私の友人に衝動的に決断しがちな者がいる。直感で物事を決めるタイプだ。
欲しいと思ったら欲しいのであり、これがいいと思ったらいいのである。
彼は欲しい物はすぐに手に入れ、数カ月後には「やっぱり要らなかった」と言って売却したり、解約してしまうことが多い。
決断が速いのは美徳かもしれないが、それがために多額の損益を出しているに違いない。
私はというと、決断に時間がかかるのである。
衝動買いなどは決してしない、理性で物事を決めるタイプである。
欲しいなと思っても、メリット・デメリットを精査し、今の暮らしに本当に必要かを数ヶ月間かけて考え続け、それでも欲しかったらようやく買うのである。
だけど、それでも欲しいものというのはあまりないので、結局はそんなに大きな買い物はあまりしないことになっている。
物事をよく精査して理性で決めるのは失敗は少ないかもしれないが、チャンスを逃したり、割高なプランをずっと契約し続けてしまったりするリスクがある。
上記のように、物事を決断するには「直感型」と「理性型」の二種類のタイプが存在すると言われる。
どちらが正しいというのはない。個性であり、一長一短である。
だけど、最新の心理学では、理性と直感の両方を混ぜ合わせた意思決定の手法が提案されている。
ここではその中でも4つの方法について見ていこう。
1. 大きな決断は直感で、小さな決定は理性で行う
例えれば、靴を買う時には理性に、プロポーズは直感に頼る、ということである。
靴を買う際には、価格や履き心地、デザインなどを精査することに価値があって、今目の前の靴が自分の価値基準に見合うかどうかを推し量れば良い。
「好みのデザインで、履き心地も良い。ちょっと高いけれど、損はない。買おう」という具合に「理性的に」判断する。
だけど、プロポーズにおいては、決定するために分析すべき要素が膨大すぎるのである。
現状だけでなく、不確定な未来のことまで検討しなければならないとなると、とても理性では処理しきれない。いつまで経っても判断できかねるどころか、却って問題を複雑にしかねないだろう。
従って、こういったプロポーズや転職などの大きな決定については「直感」に頼るのが向いていると言われている。
このように、大きな決断は「直感」、小さな決定は「理性」、と決定すべき事項の大小によって使い分けると案外うまくいくかもしれない。
2. コイントスをしてみて感情の動きを読む
どうしようか決めかねる事象があったら、コイントスで決めてみよう。
ただし、決めるのはコインではない、自分である。
財布から硬貨を取り出して、表なら「イエス」、裏なら「ノー」などの選択を割り当てて放り投げる。
重要な事は、結果をすぐに見ないということである。
コインの結果は隠したまま、自分の感情の機微に耳を傾けるのである。
心の中では、どちらの結果を望んでいるだろうか。
表だったらいいな。裏だったら何か嫌だな。
つまり、それがあなたの心の答えなのである。
3. 理性的に分析した後に、直感的に決断する
初めは理性的に、途中からは直感的に決める方法である。
まずは、理性の力を使って情報を集める。目標、選択肢、起こり得る結果について詳しく書き出して、徹底的に分析し検討する。
さあ、役者は揃った。
さよなら理性。
あとは直感で決めるのである。
こうすることにより、理性特有の優柔不断を回避することができる。
悩んでも決まらないものは決まらないし、失敗するものは失敗するのである。
であれば、ある程度は検討し、その上で好きな方を選ぶというこのやり方は大変に合理的に思える。
4. 期限を設けて決断する
繰り返しになるが、いくら迷っても、思慮深く決定しても、全てのリスクを検討して決断しても、間違えることは頻繁に起こるのである。
そう、先のことなんてわからない。従って、決められない。
であれば、短めの考える期限を設けて、その時間が過ぎたら思い切って決定してみよう。
いずれの決断にしたって、うまく行くか行かないかは、その決断のみによるものではない。
決めてからどのように考え・動くかが成功に大きく関わってくるのである。
優柔不断は悪いことではないけれど、決定時期の遅れは、時にいずれの決断よりも悪い結果になることもある。
さっさと決めてしまった方が得策である場合もあるということだ。
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まとめ:理性と直感、両方を上手に使って正しく決断するための4つの方法
・プロポーズなどの大きな決断は「直感」で、ちょっとした買い物などの小さな決定は「理性」でやってみる。
・コイントスをしてみて、表と裏、どちらが出て欲しいか自分の心に耳を傾けてみる。
・「理性」で情報収集、検討した後に、「直感」で決定してみる。
・決断するまでの短めの期限を設けて、時間が過ぎたら速やかに決めてみる。
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