貯金が趣味なので、手元にそれなりのお金は常にあるようになっております。
そのために「困っているからお金を貸して欲しい」と友人や恋人に頼まれることが今までに3度ほどありました。
「消費者金融などから借りて茨の道を歩かせるよりは」と相手を気遣い、つい無利子で貸してしまうのですが、これは全く良くないことなのだなとつくづく感じています。
3人に計100万円。
何が良くないって、こちらの精神衛生上、良くない。
計画性がないためにお金がないので、計画的に返せるわけがない
こちらは頼まれて貸したのです。相手は、こちらにお願いして、「ありがとう、助かったよ」と言って借ります。たまに、「ありがとう」も言わない人もいますが、別に「ありがとう」と言ってもらうために貸したのではないので、どうでもいいことです。
私の経験上、お金がない人は、計画性がないからお金がないのです。私は計画的にきちんと返済してくれるものと思い込んでいるのですが、そもそも計画性なんてないから、必ずと言っていいほど返済が滞る。
こちらからは「生活に困らない程度の毎月の返済額を決めて、返してくれればいい」「お金が残ったら返すのではなく、まず返す分だけ返して、残ったお金で生活をやりくりすべきである」と伝えるのですが、どうも意味を分かってくれないようで、返済が滞るのです。
一人は「ペットが死にそう。手術代が足りない」と泣きながら電話を掛けてきた。あとの二人には「税金が払えなくなってしまった」と暗澹たる雰囲気で打ち明けられた。仕方なく貸してしまった。
でも、よく考えてみれば、ペットを飼っている以上、もしものためにその手術代を貯めておくことは飼い主の責任であり、税金に関しても、どのくらいの納付額が請求されるかは事前にわかっていることです。決して意外な支出ではない。
そもそもの計画性がないのです。
計画性のない人に計画的に返してくれという方が無理な話なのでしょう。
お金を借りた人は凶暴化する
お金を貸した方が立場が上で、借りた側は立場が下。そう思われがちですが、事実は違います。
貸してしまった時点で立場は逆転するのです。借りた方が上の立場。誠に逆説的な話です。
だって、「返せない」と言われたら、こちらはそれを受け入れるしかないのです。なぜなら、どう頑張っても返せないからです。これは覆らない。
貸したお金を人質に取られている感じです。
問題なのは、何ヶ月も滞納しているので、「貸したお金のことなんだけど」とこちらから切り出すと、相手は凶暴化します。「返せないものは返せない。お金がないの。なんて冷たい人」となぜかこちらが罵られます。理不尽。
貸した分を返してくれ、と言っているのに、こちらがお金をぶんどっているような、無心しているような、悪い気持ちにさせられます。
こちらはあなたのためを思って貸したのになあ、なんて惨めな気持ちになります。
これ以上機嫌を損ねたらお金が返ってこないかもしれない、と理不尽な悩みを抱える羽目になります。
一般的に、お金を貸した方が立場が上であると思われがちなのは、貸した側に力なり権力なりが備わっているからです。
どんな手を使ってでも強制的に取り立てる力。恐ろしいほどの権力。
だけど、私のようなお人好しでへらへらしているような一般人が人にお金を貸すと、その善意に付け込まれ、債務者は凶暴化。こちらには取り立てる力も何もない。
力なき債権者は無力に等しいです。
借りているくせに!生活のいちいちに苛々する
散々に滞納し、「だって返せないの」と凶暴化さえした人間が、缶コーヒーなんて飲んでいようものならイラつきます。
その習慣となっている缶コーヒーを我慢してくれれば、いくらかでも返せるだろう。
お昼に毎日外食をしていようものなら本気で腹が立ちます。家で弁当を作って持っていけば、いくらか節約になるのではないか。
飲み会? 自分へのご褒美? ふざけているのか。
債務者の生活のいちいちが気になって、精神衛生上非常によろしくない。
もちろん、私が倹約家であり、お昼はお弁当を作っていき、飲み物はスーパーで19円で売っている水、欲しい物も特別にない、という質だから余計に頭にくるのでしょうけれど、なんかもうやりきれないです。
本当に完済される日が来るのだろうか。利息でも取っておけば良かっただろうかと、不安の毎日。
貸さなければ良かったのだろうけど、そのために彼/彼女の生活が破綻してたとなれば、それはそれでどうかと思う。
答えのない堂々巡り。
とは言え、なんとかお金は全て返ってきました。
一名は本当にどうしようもなく、親に借用書を書いてもらった上で、親が責任をもって返してくれました。良いご両親で本当に助かった。
まとめ お金を貸す場合のリスクマネジメント
私が今回の件で学んだことは、まずは高額なお金を安易に貸さないこと。困っている人を助けるか見過ごすか、貸す優しさか貸さない優しさか、という悩ましい部分ではあります。
ですが、「無計画のために困窮した者は、返済にも無計画である」ということがはっきりしました。
最善策は、貸さないこと。
それでも、貸してしまうことになった場合、借用書を書いてもらうことは絶対です。
借用書に厳密な法的効力はないそうですが、それでも、借りた側の心理に大きく影響します。どれだけ借りて、いつまでに返さなければならないんだなという実感と責任が、幾許かは生まれます。
ゴールはきちんと返してもらうところにあるので、借用書によって穏やかな返済がなされる可能性は高まります。
よっぽど信用ならない者については、公証役場に行って、借用書を公正証書にしてしまうことです。
公正証書によって、借用書には法的効力がようやく生じます。返済があまりにも滞った場合、強制執行も可能になるということです。
債務者と債権者が公証役場に出向いて公証人の前で手続きをするので、やや面倒であり、債務者が応じないという場合もあるかもしれませんが、高額を貸し付けているのであればリスクマネジメントは必須であると考えます。
私は、公正証書作成までせずに完済されて本当に運が良かったと思っている次第です。
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