怠け者として右に出る者がいないと自認している私が「先延ばし」を防止するために使っているテクニックを11個紹介していきましょう。怠け者が紹介するライフハックなので、誰でも簡単にできるものであると自負しています。
文末には参考にした本も紹介していますので、是非とも最後までご覧ください。
1. 2分ルール
あらゆるライフハック術の中で最も強力且つ実践的であると思われるものが「2分ルール」です。2分ルールとは次の一行で表すことができます。
2分でできることはすぐにやる
たくさんのタスクを抱えていると、すぐにできることでさえ先延ばしにしてしまいがちです。しかし、この2分ルールを念頭に置いておくだけで、例えば、ハンコを押すだけのタスク、名前を記入するだけのタスクを先延ばしにすることはなくなります。家庭でも、シンクに洗い物が積み上がってしまうなんてことはなくなるでしょう。
2. 5秒ルール
「5秒ルール」は仕事術の中でも比較的新しく生まれたメソッドであるように思います。
やろうと思ったら5秒以内に行動する
理由は、人は何かをしようと思い付いた5秒後に「めんどくさいな」とか「今やらなくてもいいか」とか言い訳を考え始めるからです。であれば、脳が言い訳を思考していない5秒間の間に行動してしまえばいいという論理です。上で挙げた「2分ルール」と組み合わせると最強のメソッドとなります。
3.「やる気が出るのを待つ」ことは無意味
先延ばしの言い訳における常套句として「やる気が出たらやる」というものがありますが、やる気は永遠に出ません。
人は行動をするからやる気が出る
順序が逆なのです。動くことによって後からやる気が出てきて、仕事を終わらせるモチベーションを得ることができる。だから、私たちがするべきことは「5分でいいからまずはやってみる」ことです。
5分間やってみたけれどやっぱりやる気が出ない時には「今日は自分のターンじゃない」と思って潔く諦めましょう。諦めも結構肝心です。明日また5分だけ取り組んでみればいいのです。
4. 先延ばししていることは重要なことであると認識する
どうでもいいことはすぐに手を付けられるのに、やらなければならないことは先延ばしにしてしまいがちです。気になってたYouTube動画を見ることはできるのに、仕事はさっぱり手に付かない。それを解決する考え方を提示しましょう。
重要なことだからこそ先延ばしにしている
「凄いものを仕上げなければならない」と気負っているのかもしれないし、評価を気にして手に付かないのかもしれない。先延ばしにしている仕事はあなたにとって重要なことであるというパラドックスがあります。いま先延ばしにしていることこそ自分を成長させてくれて、充実感の足がかりになることであると考えて5分間でいいから手を付けてみましょう。
5. 先延ばしは不安の現れであることを認識する
なぜ先延ばしにしているのか、その本質を考えてみましょう。おそらく下記の結論に行き着くはずです。
不安だから先延ばしにしている
「完璧に仕上げなければならないけれど、自信がない」「上司にまた怒られるんじゃないか」なんて頭をよぎるとたちまち不安になって手がつかなくなってしまいます。誰でも不安になるもの。重要なことは、ひとまず不安になっている自分を認めることです。
6. 簡単な仕事から手を付ける
「まずはやってみることが大事」と上で述べましたが、そのためには、
簡単な仕事から始める
ことがヒントになります。誰でもできてすぐに終わる仕事から手を付けることでやる気に火がつき、そこから加速することができます。1日の始まりにいきなり大きな仕事を始めようとすると、圧倒されるだけで手が付かないことが往々にしてあります。
やるべきことが大きな仕事しかないのであれば、細分化しましょう。「とりあえずファイルだけ作る」とか「スケジュールだけ立てる」とか何でも良いので、少しだけ取り組めるポイントを見つけて、そこからエンジンをかけましょう。
7. 少しだけ手を付けておく
1日の中でひとつの仕事を完璧に仕上げてしまうのは、もしかしたら得策ではないかもしれません。なぜなら、人はやりかけの仕事は頭に残り続けて、それがモチベーションになることもあるからです。気になる展開で「次回へ続く」となったドラマが1週間頭から離れないのと同じです。
やるべき仕事に少しだけ手を付けておく
1日の終わりにあと5分だけ時間を取って次の日にやる仕事に手を付けておきましょう。「ファイルだけ作っておく」や「資料を眺める」などの簡単なもので構いません。たったこれだけで翌日のスタートダッシュを決めることができます。
8. 朝イチでやる
人の集中力は朝起きた瞬間がピークでそれ以降は下降していくとの学説があります。つまり、私たちがすべきことは簡単。
朝イチ(午前中)に厄介な仕事を終わらせる
朝イチでメールをチェックしたり、ついつい動画を見てしまったり、SNSをチェックすることはあまり得策ではないようです。集中できる時間に個人差があるのは確かですが、集中できないと悩んでいる人はまずは「午前中だけ集中してみる」とルールを決めて取り組んでみてはどうでしょう。これでやる気が出たら儲けものです。
上で述べた通り、まずは数分でできる簡単な仕事で助走を付けてから大きな仕事に移行するのも良いでしょう。
9. 準備も仕事のうちであると考える
仕事を狭義で捉えて堅苦しく考えていませんか? 重要な点を見過ごすと「今日も仕事が進まなかった」と挫折感が加速してしまいます。
準備も仕事のうちに入る
実作業だけが仕事ではないと考えましょう。物を書く仕事をしている人にとって1文字も書けなかった日は「仕事が進まなかった駄目な日」と考えてしまうかもしれないけれど、書くための準備も立派な仕事です。逆に考えれば、実作業にどうしてもやる気が出ない日は気分転換として準備や過去の見直しなどを立派な仕事として行えば良いのです。
10. やることを一つだけに絞る
かつては「たくさんのことを同時にやることが生産性を上げる」と言われていたようですが、時代の変遷とともにマルチタスクの弊害について叫ばれるようになってきました。現在私たちがすべきことは、
たったひとつのことだけに集中してやる
つまり、シングルタスク。「ひとつのことだけをやる」ことによって生産性が向上することは多くのエビデンスによって示されています。朝起きてからやることがたった一つであれば、迷いなくそれに取り組むことができます。
とは言え、現代は私たちにマルチタスクを強いる環境です。あれもこれもやらなければならない仕事が押し寄せ、その上にスマホもある。そう、シングルタスクを実現するためには自らに敢えて厳しいルールを課し(スマホを手の届かないところに仕舞う)、様々なものを切り捨てていく(仕事や交友を断る)ことが必要です。シンプル・イズ・ベスト。
11. 音楽をかける(ラジオや環境音でも可)
好きな音楽がかかっている時にはやる気が出ることが示されています。音楽だけでなく、ラジオやホワイトノイズ、環境音など、自分にとって好ましい音で構いません。
心地よい音を聴きながら仕事をする
オフィスなど皆で仕事をしている場合にはなかなか難しいかもしれませんが、一人で何かに取り組む時には使える手です。音が邪魔になって集中できなくなったら消してしまえばいいこと。無音状態で逆に集中できないなと思ったら流せばいいこと。
何を流すかは個人の好みで構いませんが、カフェの音や雨音などの環境音は集中効果が高いとの実績があるようです。
参考文献5冊
▲「2分ルール」が提示されている伝説の名著『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』。GTD(Getting Through Done:やり遂げる)という考え方は生産性の話題において未だにあちこちで話題になるのを耳にします。そのGTDメソッド開発者の著作です。
▲こちらも様々なところで引き合いに出される優れた名著『やってのける~意志力を使わずに自分を動かす~』。自分の性格を知るところから始まり、「if-thenルール」などの実践的なテクニックも提示されています。自分のやり方を見失わないために事あるごとに読み返したい。
▲大ベストセラーでありながら、ぐうたらな私の人生を変えた『スタンフォードの自分を変える教室』。「自己啓発書なんて」と思っている人にこそ読んで欲しい。本書は単なる自己啓発書ではなくて、全て科学的根拠に基づいて書かれている。とても読みやすく日本語訳されています。
▲「一つのことだけに集中する」ことで様々なことを達成してきたという著者の経験を元に、集中するための『減らす技術』を披露してくれている。著者は人気ブロガーであり、それらの記事がまとめられている。読みやすくて説得力がある。
▲ここ最近で最重要のビジネス書のひとつである『エッセンシャル思考』。こちらも「一つのことだけに集中する」ことの重要性を豊富な事例を用いて提示してくれている。世の本では「成功するためには直感で行動しろ」と説いているものもが跋扈しているけど、本書の慧眼は「よく考えて行動しろ」と主張されているところ。マンガ版もあるので時間がない方はこちらからがおすすめ。
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