県7都市に実際に居住したことがあるのですが、仙台市はその中でも圧倒的に住みやすい都市です。
以下、仙台市の特徴や実際に生活しての感想を紹介していきます。
仙台市の気候 ―とても穏やか
涼しい夏
海の近いことが影響しているため暑いことには暑いですが比較的涼しいです。隣県の山形市、福島市などは盆地になっていて凶悪な蒸し暑さに見舞われますが、真夏の仙台市はそれらと比べて3℃〜5℃は気温が低いです。たかが3℃くらいと侮るなかれ、実際に体感すると別世界です。
過ごしやすい冬
毎年冬に必ず雪は降りますので、クルマを所有している人はスタッドレスタイヤは必須アイテムです。仙台市のほぼ100%のクルマは冬はスタッドレスタイヤに履き替えます。
とは言え、東北の冬としてはかなり過ごしやすいほうであると私は感じています。日本海側のように1メートルを超えるような積雪があるわけでもなく、北海道のように氷点下10℃を下回るようなこともありません。関東から仙台市に引っ越してきたとしてもすぐに慣れるレベルであり許容範囲内であると思います。
ゲリラ豪雨は? 落雷は?
日本の夏の風物詩になりつつあるゲリラ豪雨と落雷ですが、やはり起こります。自然現象は不可避です。但し、仙台市内において甚大な被害をもたらしたと聞いたことはありません。これは海沿いに位置するために内陸の盆地ほど大気の状態が不安定になりにくいためだと思います。
仙台市のアパート賃貸価格 ―ピンからキリまで、件数は豊富
仙台市は人口約100万人の東北最大の都市ですが、賃貸価格がそれほど高いと感じたことはありません。決して地価が安いということではなくピンからキリまでと言った感じです。
私が住んでいた物件は駅(地下鉄)から徒歩3分、スーパー・コンビニまで徒歩3分で家賃28,000円でした。今考えてみても「よくこんなの見つけたな」と思えるほどの掘り出し物の奇跡の物件だとしみじみ思いますが、要は探せば高いものから安いものまでいろいろとあるということです。物件の量はかなり豊富なので選び応えがあります。
お金に余裕のある人は仙台駅周辺か泉区がおすすめです。あまりお金をかけたくないという人は旭ヶ丘などの仙台駅と泉中央駅の経過地点か仙台駅以南がおすすめ。あるいは、仙台市のすぐ南に位置する名取市に居を構えるのもありです。
仙台市の物価 ―安くて困らない
仙台市は生活コストのあまりかからない都市であると実感しています。なぜなら物価がそれほど高くないからです。日本でも指折りの物価の安い都市・群馬県前橋市と肩を並べ得るレベルであると考えます。
特に私が住んでいた際にはSEIYU泉店が信じられないほどの低価格戦略を打ち出していて、買い物は殆どそこで済ませていました。人口の多い都市は店同士が競合が激しい上、お客さんの絶対量が多いために薄利多売戦略を展開することが可能になるため食料品や日用品の売価が下がりやすいのだと思います。
店の数も多く、価格も安く、生活するために困ることはないと思います。
求人数 ―仕事には困らない
仕事にも困ることはないと言っていいでしょう。仙台駅周辺から国分町あたりは飲食店で賑わっていますし、アーケードやパルコなどの商業施設もたくさんあります。建設関係の需要も大きい。転職癖のある私の友人もスムーズに職を転々とすることができていました。それだけ求人数が多く、労働需要があるということに他なりません。
震災復興の需要と人口の都市部への流入によって、仙台市は日本で最も経済発展の可能性のある都市の一つとして注目されています。従って、正社員での登用にもチャンスがあります。
クルマは必要? ―あるに越したことはないけれど、なくても構わない
自動車の保有率は高いです。しかし、所有するに越したことはありませんが、なくても生活できないことはありません。なくて困るのは冬における灯油の運搬くらいでしょうか。大きな買い物はAmazonに依存しましょう。
駐車場代は、クルマを所有していた私の場合は月7,000円(軽自動車)でした。決して安くはありません。
現在私は仙台市には住んではいませんが、自動車は処分しました。そんな今から振り返ってみれば、仙台市で生活するためには「無理にクルマを持つ必要はない。自転車で充分」であると思います。
治安 ―クリーンな街並み
街並みは綺麗で、治安も良いです。極めて不快だったり、危険な目に遭遇したことはありません。東北一の繁華街である国分町もかつてから比べれば飛躍的に浄化されて安全な場所になりました。
住んでいて気分がよく、こんな素晴らしい場所に住んでいることを誇りに思える街です。特に印象深い思い出があったわけでもないのに、今でも「ああ、仙台はいい場所だった」とたまに想起されます。
その他気づいたこと
地下鉄
仙台駅を中心に仙台市営地下鉄が東西に伸びています。仙台市内での公共交通機関での移動は地下鉄が基本となります。ところどころ地上に出ていて、それどころか泉中央駅では高架になっているのですが、あくまでも地下鉄ということになっています。
どの私鉄でも自虐的に言われ、それは仙台市営地下鉄も例外ではないのですが、それはすなわち「料金が日本一高い」ということです。本当に「日本一高い」かどうかは比べていないのでわからないのですが、確かに高いです。交通費の出ないアルバイトをしている人は通える範囲であれば自転車通勤が推奨されます。
海産物が美味しい
近所のスーパーの特売で買った秋鮭でさえ信じられないほど美味しかったことは忘れられません。後にも先にもあんなに美味しい鮭を食べられることはないでしょう。
居酒屋でのイチオシも海産物です。どの店でも新鮮で美味しい魚が出てきます。それと、宮城県民は「ホヤ」が好きです。ホヤとは何か、魚でもないし貝でもないし説明するのがすごく難しいのですが、とにかく一般的な酒の肴として「ホヤ」なる海産物を好みます。スーパーの鮮魚コーナーに1個100円くらいで普通に売られています。私は宮城県以外ではホヤを見たことがありません。
総評
仙台市は非常に住みやすい街です。気候は穏やかで、生活は便利、物価も低く、街は綺麗。文句の付けようがない。
もし東北の何処かに住むことを考えているなら仙台市あるいはその南の名取市あたりがおすすめです。もう少し静かな場所がいいならさらにその南の岩沼市という手もあります。
関連記事:
コメント