もし自家用車を所有している場合、失踪の移動手段にはクルマを選ぶことでしょう。
ええ、私も衝動的にクルマを会社とは違う方向へ走らせてそのままどこかへ行きました。
クルマという移動手段は一見便利なのですが、失踪や家出というシーンにおいては足かせとなる場合もあります。
ちなみに私は、クルマで家を飛び出したものの途中からは自動車を乗り捨てて徒歩&電車移動していました。
とはいえ、都内のネットカフェに滞在していたので、移動という移動はしていません。
以下、失踪中のクルマ移動におけるメリットとデメリットを記していきましょう。
自動車で家出・失踪するメリット
行きたい場所にすぐに行ける
失踪中とあれば使える時間は無限大です。「そうだ、あそこに行こう」と思い付いたらすぐに行く余裕がある場合が多いです。
そしてそれを叶えてくれるのが自家用車というわけです。
電車の乗り換え時間なんて気にしなくていい。
鉄道の通っていないところへも手軽に行くことができます。
自動車を手にしているということは自由を手にしていることと同じなのです。
荷物を積載できる
失踪とは家を失うことに他なりません。
家とは、自分の所有物を安心して心置きなく仕舞っておける場所です。
もちろん、カバンひとつで旅に出ることも可能ですが、多くの所有物を楽に運搬する手段としては自動車は大変に心強い味方です。
時間に関係なく高速移動できる
夜に電車やバスなどの公共交通機関は稼働していませんが、自家用車なら深夜でも早暁でも自分の好きなタイミングで動き出すことができます。
どこか目的地があった場合、鉄道では終電後には必ず足止めを食らいますが、クルマなら自分のペースを保って前進することができるのです。
路線だけでなく時間にも縛られずに動けることは、やはり大いなる自由を享受できることとなります。
雨風がしのげる、宿泊場所にもなる
クルマは雨風をしのげることに加え、無料の宿泊場所にもなります。
この日本において無料で宿泊するためには「野宿」「車中泊」「居候」のいずれかの手段しかありません。
軽自動車では少し窮屈で難儀するかもしれませんが、それでも安全に泊まれる場所があるというのは大変に心強いものです。
地方都市の24時間営業スーパーの駐車場や、田舎の公園や駅の駐車場なら夜中に停めておいても誰にも文句は言われません。
自動車で家出・失踪するデメリット
Nシステムで居場所が知られるかもしれない
主要道路にはNシステムと呼ばれる車体を識別するための装置が設置されています。ナンバープレートを読み取っているようです。
犯罪に使用された車両がNシステムを通過すると瞬時にアラートが鳴る仕組みになっているようです。
収集されたデータは犯罪の捜査などの目的で用いられるようですが、事件性を有する可能性のある家出人や失踪人の捜索のためにも利用されることがあるようです。
事件性のない自主的な失踪の場合、あなたがNシステムを通過したとするデータに対してアラートが鳴るかどうかはわかりません。が、念のため警戒しておいた方が賢明でしょう。
絶対に見つかりたくないのなら尚更です。
私は絶対に見つかりたくなかったので、このNシステムが捜索願が出されている者に対してどのような役割を果たすのかをネットで調べたのですが結局答えは出ず、クルマでの移動は諦めた経緯があります。
ガソリン代がかさむ
クルマでの移動にはガソリン代がかかります。
なんとなく暇を持て余して走らせていると月額で馬鹿にならない額を燃料に費やすこととなります。
もちろん、前述の通り自家用車は宿泊施設としても利用できるため日々の宿泊費代わりと思えば安い方ですが、出費には違いないことを頭に入れておきましょう。
都内は不向き
都内では駐車料金が異様に高額、且つ、道がごみごみしていて自動車乗りには優しくありません。
失踪生活を都内で楽しむ予定なら自家用車の出番はないと考えましょう。
車中泊によるエコノミークラス症候群のリスク
クルマが宿泊施設代わりになるとはいえ、エコノミークラス症候群には注意が必要です。最悪の場合、死に至る恐ろしい病気です。
長時間狭い椅子に座ったままの状態を強いられることが多く、足の血液の流れが悪くなり、静脈の中に血の塊(静脈血栓)ができることがあります。この静脈血栓は歩行などをきっかけに足の血管から離れ、血液の流れに乗って肺に到着し、肺の動脈を閉塞してしまいます。これがエコノミークラス症候群です。
震災直後、車中泊を強いられた人たちの間でも発症例が多かったです。
失踪によって自由を手にしているのに重篤な病に拘束されては元も子もありません。
エコノミークラス症候群は「充分な水分を取ること」と「適度な運動」によって予防できます。注意しましょう。
事故・故障のリスクがつきまとう
意外と盲点なのが自動車で移動する以上、事故のリスクは免れないということです。
安全運転に気を払っていても、もらい事故を受ける場合もありますから油断できません。
せっかくの失踪中に事故を起こしてしまえば大事になってしまいます。
1. 警察が呼ばれ身元が明らかになってしまう
2. 車両が故障してしまうかもしれない
3. 予定外の出費がかかるかもしれない
その他にも細々としたことが非常に厄介です。
ましてこっちは失踪中の身であるわけですから帰還を余儀なくされるかもしれません。
故障によって身動きが取れなくなる上に修理費がかかってしまう可能性もあります。
失踪中無職の身にクルマの修理費用はかなりの痛手です。
この「事故や故障のリスクが常に付きまとうこと」についてはは深刻に考えるべき事由であると私は考えます。
まとめ
メリットとデメリットを見てきましたが、私の総評としては失踪中のクルマ移動はあまりおすすめできないというのが結論です。
理由は、事故を始めとする様々なリスクが大きすぎるからです。
とは言え、やはりクルマという名の雨風がしのげる宿泊施設は魅力的であることには違いありません。
キャンピングカーというものが存在するように、クルマを宿泊施設及び居住空間にするという試みは的外れなことではないでしょう。
ただ、失踪中の身にはリスキーに過ぎるということです。
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