「自分らしく」「自分らしさ」という考え方が、逆にストレスの原因になる理由

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 何か緊張する場面に挑む際、「いつもの自分でいよう」「自分らしくいよう」と唱えて、心を落ち着けようとしたことはないでしょうか。
 「いつもの自分の見失わなければ大丈夫、きっとうまくいく」なんて。

 この「自分らしく」「自分らしさ」という考え方は、常套句です。つまりは、ずっと昔から、何か難しい場面に挑む際には「自分らしくいましょう」とアドバイスされてきたのです。
 初めてのデートの時、就職面接の折、新しい環境に馴染む際、など。
 誰もが一度はそのようにアドバイスされたこと、あるいは、誰かにそのように助言して勇気づけようとしたことがあるでしょう。私もあります。

 だけど、よく考えてみれば、その「自分らしく」「自分らしさ」とは何なのでしょうか。
 「自分らしく」という考え方に固執し過ぎると、逆にストレスになるばかりか、自分で自分に制限を課すことにもなりかねないですよ、というのは今回のお話です。

 

「自分らしく」二つの問題点

1. 具体性に欠ける無意味なアドバイス

 そもそも、「自分らしく」とは何なのか。どういう状態なのか。どういう行動のことなのか。「自分らしくいればいいよ」と言われても、それが具体的に何を指すのかが全くわからない。
 何かをアドバイスしているようでいて、その実、内容のない無意味な助言であるわけです。

 

2. 矛盾が生じる

 もし仮に、「自分らしく」というのがどういう状態を指すのかが自分でわかっていたとしても、「自分らしく」「いよう」と試みるのは明らかな矛盾なのです。だって、「自分らしく」というのは、なろうとしなくてもそうなっているのが「自分らしく」という状態だからです。
 積極的に「自分らしさ」を目指すのは、もはやそれは「自分らしく」ではない。

 だからと言って、何もしないのがいいのかというと、そうでもない。「自分らしさ」という状態にこだわるあまり、行動に積極性を欠いてしまっては、またそれは「自分らしく」ではありえない。
 つまりは、「自分らしさ」というのを考え始めると、それにがんじがらめにされてしまうというわけです。

 

「自分」とは変化し続けるもの。固定するのはやめよう

 もちろん、「自分らしくいればいいんだよ」と言われると、自分を肯定されたような気持ちになって、ホッと肩の荷が下りたような安心感を得ることができるのは事実です。
 私ももちろん「そのままでいればいいじゃん」とアドバイスされると、すごく安心する。

 

自分を固定して考えるとストレスになる

 問題なのは、「自分らしく」や「自分らしさ」にこだわりすぎることです。つまりは、自分の個性や特技を固定して捉えてしまうこと。
 自分はこれが得意で、これは苦手。自分はこういう性格。これは好きで、これは嫌い。というように。
 そのように、自分というものについて固定して考えてしまうと、自分で自分の行動を制限する結果となってしまい、それ以上をすることが躊躇われるようになってしまうというわけです。
 そればかりか、自分の思っていた以下の成果しか上がらなかった場合、不満や不安の原因となり、ストレスになってしまうのです。

 例えば、自分は内気で人見知りな人間であると固定して考えてしまっていると、何か習い事をしたいと思っても、「自分は人見知りだから無理」と自分の行動に制限をかけてしまうのです。
 自分は優秀で神経質だから仕事のミスが少ないと固定して考えていると、たまたま凡ミスが幾つか重なってしまったときに、必要以上に落ち込み、自分を責めることになってしまいます。

 

失敗は自分が成長している証

 重要なことは、「自分らしく」に固執するのではなく、「自分」というのは変化し続け、発展していくものであると考えることです。
 失敗を恐れないで行動せよ、とはよく言われることですが、失敗とは自分の才能が発展していることを示す証であると考えてみてはどうでしょうか。

 

まとめ ーあなたはどちらを望みますか?

 a. 失敗しないために「自分らしく」いるように心がけること
 b. 自分というものは常に成長するものであり失敗はその証である、と考えること

 a. 失敗したことを「自分らしく」いることができなかったせいにすること
 b. 失敗から学ぶことで新たな自分になれる、と考えること

 実は、私も内気な人間であり、変化を恐れて毎日同じことばかり繰り返してしまう傾向にあります。
 ですが、上記のように考えると、一歩踏み出すこと、変化を恐れないで行動してみるということは、恐ろしいことなどではなくとても清々しいものなのだな気づけます。考えや習慣を見直してみようかなと強く思った次第なのです。