【実体験】田舎暮らしを失敗しないための日々の支出を詳しく解説

現在は北関東の地方都市に住んでいるのですが、かつては仕事の関係で5県7都市を約1年半単位で転々としていたことがあります。都内に住んだことはまだないです。

で、気づいたことは、田舎暮らしは意外とコストがかかるということです。世間では「のんびりと田舎暮らし」のようなことが度々喧伝されていますが。私の実体験では田舎よりもそれなりに大きな地方都市のほうが住みやすいし、お金もかからないと感じています。

下記、私が実際に住んだことがある地方都市(群馬県A市)と田舎(山形県B町)をサンプルとして支出金額を提示・比較して行きましょう。ちなみに、一人暮らしです。

 

北関東の地方都市(群馬県A市)居住での1ヶ月の支出金額

家賃 38,000円(3DK)

水道 1,500円
電気 3,000円(季節により変動)
ガス 1,500円(都市ガス)

インターネット 5,000円
スマホ 1,500円(格安SIM)

食費 15,000円
雑費 5,000円

計 70,500円(税金・年金を除く)

 

東北の田舎市町村(山形県B町)での1ヶ月の支出金額

家賃 38,000円(思ったほど安くない)

水道 2,500円(やや高い)
電気 3,000円
ガス 15,000円(プロパン、べらぼうに高い)

クルマ 15,000円

インターネット 5,000円
スマホ 1,500円(格安SIM)

食費 15,000円(思ったほど安くない)
雑費 5,000円

計 100,000円(税金・年金を除く、後述)

 

田舎はなぜ生活費が高いのか? を詳しく解説

上で比較した通り、田舎暮らしは約30,000円も生活コストが増しています。なぜこんなことになってしまうのか、下記で述べていきます。

家賃 -思ったほど安くない

田舎暮らしに憧れる要因の一つに「家賃が安い」ということが挙げられます。少なくとも地価の高い都心より安くなるのは確実ですが、都心から移住するなら、わざわざ田舎まで行かなくても北関東の都市部あたりに留めておくほうが合理的であるように思います。

まず、田舎と言えども多少の便利さを求めるならば家賃は大して安くありません。これは私自身、山形県B町に転勤になった時とても驚きました。「え、高い…」と。田舎において本当に家賃が安いのは山間部など人里離れた廃屋でしょう。しかし、廃屋は廃屋。住み心地が悪ければ元も子もありません。また、人里離れた場所に済むとなるとクルマがどうしても必要になるのでコストが上乗せされます(後述)。

閉鎖的な場所であるならご近所付き合い(村八分問題)が厄介になる可能性もあります。私もかつて町内会費という存在を知らされないままに近くの収集所にゴミを出したら「町内会費を払っていないのでゴミを出すな」という張り紙と共に玄関の前にゴミが戻ってきたことがありました。

それに比べて私が住んでいる群馬県A市は家賃もそれほど高くない上に、自転車で事足りるくらいには周辺環境も整っています。

田舎は思ったほど家賃は安くない。安く住もうと思えば極端に不便になると覚えておきましょう。

 

水道料金 -やや高い

水道料金は全国で格差があります。安い自治体もあれば、高い自治体もあるということ。今住んでいる群馬県A市に比べて山形県B町は水道料金が約1.75倍で、田舎の方が高めとなっています。おおよそ、水道料金は都市部のほうが安く、地方に行くに従って高くなる傾向があるように思います。

田舎は水資源が豊富なように思われますが、設備投資費と需要の関係でそれが料金には反映されていないようです。

 

電気料金

電気料金に関しては全国で違いがあるにはありますが、それほど大きな格差ではありません。深く考えなくても良いようです。

 

ガス料金 -田舎はべらぼうに高い!

問題のガスです。私は今、運良く都市ガスが入っている物件に住んでいるので月に1,500円程度。冬で多めに入浴しても月3,000円程度です。また、以前は近くのプロパンの物件に住んでいたのですが、それでも月に3,500円程度、冬はその倍くらいでした。

さて、私がかつて住んでいた山形県B町のガス料金(プロパン)ですが驚くなかれ、料理をせずに毎日簡単なシャワーを浴びているだけで月に10,000円の請求が来たことがあります。冬に調子に乗って何度か入浴したところ20,000円の請求が来たこともありました。1ヶ月で、です。

ガスに関しては、都心に近ければ近いほど安く、そこから離れるほど高くなるという明確な傾向があります。理由は、プロパンガスの輸送にかかるコストと需要の関係です。地方に行けば行くほど輸送コストがかかるにも関わらず需要が少ないし、供給業者も少なくなるので価格競争が行われないのです。

意外と注目されないことですが、田舎暮らしの意外なネックはガス料金の高さであると私は考えています。ちなみに北海道では家賃がものすごく安いけれどガス料金がものすごく高いので、家賃の安さにつられて安易に移住してしまうと理想と現実の乖離が激しいと聞きます。

 

クルマ -必要不可欠

群馬県は全国でも自動車の所有率がかなり高い方ですが、私はこの場所でクルマを売却しました。今の移動手段は徒歩か自転車です。なぜなら、それで事足りるからです。スーパーまでは自転車で5分。ホームセンターまで自転車で5分。最寄りのコンビニまで徒歩5分。特に困ることはありません。

さて、山形県B町に住んでいた時、最寄りのコンビニまでは徒歩で往復1時間(!)かかりました。その上、家賃は35,000円とそんなに安くありませんでした。

ということで、田舎でそれなりに便利に暮らすにはクルマが必要不可欠になります。私の試算によれば私がかつて乗っていた軽自動車の維持費は1ヶ月あたり15,000円かかっていました。ガソリン代だけでなく、整備費や車検、保険料も含めてです。その上、田舎はガソリン価格も高い。

つまりは、田舎で暮らすなら安くない家賃を払わなければならない上に、自動車の維持費や購入費も生活費として捻出しなければならないということになります。大いなる出費です。そう考えると、出費だけで言えばクルマを持たないで家賃の高い都心で生活するのとあまり変わらないような気さえしてきます。

余談ですが、求人数は「都心→地方都市→田舎」と行くに従って少なくなり、賃金もそれに従います。田舎は仕事が絶望的に少ない上に賃金も安い。にも関わらず、生活コストがかかります。

 

食費・雑費 -意外と物価は高い

「田舎は物価が安い」というのは幻想です。地価が低くて都心よりも家賃が安いのは確かですが、モノの値段は田舎のほうが明らかに高いです。理由はただひとつ。ガス料金と同じように、輸送コストがかかるにも関わらず需要が低く、競合が少ないので価格競争が起きないからです。

都心では「もやし5円!」などのディスカウントストアが多くありますが、田舎にはほぼないと言っていいでしょう。ちなみに、私が住んだことのある地方都市では、仙台、宇都宮、高崎は物価がかなり低く、生活コストを安く抑えて生活できていました。これら都市は家賃も比較的安く、自転車移動でも事足りるので非常にバランスの取れた居住地であると感じています。

ちなみに、田舎における出費のもう一つの盲点に「ゴミ袋がべらぼうに高い」ということがあります。10リットル袋が10枚入りで400円くらいで売られていて、これ以外の袋でゴミを出すことは不可能です。田舎に行けば行くほどゴミ出しに不自由し、ゴミ袋料金も高くなっていく傾向があるように感じています。

 

税金

国民健康保険料

税金の中では自治体によって最も格差があるのが、国民健康保険料です。群馬県A市に比べて山形県B町では3割増くらいの料金がかかります。また、最も安い自治体(静岡県富士市)と最も高い自治体(広島県広島市)を比較すると年収300万円に対してかかる国民健康保険料は年額約25万円もの差があります。かなり大きな負担です。

国民健康保険料についても基本的には、都心に近ければ安く、そこから離れるほど高い、という法則が当てはまります。この点においても北関東の地方都市は生活コストを安く抑えることができる証左となります。

住民税(市県民税)

住民税についても地方自治体によって格差があることはありますが、その差は年間で数千円程度ですので、あまり気にしなくても良さそうです。

国民年金・厚生年金

年金については年金機構が一元に管理しており、居住場所で納付金額が左右されることはありません。国民年金は一律料金、厚生年金は年収によって増減します。

 

本稿の結論

・田舎暮らしは意外と支出が多い。その上、山間部に行けば行くほど閉鎖的な環境になっていき、人付き合いの問題が深刻になる傾向にあるように思います。

・都心での生活は、家賃が高いけれどそれ以外の物価は低く、クルマを持たずに済み、仕事も豊富で賃金も高いので、田舎暮らしよりも生活の収支はプラスになる可能性もあります。

・私の経験によれば北関東の都市部、仙台あたりは家賃も物価も安く、クルマは不要。いろいろな場所(都心以外)に住んだ結果、これら地方の都市部が最も住み心地が良いと感じています。これまで挙げてきた、仙台、宇都宮、高崎の他には、埼玉、千葉、茨城の都市部、多摩などの東京都の外れが該当します。山梨は首都圏だけれどやや閉鎖的な環境であると聞いたことがあります(ゴミ出しに不自由する、など)。

・それでも田舎に移住するなら予め細かくリサーチしておくことが重要です。イメージや憧れだけで一世一代の移住を安易に決めてしまうと、後悔してしまう可能性が大いにあるからです。逆に、きちんと戦略を立てれば悠々自適な田舎暮らしを営んでいくことも可能でしょう。まずは憧れでなく、田舎の現実を知ることが重要です。

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