手のつけられない癇癪。間欠性爆発性障害(IED)5つの原因とは?

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 「間欠性爆発性障害(IED)」とは怒りの衝動だけはどうしても抑制できずに人や物に激しく当たり散らしてしまう症状が周期的に繰り返される衝動制御障害です。10分程度で冷静になるのですが、残されているのは激しい後悔と八つ当たりによって破損された物品、信頼の失墜です。

 まだまだ知名度が高いとは言い難い障害であり、「カッとなるのを我慢するのが大人ってもんだ」などと抽象的な感情論で片付けられてしまいがちなところがつらいところです。

 間欠性爆発性障害(IED)の原因ははっきりと分析されてわかっているわけではありませんが、個人的に調べていく中で下記5種類が有力なものとして浮上してきましたので紹介していこうと思います。

 

1. ”感情脳”が小さい

 間欠性爆発性障害(IED)と診断される人たちの脳は、感情を制御する前頭辺縁領域(frontolimbic region)の灰白質が少ないことが判明したのだ。つまり、”感情脳”が小さいということである。(略)『バイオロジカル・サイカエトリー:コグニティブ・ニューロサイエンス』誌に掲載されたアメリカ、シカゴ大学のエミール・コッカロ博士らの論文によれば、IEDは物理的な脳の疾患であり、性格の問題ではないという。

 すぐにカッとくる、怒ってばかりいる人は性格ではなく脳に問題。感情を制御する”感情脳”が小さい可能性(米研究)|カラパイア

 
 見境なく怒った後にやってくる後悔はついつい自分の人格を否定してしまいがちです。周囲からも「我慢が足りない人」「性格に問題がある人」というレッテルを貼られてしまうことも多いでしょう。しかし、上記研究結果によれば「キレやすい人は脳の感情を司る部分が小さかった、だから性格に問題があるわけではない」というのです。

 これをどう捉えるかが分かれどころです。「そうか、脳の障害か、じゃあキレるのは仕方ないな」と考えるか、「不治の病みたいなものだから、人一倍怒らない生活習慣を心がけよう」と考えるか。私は後者でありたいと思うのでした。

 

2. トキソプラズマ原虫に感染している可能性

 米シカゴ大学のエミール・コッカーロ教授らの研究チームが、米の精神医学誌「Journal of Clinical Psychiatry」(電子版)の2016年3月23日号に発表した。ネコに寄生する虫が悪さをするらしい。
 (略)
 成人男女358人を対象に、(1)間欠性爆発性障害の人(2)それ以外の精神疾患を持つ人(3)精神疾患のない健康な人、の3つのグループに分けた。そして、トキソトラズマ症に感染した割合を比較した。すると、間欠性爆発性障害の人の感染率は、健康な人の2.4倍だった。ほかの精神疾患の人も健康な人の1.8倍だった。

 すぐキレる人はネコのウンチが原因かも 脳を遠隔操作する恐ろしい虫が中に…|J-CASTニュース

 トキソプラズマ原虫とは主にネコを最終宿主とする寄生虫の一種です。寄生虫…おぞましい…と思ってしまいがちなのですが、全人類の3分の1が感染すると言われるポピュラーな感染症のようです。もちろん日本人も例外ではありません。トキソプラズマ原虫の卵はネコの糞や加熱処理されていない肉の中に含まれます。

 トキソプラズマ症に感染した全ての人がキレやすくなったり攻撃的になったりするわけではありませんし、当然ながらネコが悪いわけでもありません。ちょっとおぞましく感じてしまう研究結果であり、感染してしまった後の対処法が明確に示されているわけでもないのでどうしようもないというのが正直なところです。頭の片隅にでも入れておきましょう。

 

3. セロトニンの分泌不足

 末梢血においても、血小板のセロトニントランスポーターが減少していることや、プロラクチン分泌量を指標とした試験でフェンフルラミン投与による反応が低下していることが報告されており、間欠性爆発性障害ではセロトニン神経伝達の機能が低下していることが推測される。

 衝動制御障害|脳科学辞典

 
 引用文中にもある通り、間欠性爆発性障害とセロトニン不足との関係はあくまでも推測です。但し、セロトニンとは「幸せホルモン」とも呼ばれる脳内伝達物質で、心の安定やストレスの緩和など人の精神面に大いに貢献するものです。安定して分泌されるのが望ましいです。

 セロトニンはあくまでも脳内で分泌される物質であり、栄養素のように食事から直接摂取することはできません。ですが、セロトニンの原材料となる「L-トリプトファン」や「ビタミンB6」を摂取することによって、安定して脳内でセロトニンを作り出す土台を築くことは可能です。私は過去にうつ状態によって長期に渡って仕事を休んだことがあり、二度とそのようなことは繰り返したくないという思いからサプリメントにて摂取しています。

 
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4. 過去の何らかのトラウマ・心の傷(軽いものから重いものまで)

 すでに心に傷がある場合、痛みに対して敏感になっていますから、ちょっとしたことでも「脅威」に感じて、怒りを持ちやすくなります。こころが深く傷ついている人は、心身の全体が「再びきずつけられないようにすること」に集中するため、少しでも「脅威」と感じられることは徹底的に排除する、というふうに考えるとわかりやすいと思います。

 『「怒り」がスーッと消える本』水島広子・著

 
 大なり小なり心に傷を抱えていてそれがまだ解決されていなかったり癒やされていなかったりすると、人は防御反応としてちょっとしたことを「脅威」と感じてしまい、怒りに繋がってしまうことがあるのだそうです。

 例えば、「仕事終わったの?」と言われたことに対する反応を考えてみましょう。
 過去に「お前は行動が遅いダメな奴だ」とレッテルを貼られたことが心の傷になっているAさんの場合「仕事終わったの?=まだ終わってないのか」と非難されていると頭が自動的に解釈してしまい、ついカッとなってしまいました。しかし、心に傷がないBさんの場合「仕事終わったの?=仕事が終わったか終わっていないかを聞かれている」とそのまま受け止め、「終わってないよー」と返事をしました。

 怒りとは「被害を受けている」と感じた時に反射的に発動されるものです。心の傷やトラウマを癒やすことは難しいことですが「自分は被害者だ」「いま被害を受けたぞ」と考えながら生活していくことは疲れるものですし、相手にとってだけでなく自分にとっても窮屈なものです。「被害」という感覚を少しずつでも捨て去っていくことによって、必要以上に怒ることは少なくなっていきます。

 

5. うつ病などの精神的な病気

 例えばうつ病になると、イライラしがちです。うつ病というと元気がなく落ち込んでいるというイメージがあるかもしれませんが、実際には、イライラが目立つ場合もあります。うつ病になるとエネルギーがなくなってしまうため、「怒り」などの感情がコントロールできなくなってしまう、と考えるとわかりやすいと思います。
 あるいは、双極性障害(いわゆる躁うつ病)で躁状態や軽躁状態になっているときにもとても怒りっぽくなります。「躁」と言うとご機嫌なイメージがあるかもしれませんが、頭の回転がとても早くなり、「自分はすごい」という気持ちになってしまうので、自分のペースについてこられない周りにイライラしてしまうのです。

 『「怒り」がスーッと消える本』水島広子・著

 
 あまりにも以前と違って怒りっぽくなったという場合、何らかの心の病を発症している可能性も視野に入れましょう。一人ではどうすることもできないことであれば医者にかかることも重要な解決策となります。どうしても制御できない怒りによって人間関係を壊してしまう前に解決されるのが望ましいです。

 
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