公共職業訓練は再就職のために必要な知識やマナーを身につけるための大変ありがたい制度ですが、毎日真面目に受講する人もいれば、気分で休んだりする人もいます。
私が通っていた職業訓練は、主にMicrosoft Officeのスキルを学ぶカリキュラムが組まれていました。20名のクラスで、男女比は半々程度、年齢層はバラバラでしたが、一名は「夜中にヨーロッパサッカーを観たいため、朝が起きられない」という理由で出席日数が足りずに早々と退校、一名は優秀な成績であったものの「来たくないときには来ない」というポリシーの元で出席日数ギリギリで修了していました。
私も適当に休みながら、修了しました。
職業訓練は行政の管轄の元で細かなルールが決められています。極めて公務員的なルールです。従って逆に言えば、そのルールを知り、取り決めに則って休むことが肝要であるということです。難しいことではありませんし、休んだからといって怒られたりしません。
公共職業訓練に通っている、あるいは入校したいと思っている人の中には、失業手当受給の延長を目的にしている場合もあると思います。失業手当の受給期間内にハローワークにて申請し、公共職業訓練に入校することができれば、受講期間は、無条件で失業手当が給付され続けます。全くもっておいしい話です。
もちろん、職業訓練の目的は、受講者の円滑な再就職にあります。失業手当の給付期間の延長は、その受講期間に生活に困らないように安心して学べるための配慮ですから、その職業訓練を私利私欲のために休むなんて言語道断、という意見もあります。
でも、休みたいんだから仕方ない。
以下、私の経験による公共職業訓練の上手な休み方を掲載していきます。あくまでも、私が通っていた場所での場合であるので、細かなルールについては各職業訓練所や都道府県によって差異があるかもしれません。
欠席について
全受講時間のうち8割以上の出席を要する
公共職業訓練では、全訓練時間のうち、欠席が2割を超えると退校処分になります。8割以上の出席が見込めなくなった時点で、即退校扱いとなりますから注意しましょう。
つまり、極端に言えば、開講日が99日だとして、最初の20日を欠席してしまうと、残りの授業を受けることなく退校させされるということです。
出席・欠席は授業のコマ数で計算されます。従って、毎日訓練校に来ていたとしても、遅刻や早退が多い場合、出席日数が足りなくなる恐れがあります。
あまりにも欠席が多い場合、当該職業訓練校から「あとこれだけ欠席すると退校になるから、頑張って出席するように」とお達しがあります。
たくさん欠席したい場合、計画的に休むようにしましょう。
また、職業訓練校によっては、ひと月の中でも8割以上の出席率を要するという場合もあるようです。入校時に必ず説明がありますので、よく確認しておきましょう。
欠席の連絡
欠席する場合、朝に当該職業訓練校に電話にて連絡する必要があります。こちらから連絡しなかった場合、電話がガンガンかかってきます。
欠席しても怒られるようなことはありませんので、ちょっと休みたいなという際には、適当に「風邪です」とでも言っておきましょう。怒られたり、詮索されるようなことはありません。
欠席日は失業手当は出ない(例外あり)
基本的に、欠席した日の失業手当は給付されません。例外については後に挙げます。
また、一般に失業手当は土日祝日を含め、毎日給付されます(振込は月に一度)。職業訓練校に入校していて失業手当を給付される場合ももちろん土日祝日は給付対象なのですが、その土日祝日の公休日を挟んで欠席してしまうと、その挟まれた土日祝日分も給付対象外になってしまうので注意が必要です。
つまり、「金欠席・土公休・日公休・月出席」であれば、給付対象外なのは金曜日だけで土日分は給付されます。しかしながら、「金欠席・土公休・日公休・月欠席」としてしまうと、まるまる四日間の失業手当が給付されないことになってしまうのです。
これは大変重要なことですので、是非とも覚えておきましょう。失業中であればお金は大事ですので、戦略的に休むようにしたいです。
欠席でも失業手当が給付される例外
病気やケガ −受診の証明が必要
病院を受診するとの理由で欠席した場合、その際の領収証を提示することで、欠席でも失業手当の支給対象となります。領収証がないとだめですので、必ず受け取り、捨ててしまったりしないようにしましょう。
風邪をひいて家でうなされていたという場合、どう頑張っても給付対象外です。失業手当を確保したいのであれば、多少つらくても病院に行くようにしましょう。
逆に考えれば、病院に行きさえすれば失業手当が給付されるということです。病院の受診料よりも失業手当の方が多い場合、職業訓練を休みながらにして失業手当を正当に受け取ることができます。
なんとなく休んでしまったけれど失業手当は欲しい、という場合の裏技として使えそうです。
具合が悪くなくとも構いません。とりあえず病院に足を運びましょう。「朝、頭が痛かったのだけれどロキソニンを飲んだら直った」とでも医師に告げておけば、それなりの診察をしてもらえます。
休んだ次の日に登校した際に、事務所にて、氏名、欠席理由等の簡単な書類に記入、証明書の添付、捺印をすれば手続き完了です。
その他のやむを得ない理由
欠席しても手当が支給される例外、つまり、「やむを得ない理由」に該当すれば失業手当は支給されます。上記の「病気やケガ」もやむを得ない事情のうちのひとつです。
この「やむを得ない理由」については、きちんと規則があり、それに則って処理されます。
例えば、結婚式への出席は友人のものについては支給対象外です。親族の結婚式のみ「やむを得ない理由」として認められます。
遠い親族の死亡についても、「6親等以内の血族、3親等以内の姻族」が死亡した場合に認められる欠席は「1日だけ」で、「死亡診断書の写し、会葬礼状、続柄を証明できるもの」の提出を要する、と規定されています。細かいです。
参考までに「やむを得ない理由」を下記に挙げておき、参考サイトも掲載しておきます。
病気やケガ
病気やケガ(連続14日以内)
就職選考への参加
国家試験や検定等の受験
結婚式・新婚旅行(連続14日以内)
親族の看護
親族の結婚式・葬式への出席
父・母・子・配偶者の死亡(休校日を含む7日以内)
祖父・祖母・孫・兄弟姉妹の死亡(休校日を含む3日以内)
配偶者、3親等以内の血族又は姻族の命日の法事
子弟(中学生以下)の入学式や卒業式への出席
遅刻・早退
失業手当は満額支給の奇跡
驚くベきことに、遅刻や早退によって失業手当が減額されることはありません。たった一時間だけでも授業を受ければその日は満額で支給されます。ミラクルです。
私が通っていた職業訓練校でも、これを知った者たちの中では遅刻・早退が横行したものでした。
職業訓練校の授業は、学びのスピードが遅い人に合わせてなされ、全員が資格を取得するために行われるので、要領のいい人にとってはどうしても退屈になりがちです。
従って、どうしても帰りたくなってしまうのですが、上記したように遅刻・早退をしすぎると出席数が足りなくなってしまう場合もありますので、これも計画的に行いましょう。
職業訓練校によっては罰則ありか
私の通っていた職業訓練校では遅刻・早退に対するペナルティは特にありませんでしたが、各職業訓練校によって失業手当の返還を求められることもある、との情報もあります。
また、私用での遅刻・早退は認められていません。遅刻・早退をした/する際には、事務所にて書類への記入を求められますが、その中には理由を書く欄もあります。当然ながら、「友人と遊ぶため」と書くわけにはいかないので、急に帰りたくなった場合、「体調不良」「ガス会社の立ち会い」などと記入することになります。
それでも、なかなかすんなりと帰らせてはもらえないものです。「もう少し授業を受けていくことはできないのか」「できません、帰ります」との問答を5回くらい繰り返してようやく帰れたという人もいましたし、寝坊による遅刻を繰り返していた人は厳重注意を受けていましたから、ほどほどにしておくのが良いでしょう。
ちなみに、通院による遅刻・早退ならすんなりと認められます。
まとめ
・欠席率が2割を超えると即退校処分となる。それでは元も子もないので、計画的に欠席しよう。
・公休日を挟んで欠席すると、失業手当受給額が劇的に減るので、なるべく避けよう。
・通院による欠席は失業手当受給対象内なので、休むなら仮病でもいいのでなるべく病院に行こう。
・遅刻や早退は失業手当減額の対象にはならない。
・私用での遅刻や早退は認められないので、「体調不良」「ガスの点検」など、策を練って臨もう。
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