「間欠性爆発性障害」とは、攻撃的行動に抵抗しきれないという症状を呈する行動制御障害の一種です。
「間欠性」とは繰り返し反復して起こること。「爆発性」は怒りの比喩表現でしょう、前触れもなく怒りの感情がこみ上げて激しく発露するといった意味合いが含まれるものと推測されます。
はじめに 間欠性爆発性障害に対する誤解
よくキレる人に対しては「我慢が足りない」とか「学習能力が不足している」とか「性格に問題がある」などと評価されがちですが、間欠性爆発性障害の人に対してそれを当てはめてしまうのはやや誤解があります。間欠性爆発性障害とは「性格の問題ではなく、本人の最大限の我慢や努力をもってしても怒りが制御不能である」状態だからです。
怒りが我慢できないのは人間として、社会人として適切ではないということはわかっている。手がつけられないほどの怒りに支配された後にはひどく後悔してしまう。だけど、怒りの爆発を繰り返してしまうのです。
「甘え」や「考えが幼稚」、「我慢が足りない」という感情論とは別の問題であることを前置きしておきます。
間欠性爆発性障害の特徴とは?
1. 制御しきれない怒りの爆発が繰り返される
「制御できない」「繰り返される」というのがポイントです。
2. 怒りが爆発した際には、人や物に当たり散らす
「制御できない」結果、大きな怒りがあらわになり、「人に暴言を吐く」「人を身体的に傷つける」「周囲の物品を破壊する」「自分の持ち物を破壊する」などの行動に出てしまいます。
3. 些細なきっかけで怒りが爆発して大きな代償を支払う
間欠性爆発性障害の大きな特徴の一つとして「怒りのきっかけに対する怒りの度合いが不釣り合いで代償が高くつく」ことが挙げられます。つまり、「ひどいことを言われたからカッとなった」というよりは、例えば、「スマホの電波が悪いことにカッとなってスマホを破壊した」「忙しいところに話しかけられたことにイラッとして周囲の人が怯えるほどに暴れ回ってしまった」というような「そんなに怒らなくても」と思うような些細なことがきっかけとなって尋常じゃない怒りが爆発してしまうのです。
4. 短い時間(10分程度)で元に戻る
間欠性爆発性障害における怒りは尾を引きません。周囲の人や物に当たり散らした後は10分程度で元の状態に戻ります。1時間も2時間もずっと怒っているというようなことはありませんし、怒らせた相手がいたとしても嵐が過ぎ去った後は怒りの感情を持たずに普通に会話ができます。
5. ストレスや不満などの結果としての怒りではない
間欠性爆発性障害における怒りは、何がきっかけになるかわからないままに突然に爆発してしまうという非常に厄介なものです。怒り出すその瞬間まで不満や怒りを感じていないままに些細なきっかけによって爆発してしまうのです。一般的な、ストレスや我慢が頂点に達した結果としての怒りとは性質が異なる点が特徴的です。
間欠性爆発性障害の自己診断
他サイトに自己診断表が掲載されていたので、そのまま引用致します。
1. 以下のいずれかの行動が突発的に起こり、自分でも制御できない状況が何度も起きる。
A 身近にいる動物や他者に対して、理不尽な非難をしたり罵声を浴びせるなど、言葉での攻撃を行うことが週2回ほどのペースで起こり、それが3ヵ月以上続いている。
B 自分の持ち物を衝動的に壊したり、動物や他者に怪我を負わせことが1年の間に3回起きている。2. 上記1の症状が起きている人物は6歳以上である。
3. 1の状況では、原因はささいなことでも烈火のように激しく反応してしまう。
4. 1の状況は、特にストレスが溜まっていなくても突発的に起きる。また、攻撃や破壊をすることで自分を有利にしようとする意図はない。
5. 1の状況が起きるのは本人にとっても辛い。また、仕事や人間関係、家計などの維持が困難になる可能性が高い。
上記の1~5のすべてに該当する場合は、「間欠性爆発性障害」の疑いがあります。
ちなみに、私は上記の1~5のすべてに該当しているので「間欠性爆発性障害」の疑いがあります。自分で自分のことを問題があるぞと思っていたので、ここでそのように診断されて思わずホッとしました。人は何かモヤモヤしたものに名前がつけられるとホッとするのです。
自己診断の結果「間欠性爆発性障害」の疑いのある私はこれから怒らない考え方や生活習慣を身につけて行こうと思っている所存です。人生を賭けた自己改革である。本当に。
間欠性爆発性障害の原因とは?
間欠性爆発性障害の原因ははっきりとはわかっていないのが実情です。比較的新しく定義された病気であるようです。
間欠性爆発性障害について私が独自に調査した結果、原因と思われるものとしては下記の5点が散見されました。
1. 感情を司る脳の部位が小さいこと
2. トキソプラズマ症の可能性
3. セロトニンの分泌不足
4. トラウマ・心の傷
5. うつ病などの病気
詳しくは別記事「手のつけられない癇癪。間欠性爆発性障害(IED)5つの原因とは?」で紹介しておりますので、併せてご覧くださいませ。
間欠性爆発性障害の治し方・治療法とは?
間欠性爆発性障害は日本ではまだ殆ど知られていない病名であり、情報も殆ど見当たりません。従って、治し方や治療法も確立されていないのが実情でありましょう。恐らく病院で治療する際には「薬物治療」「カウンセリング」で改善を図っていくものと思われます。
ちなみに私は、本気でこの間欠性爆発性障害(の疑い)、癇癪を起こすこと、すぐキレることを治そうと決意し、自らを「怒りっぽい人」ではなく「間欠性爆発性障害という病を持っている人」と強く認識するところから始めました。うつ状態の人が気が滅入らないように気をつけて生活するように、糖尿病の患者がそれを悪化させないように最新の注意を払って暮らしていくように、私も怒らないためにどんな小さな芽も摘んでいくよう心がけたのです。
具体的には「怒らない環境を整えること」「怒らない考え方を身に付けること」「自分の考え方の癖を知り改善すること」を実践していくことです。
詳しくは「間欠性爆発性障害の治療法、治し方とは?実際に効果があった方法を厳選して紹介」にてまとめた他、下記にも備忘録として細々とした方法を掲載してあります。参照してくださいませ。
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