人生は常にぶっつけ本番。予行演習なし。
就職活動もそうやって、始めてのことに戸惑いながらなんとか乗り切ったことと思います。
もちろん、これから始める転職活動も人生初めてのこと。右も左もわからない。
だけど、一度は就職活動を体験しているし、社会人としての経験もある。
そう、転職活動というものは、転職自体は初めてであるにも関わらず、中途半端に就活や社会人経験があるがために、難しいのか簡単なのかわけがわからないものでもあるのです。
ご自分が就職活動は完璧だったし社会人としての自信やマナーも身に付いていると考えるなら、これから待ち受ける転職活動はハードルが低く思えるでしょう。
だけど、自分に自信が持てない人であれば、他の素晴らしく立派に見える社会人に圧倒されて、至難のものに見えてしまう。
いずれにしても、転職活動に最も重要な事は、準備です。
きちんとした準備をしておくことによって、自信を持つことができるし、成功率も高まる。
転職という人生の岐路でさえ、意外と準備をおろそかにしてしまう人が多いですから、そこで明確な差を付けることができるというわけです。
ここでは転職活動の基礎知識9個を紹介していきます。
1. 転職活動の進め方5つのセオリー
転職活動にも準備が必要です。
初めての転職の場合、右も左も分からないのは当たり前。
転職サイトで見つけた求人になんとなく行き当たりばったりで応募してみても、採用通知はなかなか来ないでしょう。いや、ほとんど来ない。
なぜかというと準備不足だからです。
採用する企業も本気ですから、明らかに準備不足の者を採用するなんてことはないわけです。
転職活動を円滑・効率的に進めるにあたって、5つのステップがありますので、参考にしてみてください。
1. 自分を知ること
なぜ転職をするのか、現在の会社を退職するっことによるメリット・デメリットは何か、転職によって得たいものは何か、譲れない条件は何か、就きたい具体的な職種や企業など、自分自身に関することを棚卸しし、整理することです。
転職における軸を自分の中に作ることで、ブレない転職活動ができます。
2. 相手を知ること
就きたい職業の業界・職種・企業の研究をします。ここでの研究が、実際の応募や面接の際、採用のための戦略の基礎になります。
現在の業種・職種と同じ企業を志望する場合、相手企業に関する研究に集中することができるので、研究の手間が省けると言えます。
3. 応募書類を準備する
「履歴書」「職務経歴書」「添え状」は、応募の際の三種の神器であり、必ず必要です。
その他、WEBレジュメ、キャリアシート、自己PR書、志望動機書などが、相手企業からの要請によっては必要になる場合もあります。
4. 試験対策
筆記試験を課す企業の場合、試験対策も怠るわけには行きません。
多くの場合SPIが用いられます。問題集を一度解いてみて、傾向と対策を掴むだけでもだいぶ違います。
5. 面接対策
要です。一番重要です。
苦手な人も多いと思いますが(私もです)、就職活動・転職活動においては絶対に避けては通れません。ああ、無慈悲。
しかも、個人面接だけでなく、グループ面接やグループディスカッション(討論)を課す企業も増えています。
だけど、恐れるに足りません。
重要なのは準備です。転職は99%が準備で決まります。
苦手なら人よりも準備をしておけばいいだけの話。そうすることによって自信にも繋がります。
2. まずは「自分を知ること」。譲れない条件を明確にしよう
転職で失敗しないためには、次の2つの要件が求められます。
1. 転職の覚悟
なぜ転職をしたいのか。
「仕事が合わない」「人間関係が合わない」「上司が気に食わない」が本音での転職の三大理由ですが、人間関係の理由であれば、次の職場でもあり得ることです。
もちろん、もうストレスの限界で心が壊れてしまいかねないというのなら、退職・転職を視野に入れてしかるべきです。
しかし、「嫌だから転職」と安易に考えるのではなく、現状をどうすれば変えることができるかを考えて、実践してみることも重要です。
それからの転職でも遅くはありません。
転職は楽園への旅立ちではありません。茨の道かもしれません。
リスクも大いにあるのだということを認識して、後戻りはしない覚悟で臨みましょう。
2. 「譲れない条件」を明確にする
営業が苦手であると自認していたにも関わらず、「誰でもできる・高収入」という謳い文句に惹かれて営業職へ転職したが、案の定、全く実績を残せずに解雇、というケースは案外多いです。
安直な転職活動の典型例と言えるでしょう。
もちろん、意外と営業の才能が開花した、なんてことがないわけではありませんが、特に家族を持っている人の場合は失敗の少ない転職を目指したいものです。
予め自分の中で「譲れない条件」、例えば「営業職は対象外」などと決めておけば、失敗の少なくブレない転職活動ができるはずです。
また、「自分が本当にやりたいことは何だろう」というような抽象的な自問は、転職活動においては意味をなしません。
ある程度社会経験のある転職者においては、「やりたいことは何だろう」というよりも「自分には何ができるか」と現実的に考えることが、速やかで失敗の少ない転職へと繋がるのです。
3. 応募できる求人に焦点を絞ろう
キャリアアップなんて言葉があるように、転職するからには少しでも給与を上げたいと思ってしまう気持ちはわかります。
求人を見る時にまず給与を確認してしまうのは、誰でもそう。
だけど、給与にこだわりすぎる転職は高リスクであると言えます。
厳しいノルマのために離職率が高い職場である可能性もあるでしょう。
まずは、自分が応募可能な年齢であるかどうかをチェックしましょう。
企業が求める年齢が合わなそうな求人には、応募しても不採用になる見込みが極めて高いため、単なる労力の無駄になってしまいます。
必須条件を満たしているかどうかも重要です。
要資格や要経験と書かれているけれど、似たような仕事をしてきたから大丈夫かな、というのは通用しないと考えましょう。
こちらも時間の無駄になってしまいます。
最後に、自分の中の「譲れない条件」に合致するかどうかを見極めましょう。
給与、職種、転勤の有無など、予め自分の中で思い描いた譲れない条件に合う求人かどうかが重要なポイントです。
妥協をしてしまうと、良い結果になりません。
転職は人生の大きな岐路。満足のいく結果になるよう最善を尽くしましょう。
4. ハローワークを活用しよう
求人ならハローワーク、とわかっているにも関わらずなんとなく足が伸びないのは非常にもったいないです。
失業者ばかりとか、混んでいそうとか、ネットに比べて求人が少なそうという、ネガティブなイメージは忘れましょう。
それは単なるイメージに過ぎないです。
ハローワークを利用するメリットは2つあります。
1. 地域密着型の求人、全年齢を対象にした求人が豊富
大手求人サイトに掲載されていないような求人が、実はハローワークには豊富です。
特に地域企業の求人、募集人数が少ない求人など、ニッチな分野に長けるのがハローワークです。
灯台下暗し。ハローワークで転職活動というのは意外と盲点です。転職活動の強い力になることは間違いないです。
求人検索コーナーで探すことができる他、インターネットでのサービスも誰でも利用できます。
2. 職員による調整、アドバイスを受けることができる
求人検索コーナーで気に入った求人を見つけたら、その求人を印刷し、職業紹介コーナーで「応募したい」旨を職員に伝えます。
ハローワーク職員は、企業とあなたの仲介役です。
その求人に現在何人の応募があるか、そもそも応募可能かなどを確認し、調整してくれます。
もしも応募不可だった場合、求める条件に応じた求人があるかどうかを探してくれる場合もあり、転職や再就職のために非常に力になってくれます。
ハローワークの求人に応募するに至ったら「紹介状」が発行されますので、それを応募先に渡します。
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・ハローワークには失業者ばかり?
たしかに失業者が多いのは間違いないですが、陰湿な雰囲気はありませんので安心して下さい。
・混んでいる?
時期や時間帯によっては混んでいます。午前中の早くなら比較的空いている傾向にありますが、足繁く通うことで混雑するタイミングが見極められるようになってきます。
・転職サイトに比べて求人が少ない?
大手転職サイトは、ユーザビリティに優れるために非常に使いやすいし、わかりやすいことには違いありません。ですが、転職サイトに掲載されない求人がハローワークには豊富です。
求人サイトは大手企業の割合が高く、ハローワークは地元企業などの求人が多い傾向にあると感じます。
どちらも一長一短ですので、バランス良く利用することが成功の近道です。
5. 大手転職サイトも活用しよう
前述の通り、「ハローワーク」と「転職サイト」、どちらにも良い点・悪い点があります。
ですから、両方を上手に利用することが転職をする上ではポイントとなります。
転職サイトの特徴としては、
1. 大手企業の求人が集まりやすい
2. 採用の本気度が高い
ことが挙げられます。
転職サイトは、求人の掲載広告料によって運営されています。求人の掲載には数十万円もの料金がかかります。
従って、求人を掲載できるのは資金が潤沢な大手企業が中心となり、巨額の求人掲載料がかかっているわけなので、採用も本気であるということです。
転職サイトの最大手はリクナビNEXTで、求人数も圧倒的、転職希望者の80%以上が利用すると言われています。
転職を目指すなら必須と言えるでしょう。
登録後は、WEBレジュメという履歴書・職務経歴書をWEB上で入力することとなるのですが、これがかなりのボリュームです。
入力事項が驚くほど多くて、途中で投げ出してしまう人もいます。
ですが、一度入力してしまえば、あとはそれを企業に送るだけなので、大変なのは最初の入力だけです。あとからの修正も容易です。
紙の履歴書を何度も書かなければならない苦労を思えば、WEBレジュメを完成させることくらい簡単なこと。なんとか頑張りましょう。
また、リクナビNEXTには、待っているだけで企業から声が掛かるスカウトサービスや、あなたの長所を見つけ出して適職診断してくれるグッドポイント診断も無料で利用することができます。
転職活動をする上での強力なバックアップとなることは間違いないです。
6. 転職エージェントって何なの?
インターネット上で転職情報を調べていると、「転職エージェント」というものを聞くことがあるかもしれません。
「エージェント」って響きがすごそうだけれど、それって一体何なのでしょうか。
転職エージェントとは、転職を希望する人に求人を提案してくれたり、応募書類のチェック、スケジュールの調整、給与の交渉、内定後の段取りまで、企業との間に入って対応してくれます。
一人の転職希望者に対してまさに至れり尽くせり。
ただし、転職エージェントが対応するのは、特別なスキルがあるなどの、企業側が喉から手が出るほど欲しい人材に限ります。
企業がエージェント会社に巨額の報酬を支払ってまで入社してもらいたい人物が、転職エージェントによる優遇を得ることができるというわけです。
私のような低スペックな凡人は門前払いなのでした。がっかり。
ですが、何か特殊なスキルがあるとか、大手企業に対してアピールできることを持ち合わせている場合には、転職エージェントが対応してくれる可能性があります。
先述のリクナビNEXTは、申込時に「リクルートエージェント」の利用を申請することが可能です。
7. 筆記試験の対策をしよう
転職試験にも筆記試験が課される場合は多いですから、対策が必要です。
企業独自の筆記試験や一般常識テストが出題される場合もありますが、最もメジャーなのはSPI3と呼ばれる総合適性検査です。
SPIの対策本に一通り目を通して、解いておくだけでも本番のプレッシャーが軽減されます。
受験者の中には、筆記試験の対策を甘く見ている人も多いですから、軽く対策をしておくだけでもかなりの差が付くと考えていいでしょう。
採用選考の中で、筆記試験の成績は必ずしも高い比重が置かれているものではありません。
キャリア採用ですから、経験やスキルなどのキャリアの内容が重要視されるものです。
とはいえ、筆記試験で高い成績を収めるに越したことはないですし、筆記試験の点数が悪いために面接に進めないとなると大問題です。
採用にあたり最重視されるものでもないけれど、軽視されるものでもない。ある程度の筆記試験対策は、やはり必要というわけです。
8. グループ面接の対策をしよう
転職の選考において、集団面接が課される場合もあります。応募者の多い大企業に多い傾向にあると言えます。
グループ面接では、質問は基本的なことに終始する傾向にあります。つまりは、志望動機や自己PRなど、対策できるような質問が多いということ。
従って、それら予想される定番の質問を掘り下げることが効果的な対策です。
回答に際しては、要領の良さが求められます。
集団面接ですから、一人にかけられる時間はさほど多くない。伝えたい事があり過ぎるためにだらだらと喋ってしまうことは、TPOをわきまえていないとみなされ、よろしくないです。
質問されたことに対して、本質を、端的に、要領良く答えることが良い印象を与えることとなることを覚えておきましょう。
グループ面接を実践で対策することはなかなか難しいです。何人かの友人に手伝ってもらって椅子を並べて実践形式でやってみる、というの現実的ではないでしょう。
となれば、頭の中で綿密にシミュレーションするしかありません。
そして、最も重要なのが、堂々とハキハキ答えること。
自信を持つこと。
自信があるかどうかは関係ありません。面接官から自信があるように見えることが重要なのです。ただ堂々としていればいいのです。
9. グループディスカッションの対策をしよう
先述の「グループ面接」同様、応募の多い企業において課される可能性のあるものです。集団討論。
新卒の就職活動の際に経験したことのある人もいるでしょう。
新卒時のグループ討論との大きな違いは、出題テーマです。
転職者向けのテーマは、ある程度のキャリアがあることが前提となりますから、難易度も高めで、予備知識が必要となる問題が出されると覚えておきましょう。
従って、対策としては、志望企業の研究や業界の基本的な知識を頭に入れておくこと、時事問題対策のためにニュースに関心を払っておくことが要請されます。
とは言え、どんな問題が出題されるか全く予測がつかないのも事実。
具体的な対策という対策はないのが実情ですが、業界や志望企業、時事問題にほんの少しでも時間を割いておくだけでもライバルに差を付けることになると覚えておきましょう。
あとは、繰り返しになりますが、自信を持って堂々としていること。
間違っているかもしれない意見だとしても、大きな声で皆に聞こえるように伝えましょう。
堂々と大きな声で放たれた意見は正しいように聞こえるものですから、面接官の印象を良くするだけでなく、他の受験者を圧倒する効果も期待できるというわけです。
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