我々は怠け者である。
ついついやらなければならないことを先延ばしにしてしまう。ちょっとした時間で片付けてしまえばいいのに、なかなか実行できない。だらっとしてしまう。
家でも、ついつい洗濯物を溜めてしまったり、シンクに洗い物を積み上げてしまったり、ゴミ屋敷にしてしまったりする。
問題なのは、それがほんの少しの時間でできることなのに、面倒くさがってしまうということである。
誰でもそう。
どんなに偉大で立派な人でも、「つい面倒くさがって先延ばしにする」という現象は起こる。
何時間もかかることではない。
シンクの皿洗いなんて5分以内に終わるのである。
毎日の掃除もそう。机の上を片付けて、掃除機をかける。それだけ。5分かからない。
そこで、とっておきのアイデアがある。
用意するもの:台所用タイマー。
以上。
タイマーを使って日々の仕事を効率化しましょう、というのが本稿の目的である。
すこぶる単純なのだけれど、これは大変に効く。
なぜタイマーをセットして取り掛かるだけで、仕事が捗るのか。
それは、そのタイマーの刻む時間が外部司令であると脳は錯覚するからである。「タイマーの言うことは守らなければならないぞ」と。
自分でセットしたにも関わらず誰か第三者に急かされているような気になって、時間内に終わらせようという意識が芽生えるというわけである。
5分間作戦:大変そうな仕事は、まず5分間だけやってみる
何であれ仕事をする際に重要なのは、その仕事を始める段である。
つまり、手を付けられた仕事はこなされていくが、手を付けれらない仕事はいつまで経っても終わらない。
当たり前の話である。わかっている。
なのに我々は、仕事を先延ばしにしてしまう傾向にある。特に、長くかかりそうな仕事の場合は。
そこでタイマーの登場である。
時間を5分にセットして、たったその5分間だけ集中して取り組んでみてはどうだろうか。
この「5分間作戦」には、多くのポジティブな効果がある。
・腰を据えないと処理できなそうな敷居の高い仕事に対して、「とりあえず取り組んでみよう」という動機付けになる。
・「立派に仕上げなければならない」という足踏みの意識を、「5分間にできるだけのことをやってみよう」という気持ちに切り替えることができる。
・5分に慣れてきたら、10分やそれ以上に延ばしていけば、さらなる生産性の向上に繋がる。
仕事になかなか取り掛かれないのは、「長く時間がかかりそうだ」「集中してやらなければならない」「高いレベルで仕上げなければならない」という恐怖心や脅迫的な意識なのである。それは誰もが持っている防衛本能のようなものだ。
それを「5分間作戦」によって、「このたった5分間だけ集中してとりあえずやってみよう」という行動へと促すことができる。
5分間なんて取るに足らない時間だから、大した苦痛ではないし、何かの妨げになることも少ない。
また、「やる気」というのは、行動の後に出てくるものであることが実証されている。
やる気が出るのを待っていても、やる気が出てくることはない。
実際に取り組むことによって、見通しが立ったり、集中できたりする。それに伴ってやる気も出てくるというわけなのだ。
従って、どんなに難しそうな仕事でも、まずは5分でもいいから実際にやってみることが重要なのである。
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25分間作戦:長くかかりそうな仕事には、25分のインターバルが効果的
時間に余裕があって長い時間集中できそうだという場合は、タイマーを25分にセットして取り掛かるのがおすすめである。
やり方は簡単である。
何かやりたい仕事を一つ選ぶ。勉強や家事でもいい。
25分間集中して取り組む
↓
5分の休憩
↓
25分間集中して取り組む
↓
5分の休憩
↓
25分間集中して取り組む
↓
長めの休憩
つまり、間に5分間の休憩を挟んだ25分間×3回を集中して取り組んだ後に、長めの休憩を取るというスケジュールでこなすというものだ。
これが「25分間作戦」である。
集中して取り組んでいると25分というのは意外とあっという間である。加えて、集中力が途切れることも少なく、疲れるという意識もさほどない。
とてもちょうどいい時間設定である。
人の集中力を維持できる限界は1時間半と言われているが、この「25分間作戦」において、25分×3回をこなして長めの休憩に入るまでにかかる時間が約1時間半というのも大変に理に適っているように思う。
ちなみに私は、ブログの原稿を書く際、どうしても集中できなさそうな時には「25分間作戦」を活用して取り組んでいる。
集中力が維持でき、大変に効果的な方法であると実感している。
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25%作戦:退屈な単純作業には、短めの時間を設定してテキパキこなすべし
ただ退屈なだけの仕事というものが存在する。仕事というよりは、単なる作業である。
何も考えなくてもできる仕事(作業)は楽である反面、ただ退屈なだけであるというデメリットもある。
ただExcelにデータを打ち込むだけ、ただハンコを押すだけ、ただ資料の整理をするだけ――。
そのような仕事については、実際にかかるであろう時間よりも遥かに短い時間をタイマーで設定し、さっさと終わらせてしまうのが良い。
ポイントはかなり短い時間に設定するということである。
基準としては、普通に作業していたらかかると思われる時間の1/4(25%)の時間である。
1時間かかるものなら、タイマーは15分。2時間かかるものであれば、タイマーは30分に設定する。
これが「25%作戦」である。
単純作業なわけだから、考える必要なんてそれほどない。
速く片付けても弊害はないし、わざわざノロノロとやるメリットもない。
さっさとテキパキ片付けてしまおう。速さは正義である。
部屋の片付けでも利用できる。
ひとり暮らしであれば、20分もあれば散らかっていた部屋が綺麗に片付くはずである。
まとめ:タイマーを使って仕事を劇的・効率的に片付けるアイデア3選
タイマーで任意の時間を設定することで、それが第三者からの司令であると脳が錯覚する。
であるために、効率的に仕事を片付けることができるようになるのである。
自分で自分をコントロールするための有用なアイデアだ。
・5分間作戦
どうしてもやる気が起きない、大変そうである仕事には、タイマーを5分にセットして、とりあえず5分間だけでも取り組んでみよう。
・25分間作戦
時間に余裕がある場合、タイマーを25分にセットして、25分×3回(間に5分間の休憩を挟む)で取り組んでみよう。
・25%作戦
頭を使わなくていいような退屈な単純作業には、本来かかりそうな時間の1/4の時間をタイマーで設定し、テキパキとこなしてみよう。
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