誰もが目の前の仕事に集中したいと思っている。
だけど、集中したいと願う人の数だけ、集中できないと悩む人がいるのだった。
私を含め、邪魔をされずに仕事をやり遂げることは、なかなか難しいことのようだ。
仕事を邪魔してくる者は大きく分けて2つある。
すなわち、「他人」と「自分」である。
せっかく集中して仕事をしているのに、電話がかかってきて中断させられる、「今ちょっといいですか」と後輩に中断させされる、「今ちょっといいかね」と上司に中断させられる、集中力が切れる。これが他人に邪魔されること。
仕事中なのについついYouTubeを見てしまうこと、ニュースサイトを巡回してしまうこと。これが自分に邪魔されることだ。
我々の目的はただひとつ。
仕事なんてさっさと終わらせて、さっさと定時で帰ることである。
会社という場所から一秒でも早く退却することである。
仕事を邪魔されないで集中するための3つの方法を教えよう。
「2分ルール」を実行せよ
生産性に関する世界的権威デビッド・アレンが考案したのが「2分ルール」である。
極めてシンプルでありながら、全ての人の仕事のやり方を劇的に改善し、生産性を向上させる可能性を秘める方法である。
すなわち、「2分ルール」とは、「2分以内で出来ると思うことは、今すぐに実行する」ということである。2分以内に出来なそうなものは、メモに残して後で実行する。
大事なことなのでもう一度言う。「2分以内で出来ることは、直ちに実行せよ」。
なぜ2分か。
それは、2分という時間は短期的に集中するために最も能力を発揮できる時間なのである。
また、仕事を一旦中断されて2分以上経つと、元の仕事に戻れなくなる人が40%いたという実験結果もある(メアリー・チェルヴィンスキーによる実験)。
つまりは、仕事を初めて2分以上経つと集中力が大きく損なわれてくる。
2分で出来ることを今すぐに片付けてしまうことは、「よし、やるぞ」という初動の力こそ使うものの、その先の意志力や労力は最小限にしてその仕事を片付けられるのである。なんせたったの2分である。
よく考えてみれば、2分で出来ることは意外とたくさんあることに気づくだろう。
また、仕事だけではない。
部屋が散らかりがちな人も、「2分ルール」を実行してみてはどうだろうか。
よーし、今からシンクにたまった皿を洗ってくるぞ。
集中していることを周囲に示す
かつて私が勤めていた会社での話だが、ある朝出勤したら、店長のデスクの周りに囲いがしてあり、そのバリケードのような囲いに貼り紙。
「行為計画作成中!話しかけない事!!」
店長はバリケードに守られたデスクで黙々と作業としていた。私は小声で「ぉはようございますぅ」と言って、その場をそそくさと立ち去ったのだった。
これは非常に有効な手段である。
作業が中断される時というのは、おおよそどうでもいいことが原因だったりする。殆どの場合「聞く前に自分で調べろよ」と思うような代物によって、集中者の集中は分散する。
そこで、周囲からの視線を遮るようにすることで、自分は集中でき、周囲も邪魔をしづらい環境を構築することが出来る。
例えば、店内に強盗が入ってきたとか、どうしても店長の指示が必要な時には、「話しかけない事!!」と言えども話しかけざるを得ないのだが、「ホチキス貸してください」などという些末な事象によって店長の時間を取らせる気には誰もならないだろう。
同様の方法に、話しかけてもらいたくないときにはヘッドホンをして仕事をする、というのがある。
音楽を聞きながら仕事をするためではない。「話しかけるな」オーラを全開にするためである。
私は、特大のヘッドホンをつけて何日もオフィスで過ごしたことがある。面白いことに、誰が見ても電源に繋がっていないことは明らかなのに、一人として私の邪魔をする者はいなかった。
自分の視線や聴覚をあえて遮ることによって、少なくともどうでもいいことで作業が中断させられることは激減するだろう。
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集中できる自分の環境を構築する
オフィスワーカーの最大の敵は、Yahoo!ニュースである。ついつい見てしまって、関連記事も巡回し、気づけば結構な時間が経っているのである。
YouTubeも強敵であるし、あるいはソリティアやマインスイーパーは古来から幾多の勇者(オフィスワーカー)が数えきれないほどの戦いを繰り広げ、屍を積み上げることなく時間を浪費してきた。
抜本的な解決策は、仕事用のパソコンのブックマークからYahoo!ニュースやYouTubeなどの、集中力を途切れさせる原因となっているブックマークを削除することである。それしかない。
仕事とYouTubeとどっちが大事なんだ。そりゃあYouTubeだろう。わかります。
でも、YouTubeが仇になる場合もある。その際には勇気を持ってブックマークから消すんだ。泣いて馬謖を斬るんだ。
最後の手段としては、パソコンをオフラインにしてネットに繋げないようにするという強引な手段もある。
あるいは、文書作成がメインの業務の人やブロガー、アフィリエイターには、「ポメラ」というリーサルウェポンはどうだろう。文書作成のためだけの機械である。
なんて時代錯誤な、と思うだろうか。私は思った。
だけど、文字打ちに特化しており、すこぶる集中できるとのことで、いまだに一定の評価を獲得し続けている奇跡のマシン。それが「ポメラ」である。
ちなみに私事だが、Amazonへのショートカットをブラウザのブックマークバーに置いておいたところ、用もないのについついAmazonを開いてしまって、欲しいものが次から次へと出てきてしまうという状態に悩まされ、私はAmazonをブックマークから削除した。
あれから5年。いまだに私がAmazonにアクセスする際は、検索窓にいちいち「あまぞn」と打ち込まなければならないことになっている。
仕事が多すぎる・終わらない人に送る、仕事を減らすためのたった一つの解決策
まとめ:仕事を邪魔されないで集中するための3つの方法
・「2分ルール」。すなわち、2分で出来ることは今すぐ実行する癖を付けよう。
・周囲からの視線を遮る、聴覚を遮るなどして、ハード面における集中できる環境を構築してみよう。
・ブックマークの整理、オフラインへの切り替えなどによって、自分自身が集中できる環境を整えよう。
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