【禁酒1ヶ月】アルコールをやめる鉄壁の方法。最新の薬物依存治療アプローチを応用する

 10年以上習慣となっていた晩酌をやめたのでした。一口飲むとついつい泥酔するまで飲んでしまい、次の日に具合が悪くて頭も回らないのを改善するためです。

 知り合いには「タバコはすんなりやめられたけれど、お酒をやめるのは難しい」と言う人もいますが、個人差があるようです。私の場合は禁煙も経験していますが、どちらかと言えば禁煙のほうが難しくて苦しく、アルコールはすんなりやめられました。

 
 アルコールは中毒性のある薬物です。その依存性は軽度の違法薬物よりも高いと言われています。

 ということは、習慣となっている晩酌をやめるためにはエビデンスに基づく最新の薬物依存治療の手法を応用することで、アルコールの呪縛から効果的に解き放たれる可能性があることを意味します。お酒がやめられないのはアルコールに依存性があるからであり、努力不足や意志が弱いせいではありません。自らを責める必要なんてない。肝要なのは正しく治療することです。

 以下、最新の薬物依存治療の手法が紹介されている『入門 犯罪心理学』(原田隆之、ちくま新書)から5つのポイントを紹介していきましょう。私はこれですんなりやめられました。(ちなみに、飲み会などでは飲みます。あくまでも「習慣となっている晩酌をやめる」というのが本稿の論旨です)

 

1.「引き金」に対処する

 習慣となっていることをやめるのが容易でないのは、日常生活の中に「引き金(トリガー)」があるからです。毎晩お酒を飲む人は「仕事を終えて家に帰ってくる」ことが引き金となって「さあ、晩酌の時間だ」と脳が反応し、お酒を飲みたくなります。

 この引き金は人それぞれです。仕事終わりでしかお酒を飲まない人は休日にお酒を飲みたくなることはあまりないでしょうし、毎晩9時頃にはいつも酔っ払っている人は夜が更けることがトリガーとなって毎夜お酒を飲みたくなるでしょう。

 この「引き金」を回避することがまず私たちにできる最初のことです。

 具体的には「お酒を家に置いておかない」「コンビニに寄らない」などが挙げられるでしょう。

 

2.「死人のルール」を活用する

 それでも夜が更けてくると退屈になってくるものです。いつもならほろ酔いでふわふわいい感じになっているところなのに、私たちはお酒をやめてしまった。手持ち無沙汰のような、退屈のような感じがし、さらには幸福感が下がったような気さえしてきます。

「コンビニに寄らない」ことが対策の一つであると上述しましたが、今やコンビニなんて徒歩圏内にあることが珍しくないでしょう。従って、飲みたいと思ったらすぐに買ってくることができてしまうのです。で、今日も飲んでしまった、となる。

 そこで有効な考え方に「死人のルール」があります。「お酒を飲まないこと」や「お酒を買ってこないこと」などの「〇〇しない」というのは死人でもできること。私たちは生きている人間ですので、死人にはできない対策をする必要があるということです。

 具体的には、退屈な時間を積極的に何かで埋め合わせることです。気分転換に散歩をしてもいいでしょう。私の場合はテレビゲームに熱中して気を紛らわせました。どうしてもアルコールが欲しくなる前にさっさと寝てしまうのも有効な戦略です。

 

3. ネガティブな認知を修正する

 私たちには一人ひとり考え方の癖があります。毎晩晩酌をしていた人であれば「お酒のない人生なんて不幸だ」「仕事終わりの一杯が堪らないんだよなぁ」「酒は明日への活力源だ」などと考えがちです。で、その思考を引きずったままお酒をやめるとなると、心に穴が空いたような気がしてしまうことが往々にしてあります。

 だけど、よく考えてみれば世の中にはお酒に強いにも関わらず晩酌を習慣としていない人もいるわけですが、彼らが不幸であるなんてことはありません。明日への活力がないわけでもありません。

 そう考えれば、「お酒のない人生なんて不幸だ」「仕事終わりの一杯が堪らないんだよなぁ」「酒は明日への活力源だ」という考え方のほうが誤っているのではないかと思えてきます。この誤っている考え方の癖を「認知の歪み」と言います。

 お酒をやめてから1週間〜1ヶ月程度は、毎晩退屈が襲来します。「本当に酒をやめて正解だったのか?」「暇すぎて幸福度が下がった気がする」と思いがちになります。ですが、そういった思いは「認知の歪み」から来るものです。

 特にアルコールは少なからず依存性があるものですので、どうしても飲みたくなってしまうことがあります。だけど「考え方の癖=認知の歪み」を知ることによって、必要以上にお酒をやめることに対してネガティブにならず、客観的な視点で自分の感情を捉えることができるというわけです。

 具体的な方法としては、前述の通りに「お酒を飲んでいない人も世の中にはいて、彼らが不幸なわけではない」と考えることで認知の歪みを修正できるように思います。視点を変えて「お酒を飲まないと幸福感を得られないなんて不幸だ」を捉えるのも効果的です。

 

4.「シロクマのリバウンド効果」を覚えておく

「ゲームなんてしてないで勉強をしなさい(とか、本を読みなさい)」と言われてゲームを取り上げられると、ますますゲームがやりたくなって、逆に勉強や読書なんてしたくなくなった、という経験がある人もいるかもしれません。これは子供だけが陥る思考ではなく、また、他人から「〇〇するな」と言われた時にだけ発動される反発心でもありません。

 自分の心の中で自分自身に対し「〇〇してはいけない」と強く念じることによって、逆に「〇〇したくなってしまう」という逆説的な現象が起きてしまうことが研究によって明らかになっています。これを「シロクマのリバウンド」効果と言います。

「今から1分間、何を考えてもいいけれどシロクマのことだけは絶対に考えないで下さい」と被験者に伝え、1分間を計ります。すると被験者は、シロクマのことを考えるなと自分自身に念じれば念じるほどシロクマが思考に介入してきてしまうのです。つまり、考えたくないことがある場合「考えるな」や「忘れよう」と努力をすることは何の意味もないどころか、逆にいつまで経っても忘れられなくなってしまうことにもなりかねないというわけです。

 
 ここからわかることは、お酒をやめたあなたが飲みたくなった時にすべきことは「お酒のことを考えない」ことではないということ。むしろ、「お酒を飲みたい自分を認める」ことが重要になってきます。ベストセラー『スタンフォードの自分を変える教室』著者のケリー・マクゴニガル氏は、そんな時には2つの対処法があるとしています。

・「15分経ってもまだ飲みたかったらお酒を買ってこよう」と考える。「お酒を飲んではいけない」とは決して考えないこと。大抵の場合、15分も経つとさほど飲みたくなくなっている。

・昨日と同じことを今日も続けるだけと考える。また、今日と同じことを明日も続けるだけと考える。ここにも「飲んでは駄目」というネガティブな思考はなく、「昨日も今日も明日も続ける」というポジティブな動機によって継続が促される。

 

5. 渇望に対処する

 どうしても飲みたい!という衝動が突如としてやってくることもあります。その渇望はお酒を飲まないと決めた最初の日、1週間後、1ヶ月後など、あらゆるシーンで襲来するのが厄介です。ストレスが溜まったときや一つの大きな仕事をやり終えた際なども衝動に駆られることがあります。

 本稿の論旨は「飲酒の習慣をなくす」というところにあり、例えば「自分へのご褒美として今日だけ飲む」とか「臨時収入があったから高価なウイスキーを一本だけ空ける」という分別ある飲み方ができるのであれば構いません。飲酒は個人の趣味嗜好ですので「飲酒=悪」ではありません。

 ただ、何らかの事情でどうしても飲みたいという渇望に対処しなければならないこともあるでしょう。ここでは渇望への3つの対処法を挙げて本稿を締めくくりたいと思います。

1. どんな渇望も15分以上続かない

「どんな渇望も15分以上は続かない」ことが心理学的に確かめられています。飲みたい衝動に抵抗することは苦しいことですが、たったの15分後には雲散霧消しているということ。飲みたい苦しさが永遠に続くわけではないことを覚えておくことで、飲みたい衝動にひれ伏してしまう可能性が低くなります。

 また、上でも挙げましたが「15分経ってもまだ飲みたかったらお酒を買ってこよう」とポジティブに考えることは有効です。恐らく15分後には「いや、そんなに飲みたくないな」と思っているはずです。

2. 思考ストップ法

 要するに気を紛らわせることです。飲みたい渇望に駆られたら、例えば「シャワーを浴びる」「冷たい水を飲む(意外と有効です)」「散歩をする」「テレビをつける」「ゲームをする」「読書をする」「寝る」など、別のことに集中してみましょう。できれば自分が好きで熱中できることが望ましいです。

3. 渇望サーフィン

 瞑想やマインドフルネスの手法です。「飲みたいけど飲んではいけない」と考えるのではなく、飲みたい気持ちに焦点を当てて集中すること――飲みたい渇望を、寄せては返す波のようにイメージして、その波に揺られている様を思い描く――で、渇望は次第に弱まり消えていくことが実証されているようです。

 私は瞑想・マインドフルネスはやや苦手なので実践したことはないのですが、効果の高い方法であるとのことです。

 
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