仮病において頭痛を理由にすることは理にかなった方法です。
なぜなら、「症状が外から見えない」「深刻性がある」という良い仮病の条件を満たしているからです。
とはいえ、安心しきってしまうのは尚早です。
仮病の達成とは、完全犯罪を意味します。
すなわち、その欠勤が仮病によるものであると全くバレておらず、心配さえされる状況になって初めて100点満点の「仮病完遂」と言えるのです。
疑念の余地や周囲の反感を買ってしまうようでは、次に仮病で休む際の高いハードルとなってしまいます。
頭痛という名の仮病で欠勤するメリット・デメリット・戦略について見ていきましょう。
頭痛で仮病するメリット
冒頭でもお話した通り、唯一無二のメリットは「症状が外から見えない」「深刻性がある」ということに尽きます。
症状が外から見えない
「症状が外から見えない」ということは、当人が「痛い、動けない、頭が割れる」と主張すれば周囲としてはそれを認めざるを得ないということです。「痛い」と言ったもの勝ちです。
極めて疑わしい場合でも、本当か嘘か見分ける術はないために「じゃあ、休んでくれ」となるわけです。
風邪ではそう簡単には行きません。
風邪は「症状のデパート」と呼ばれますから、咳・くしゃみ・鼻水・だるさ・熱っぽい感じ・痰がからむ感じなどから任意で選んだ症状の高度な演技が要求されます。非常に面倒である。
増して、風邪の演技ほど難しい物はありませんから、翌日の出勤の際に「風邪だって言っていたのにずいぶん元気そうだな」ならまだしも、「なんかあの咳の仕方、怪しくないか? まさか仮病」となっては一巻の終わりなわけです。
それに比べて頭痛には演技は全く必要ありません。
頭痛の演技ほど周囲にとってうざったいアピールはないのです。
「頭痛がひどくて」とこちらから申告して初めて、「え、そうだったの?」と驚かれるくらいがちょうどいいです。
深刻性がある
頭とはつまり脳のことです。
我々を我々たらしめるものは脳ですから、そこが痛いということは相当な「深刻性がある」ということを示唆します。
脳梗塞のような極めて深刻な病気、ストレスやうつ、肩こり、風邪など、幅広いポジションを頭痛はカバーしますから「頭が痛いので休ませて下さい」と言われた上司に、「何か悩みでもあるのだろうか」と幾ばくかの心配を心の中に芽生えさせることができます。
私がかつて頭痛(仮病)で早退した際、心配した上司が次の日から仕事が減らしてくれる幸運に見舞われたことがあります。
従って、私は日中はだらりと仕事をし、日々定時帰宅することができました。
残業代も出ないような会社でしたから、賃金は変わりません。
頭痛にはそのような素晴らしい効能さえあるのです。
頭痛で仮病するデメリット
頭痛に「深刻性がある」とは言え、極めて一般的な症状であると認識されていることには違いありません。
つまりは、皆ちょっとくらいの頭痛なら我慢するなり薬を飲むなりして出勤してきているという事実があり、これが厄介です。
「たかが頭痛くらいで休むなんて。私なんかどんなに頭が痛くても薬を飲んで我慢してたのに」と周囲から非難を受ける可能性があるのです。
私に言わせれば、頭痛であるにも関わらず出勤してくる方が悪いのです。
しかしながら「寝てない自慢」の如く、組織の中においてそれは間違った基準によって決め付けられてしまう。
本来であればは健康に異常がある場合は休むのが当たり前であるにも関わらず、「たかが頭痛で休むのは根性がない、迷惑である」との烙印を押されてしまうのです。
頭痛は仮病として備えるポテンシャルはパーフェクトであるにも関わらず、周囲の人間にとっては非難の対象になり得るということを覚えておきましょう。
頭痛で仮病する際の注意点と戦略
以上のことを踏まえて、正しい頭痛の仮病戦略を立案していこうと思います。
伝え方
過剰な演技は不要です。
「頭が痛いので休ませて下さい・帰らせて下さい」と伏し目がちに眉間にややシワを寄せながら話しましょう。
電話であれば「うずくまりながら話す」ことによって苦しそうな声が出ますからやってみるのもいいかと思いますが、基本的には演技は要りません。
逆に堂々としているくらいでちょうどいいです。
頻度
あまりにも頭痛で欠勤・早退する回数が多いと、「またかよ」とお局様の機嫌を損ねる可能性が増えます。
私が中学生のとき、頭痛で休みがちだった人が「偏頭痛」と陰であだ名を付けられていたことがありました。
中学生も社会人もやることは同じ。思考回路はほぼ同様とみなして良いでしょうから、あなたが頭痛で欠勤する回数が多いというだけで何らかの非難を受ける可能性は全くないとは言い切れないと覚えておきましょう。
そのためにも頭痛のゴリ押しで仮病することは推薦されません。
どうしても高い頻度で仮病しなければならない場合にはバリエーション豊かな仮病を展開することをおすすめするものです。
普段の勤務態度
実は、ここが要所です。
全ての仮病に言えることですが、普段の勤務態度は真面目一筋で行きましょう。
つまりは「あの誠実で嘘も付けないような人が仮病で休むわけなんてない」という印象を与えておくというわけです。
そう考えると、皮肉なことに仮病は真面目な人にこそ向いているものであるとみなすことができます。
また、一般的に「真面目な人はストレスが溜まりやすい」と思われています。広い常識と言ってもよい。
真面目な勤務態度の人間に頭痛という症状が出たとなると、ストレスとかうつとかの心配をされる可能性が非常に高まります。
前述の私の仕事が減らされた事例においても、真面目であるとみなされていた結果であると推測することができます。
まとめ
頭痛での仮病はバレにくい部類に入るものであり、成功確率も高いです。
しかしながら、高い頻度で発動してしまうと周囲からの非難の対象になる可能性を孕んでいます。
「用法・用量を守って正しくお使いください」というのは、ロキソニンと頭痛の仮病の両方に通ずる警句なのです。
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