仮病における症状において「吐き気」は強烈な存在感を放ちます。
吐き気が仮病界において「破天荒さで右に出るものはいない」と言われていることは周知の通りであり、我々「仮病ドットコム製作委員会」においても仮病の双璧を「吐き気」と「発熱」としています。
吐き気は理屈ではありません。
「発熱」が数値という理屈をもって体調不良であることを伝達するのに対し、吐き気はそのインパクトによって「ものすごく具合が悪い」ことを理屈抜きに伝えるのです。
発熱が戦略家であるとすれば、吐き気は卓越した兵士です。ハンス・ウルリッヒ・ルーデルです。
吐き気で仮病をするメリットを見ていきましょう。
1. ものすごく具合が悪いと思わせることができる
嘔吐しつつあるというのは尋常ならざる事態です。
例えば「咳」なら風邪以外の「なんか喉に詰まった」場合にも出ますが、「吐き気」が「なんか喉の調子が悪い」などという軽い原因によって発動されることは殆どありません。
全ての吐き気・嘔吐は重篤です。
従って、こちらがやるべきことは「吐き気」というキーワードを示すだけでいいのです。
朝に上司に電話をかけて「吐き気がすごくて。休ませて下さい」と言うだけ。
早退であればトイレに20分程度篭った後、心配して声をかけてくれた同僚や上司に「吐いていました」と言うだけ。
ただそれだけで「ものすごく具合が悪い」「緊急性が高い」ということを示し、欠勤・早退をせざるを得ないと納得させることができるわけです。
「腹痛」や「発熱」と組み合わせることによって症状はさらに強烈なものとなりますので、吐き気・嘔吐だけでは物足りないと考える人はコラボをおすすめします。
2. 必ずしも嘔吐しなくて良い
それだけ強烈で緊急性が高いにも関わらず、症状が外部から見えないということも大きなメリットとして挙げられます。
すなわち、吐き気がするからといって、実際に嘔吐して見せなくてもいいということです。
ただ「吐き気がする」「さっきトイレで吐いてきた」と告げるだけでいいのです。
これは素晴らしい恩恵であると考えます。
風邪であれば咳をしてみせたりする演技が不可欠となりますが、そういった努力が全く不要なのです。
我々は、費用対効果の高いものを選択すべきです。
仮病界においてはそれを「仮病の努力対効果」と呼びます。
風邪のように、あれこれの演技をする努力を強いられながらも、緊急性が低く、「なんだ風邪か」と思われ、あまつさえバレやすい仮病は努力対効果が低いのです。
逆に、吐き気はただちょっと暗い表情で「吐き気がする」と言うだけ。それだけで大変な事態だと思わせ、心配を誘発し、「帰り給え」と言わすことができる。
吐き気は「努力対効果」の極めて優秀な仮病とみなすことができます。
3. あざとい演技が要らない
繰り返しになりますが、吐き気で仮病を取得する際には「吐き気がしてつらいので休ませて下さい・帰らせて下さい」だけで通用します。
過剰な言い訳・説明・演技の類は野暮なだけ。
全く無用であるどころか、吐き気という症状の強烈さ・ダイナミズム・破天荒さを損なう恐れがあります。
「吐き気」という言葉自体に説得力を含むものであると覚えておきましょう。
これも上述ですが、吐き気があるからと言って実際に嘔吐して見せなくても構いません。
嘔吐を見せられたところで相手も困るでしょう。
「嘔吐のコントロールもできない奴。社会人としてどうかと思う」と評判が下がる恐れも孕みます。
つまりは、実際に吐いてみせることは努力の無駄というわけです。
ただ、伝説と呼べるほどのインパクトを残すことにはなるでしょうから、あまりにも早退が認められない時やムカつく上司への腹いせにキーボードあたりに嘔吐してやるのも一興です。
退職するくらいの覚悟でやりましょう。
4. 吐き気の原因は不明のままで良い
全ての嘔吐に明確な原因があるわけではありません。
ストレスや食あたりらへんが主な原因でしょうけれど、後日出勤した際にその原因を周囲の人間に解説して回る必要は全くないということです。
相手も原因がはっきりとしないからといって不満がったり、仮病を疑ったりはしないでしょう。
原因不明の吐き気・嘔吐なんてよくあることだからです。
おおよそ嘘を付くとき、人はやたら詳しく喋る傾向にあります。
「何が原因だったの?」なんて聞かれても、「いやーそれがわかんないんすよねぇ」の一点張りで行きましょう。
別に相手は原因を知りたいわけではなくて、世間話としてなんとなく尋ねているだけですから、特に明確な答えなんて返さなくてもいいのです。
まとめ:吐き気・嘔吐で会社・仕事を休むのが効果的な4つの理由
・「吐き気がある」と言うだけで圧倒的説得力を持つ。
・必ずしも実際に嘔吐して見せる必要はない。
・余計な言い訳や演技は全く必要ない。「吐き気」という言葉自体に重みがある。
・原因は不明のままにしておいても構わない。
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