合理的に生きる。マイホームを買うと絶対に損をするシンプルな3つの理由

 自分の家を持っている人は偉くて、賃貸生活に甘んじている人は劣っている。そのような考え方は嘘であり幻想です。家というのは最も目立つ財産であるので「家を持っている=財産をたくさん持っている」と勘違いしがちであるだけです。

 高級車を乗り回している人がその維持費が仇となって破産してしまうことが往々にしてあるように、目に見える財産を持っている人がお金持ちであり優れているという考え方は一面的に過ぎると言っていいでしょう。この不安定な世の中において、私たちはそういった上辺だけの綺羅びやかさに惑わされることなく、堅実に、合理的に生きていくことが要請されます。

 で、マイホームの購入についてですが、賃貸と比較してどちらが優れているというのはありません。但し、どちらかと言えば持ち家の購入はリスクが高い選択であると言えます。

 本稿においては、マイホームの購入はやめたほうたいいという立場から、その理由を解説していくものです。

 

1. 持ち家を買うことは割に合わない投資である

 私たちの経済的目的は、自分で稼いだお金を効率的に運用していくことによって富を最大化していくことです。時には豪遊して散財するのも人生の楽しみのうちの一つですが、基本的には長い人生を計画的に生きることによって財政的な破綻を免れ、老後を安泰に暮らすことができるのです。

 であれば、賃貸生活を続けるか、持ち家を住宅ローンにて購入するかについても合理的に決定しなければならないということになります。得な方を選んだほうが富が最大化される、すなわちお金を無駄にせずに済むということです。

 持ち家を買うことは要するに不動産投資です。不動産を購入し、人に貸して家賃収入を得る代わりに、自分が住んでローン返済と家賃収入をチャラにするということに他なりません。それはつまり別の視点で捉えれば、その購入した物件を人に貸すことによって採算が取れないのであればそのマイホーム購入は損であるということです。そう考えれば、殆どのマイホーム購入は損であるとみなされるでしょう。

 「夢のマイホームが手に入る」という魅力的な勘違いによって、人は投資としては明らかに損をするであろう持ち家を購入してしまうのです。

 

2. 購入・維持のために莫大なコストがかかる

 あらゆる投資の中でも不動産投資はリスクの高い部類に属します。それは日本におけるバブル崩壊後の地価が下落し続けていることに加え、不動産の購入・維持には多額の出費が伴うことによります。

 
■不動産の維持・購入に伴うコスト
1. 購入した時点で中古に成り下がり、価値が大きく下がること
2. どうあがいても老朽化していくこと
3. 老朽化の末、20年後には無価値になること
4. 「固定資産税」「保険料」「リフォーム代」などの出費が避けられないこと
5. 取引するだけであらゆる莫大な手数料がかかること

 
 では、同じ投資でも株式投資の場合はどうでしょう。不動産と比較して見てみると、全くと言っていいほどコストがかからないことが一目瞭然です。下記に示してみます。

 
■株式投資のコスト(不動産との比較)
1. 購入しても株券は中古にならない
2. 株券は老朽化しない
3. 株券は少なくとも老朽化によって無価値になることはない
4. 株券を所有していても「税金」「保険料」「リフォーム代」はかからない
5. 株の取引におけるコストは証券会社に支払う手数料のみである

 
 もうひとつ、銀行の口座に預金しておくことも投資の一種と考えられます。同じ対照を下記に示してみましょう。

 
■銀行預金のコスト(不動産との比較)
1. 口座に預けたお金は中古にならない
2. 預金は老朽化しない
3. 預金は時間の経過に伴って無価値になることはない(ハイパーインフレを除く)
4. 銀行に口座を開いてお金を預けても「税金」「保険料」「リフォーム代」はかからない
5. 預金を引き出すために特別な手数料はかからない(他行ATMで取引する場合は別)

 
 このように見てみると、同じお金の運用するにしても不動産投資すなわちマイホーム購入は無駄なコストが多いことが明白に見て取れます。購入した不動産は黙っていても価値が下がっていく。であれば、銀行にでも預けて眠らせておいた方がよっぽどマシだと思えるほどです。

 このように、極端な比較として銀行預金と比較して現実的に考えてみれば、マイホーム購入にはコストばかりがかかってしまいメリットがあまりないことがわかります。

 

3. 「最終的には自分のものになるから得」の嘘

 持ち家が有利であるとする最大の論拠は「最終的には自分のものになる」というものです。長年に渡るローンを払い終われば、ようやくその家は正式な我が家になる。ここからは家賃がかからない。でも、賃貸生活者は一生家賃を払い続けなければらないから「賃貸は損で愚かな選択だ」という論理です。

 しかし、ようやく我が物になって月々の支払いが不要になったマイホームですが、全くコストがかからないというわけにはいきません。固定資産税や地震・火災保険は毎年支払い続けなければならないし、老朽化に伴う修繕費やリフォーム代も必至です。「ちょっと壁が剥がれてきた」程度の修繕であれば無視しても構いませんが、電気ガス水道のインフラ関係であれば直さないわけにはいかないのです。

 また、念願のマイホームのローンが完済して自分のものになった頃にはその不動産は老朽化の末に無価値になっていることは必然です。それに対して賃貸生活者は家賃を払い続けなければならないものの、新築の物件に住むことも可能なのです。

 つまり「持ち家 vs 賃貸」の問題は、ローン完済後は「無家賃でボロボロの家に縛り付けられる vs 家賃を払って自分好みの物件に住む」という構図になり、それはライフスタイルの問題であるとしか言いようがありません。

 ただ、人生は選択肢が豊富である方があらゆるリスクに柔軟に対応でき、融通が利きます。一件の家を拠点にしてその場所に縛り付けられなければならないことは自分の人生の可能性を狭めることにも繋がります。

 

まとめ:マイホーム信仰は既に崩壊した神話に過ぎない

 持ち家が有利であるとの喧伝は高度経済成長期に端を発するものです。その頃は不動産価格が天井知らずで上昇し続けていたので、持ち家を購入しローン完済後に売却しても充分な利益がもたらされ、その売却益でさらに新しい家を買うというマネーロンダリングが当たり前のように可能であったのです。

 本稿の参考文献である『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』(橘玲+海外投資を楽しむ会・編著)には次のような記述があります。

 夏目漱石の小説を読むとよくわかりますが、明治時代は、生涯を賃貸生活で終えるのが当たり前でした。(略)私たちは「持ち家こそが人生最大の目標」などと考えていますが、それはべつに永遠不滅の真理などではなく、たかだか戦後50年の間にかたちづくられた一片の妄想に過ぎません。

 持ち家か、賃貸か。そこに優劣や答えはありません。ライフスタイルや考え方の問題です。ただ一つ言えるとすれば、「持ち家神話」は既に崩壊しているのであり、不動産投資は高リスクな資産運用であるということです。

 合理的に生きるためには、そのような過ぎ去った神話、根拠のない信仰、業者による巧みなセールストークに惑わされずに、物事の本質を捉え続けることが極めて肝要です。

 
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