やっぱり自然に触れることが一番のストレス解消になる。その心理学的理由とは?

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 自然に触れて癒やされない人間が果たしているのだろうか。
 わからない、いるかもしれない。

 私は大変にインドアな者で、出掛けるのは億劫、たまに本屋に行ければそれで良し。あとは、家でゲームでもやってればそれで気晴らしになってしまう。
 だけれども、人に連れられて山に行ったり海に行ったり雄大な自然に触れると、とても清々しい気持ちになるのを感じる。
 ああ、来てよかったな、家にいるだけじゃこの感覚は味わえなかったな、と思う。

 それを「癒やし」というのなら、そうなのだろう。「リフレッシュ」と呼ぶのならそうに違いない。
 とにかく、素晴らしい体験であることには違いないし、大部分の人も自然の美しさに感動したことがあるであろうと想像する。

 なぜ自然は我々を癒やし、感動させるのか。

 それには、コントロールというキーワードが関わっている。
 我々は強い力で何もかもを思い通りに動かしているつもりだけれど、その反面、自然というものは思い通りにできないくらいに圧倒的である。

 

強い力で自分の人生をコントロールしている、つもり

 何もかもを支配したような気になっている。コントロールできていると思っている節がある。
 山を切り開いてコンクリートで固め、そこに我々は住んでいる。アスファルトで整備された安全な道を通って通勤し、不自然なくらいに高いビルにあるオフィスで働く。
 人間ってすごいな。

 そういった大きな視点での話だけではない。
 我々は自分の人生を、常に自分で思い通りにコントロールしていると思っている。
 なりたい自分になろうとすればなれるし、目標を掲げてがむしゃらに努力すればそのゴールに到達すると思い込んでいる。
 自分の人生は自分で決める。
 願いは叶う、必ず、なんて。

 実際、そうではないことは誰でも知っている。
 望んだ通りに実現している人なんて少数派であろう。

 

僕たちは無力だ

 つまり我々は、強い力で積極的に物事を、自分の人生をも正確にコントロールしているつもりなのだが、反面、何の力もないと痛感することもある。
 我々は、他の物事や他人は尚の事、自分の人生さえも上手に動かせずに上手く行かないと落ち込むことがあるのである。
 それを挫折とか失敗とか言うのかもしれない。

 それら二つの相反する思いを抱えながら日々生きている。
 「コントロールできる」と「無力である」。
 「うまくいく」と「失敗するに違いない」。
 「どうにかなる」と「どうしようもない」。

 

自然に触れるとバランスが保たれる、だから癒される

 雄大な自然は、それら相反する振り子のような思いを一旦リセットしてくれる作用がある。そして、現実に即したバランスに保ってくれる働きがあるのである。

 自然の景色を眺めること。これは、我々がいかに非力で無力な存在であるかを悟ることに他ならない。
 人生は自分だけのものではなくて、こうした自然と共にあると感じることである。
 無数の命の中のたったひとつに過ぎないと思いを巡らすことである。

 一方、自然に触れることは、自立心を養うことでもある。
 育まれた命の中を、造形の中を、自分でしっかりと歩かなければならない。足を踏み外さないように、道に迷わないようにと、自分の行動に責任を持って自分をコントロールしなければならないのである。

 それがすなわち、バランスが保たれるということであり、癒されるということである。
 癒されるということには、落ち着くという意味の他に、自立するということも含まれるのだなと思い知った。

 

公園の散策、鉢植えに水をやることでも効果あり

 山や滝、海のような圧倒的な自然なんて大それたことでなくとも、近所の小道を散策するだけでも癒しの効果はある。
 近場の公園にだって、誰に言われたわけでもないのに立派に太陽に向かって伸びる樹木、どこからともなく飛んでくる鳥、名前も知らない花や草、目を凝らさなければ気づかないくらい小さな虫、普段は全く気にも留めない苔など、目を向ければきりがないほどの発見があり、知らないことだらけだなと実感する。

 鉢植えを育てることによっても、自然に触れることと同じ効果がある。
 できる範囲で責任をもって世話をし、その見返りというわけではないだろうが、植物は綺麗な花を咲かせてくれる。

 私はズボラな人間であると自分でわかっているので、手間のあまりかからないサボテンをベランダに殆ど放置状態でたくさん育てている。
 冬も軒先に放置である。品種にもよるが、サボテンは意外と寒さに強い。

 ほとんどほったらかしにも関わらず春先に大きな花や思いがけず綺麗な花が咲くと、とても感動する。
 私が世話をしたからではなく、植物が自分の力で生命力を発揮し、花を咲かせたのだと考えると、ことさら心が動かされるのである。

 

まとめ

 我々は物事を上手にコントロールしていると思い上がる一方、無力さを感じることもある。
 全てをコントロールできると考えることはストレスの原因にもなるが、無力さばかり感じてしまっても前向きではない。

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 自然は、それらのバランスを正常に保ってくれる働きがある。
 それが癒しの効果というわけである。