大人になりたくない青春ゾンビに捧ぐ。仕事を休んで見たいアニメ7選

月がきれい

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心が洗われる作品です。清い。

文学少年の男の子と陸上部の女の子の中学時代の恋愛を描いた作品。本作の好きな点は、例えばスクールカーストなどの負の事象が物語を彩ることなく、二人のあどけなくもピュアな機微に焦点を絞っているところです。視聴後もずっと印象に残り続ける。最終話はかなりエモい。

私はアニメの中でも高校を舞台にした作品が好きで、中学校や小学校モノはどちらかというと苦手だったのですが、『月がきれい』はそんな先入観を打ち砕くきっかけとなる作品となりました。先入観だけで作品の優劣を峻別するのは良くないなと反省しきりです。

アニメーションも終始安定したクオリティで素晴らしい。心が荒んでいるなと感じているあなたにおすすめです。

 

秒速5センチメートル

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『君の名は。』でお馴染みの新海誠監督作品です。「『君の名は。』に感動したからといって安易に同じ監督の『秒速5センチメートル』を見ると打ちのめされる」との意見多数。

『君の名は。』がドラマティックでファンタスティックな大衆受けする感動作であるとすれば、『秒速5センチメートル』は徹底したリアリズムで心を抉るダークサイドの感動作と言えるかもしれません。大人になった僕たちは一体何を手にして、何を失ったのだろうか。なくしたものは取り戻せるのか、それとも日常に埋没していくしかないのか。

淡々と物語は進んでいき、明確な答えが示されるわけではありません。これは日本に1億人くらいいるであろう平凡な私たちのための物語。だからこそ打ちのめされるし、『君の名は。』の陰に隠れることなく根強い人気を誇り続けている。

 

中二病でも恋がしたい!

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良い意味でのタイトル詐欺です。こういうラノベ系の安直なタイトルは避けてしまうかもしれないけれど、先入観を排してこれだけは見ておけ。唯一無二。

社会に出ると「大人になれ」と常套句のように言われる。私も言われたことがある。そう言う意味で中二病というのは「究極の子供」とみなすことができるかもしれない。だけど、それがどうした。なぜ大人にならなければならないんだ。

『中二病でも恋がしたい!』は単なるラブコメではありません。中二病を捨てて大人になりつつある主人公が中二病を取り戻す様を描いた芯のブレない感動作です。特に第11話は心の底から泣いた。「大人になること」と「子供のままでいること」の葛藤が、心の中の子供の部分に突き刺さる。

大人になりつつあるけれど最近何だかつまらないなと思っている人におすすめです。心の穴が埋まる。

 

ゲーマーズ!

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全く期待せずに見始めたのだけれど、これが伝説級におもしろかった。ダークホース。

『ゲーマーズ!』というタイトルだけれど、ゲームに熱中する様を描いた作品ではなくて、すれ違いまくりを描いた究極のラブコメ作品。特に第6話は腹を抱えて笑った。こういうのが好き。ゲームに興味がなくても見れます。常に予想を裏切ってくる斜め上の展開。

多くを語るのは野暮ってものでしょう。ラブコメ好き、大笑いしたい人におすすめです。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続

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『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(俺ガイル)は大好きな作品で、ここに紹介している中でも最も繰り返し見た作品です。そもそも私は映画でも小説でも一度見た作品を見返すことは殆どないのですが、これについてはほぼ唯一の例外。特に『続』(二期)のほうは10回以上は見ている。

タイトルに騙されないで見て欲しい。私も「ふざけたタイトルだな」と思いながらも、評価が高かったので見てみて大正解。文学性が高いと言いますか、単純に善悪で割り切れない機微がここにある。誰かにとっての正しさは、時に誰かの首を締め付ける。誰かのことをわかったつもりでいて、実は何もわかっていない。間違った青春はどこに行く。

ラブコメとしても秀逸であるし、全てが語られ切られていないので考察のし甲斐がある。難しい話ではないけれど、考えさせられるところがたくさんある。青春に何か忘れ物があるような気がしているひねくれ者の青春ゾンビにはうってつけの作品。さあ、君もゾンビになるのだ。

 

SHIROBAKO

shirobako

大変に人気の高いお仕事アニメ。アニメ制作の現場を生き生きと描いた作品。2クールものなので1日で見終えるのが厳しいかもしれない。

けれど、本作は本当におもしろい。何がおもしろいのか説明するのはなぜかすごく難しくて、自分でもその言葉を持たないのがもどかしいほど。「とにかく見ろ、12話くらいまでは見ろ」としか言うことができない。ミステリーになっているとかではなくて、この魅力を伝えるのに私の語彙力と表現力では足りないだけの話。

第1話に出てくる太郎という調子のいいクズ野郎が不快で一度は1話切りしてしまったのだけれど、それでも評判が非常に良いので改めて見続けたという次第。1話切りしなくてよかった。

「仕事を休んで仕事のアニメかよ」と思われるかもしれない。だけど、見始めたら「まー、自分も明日から頑張るか」と思えるに違いない。その頃には同時に「SHIROBAKOを1話切りしなくて良かった」とあなたは思っているでしょう。

 

Just Because!

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青春アニメの新たなるスタンダード。中学時代を舞台にしたラブストーリーなら『月がきれい』、高校時代なら『Just Because!』で決まり。上に挙げた『ゲーマーズ!』はラブコメ群像劇だったけれど、こちらはコメディ要素低め、エモ度高めの群像劇となっています。

物語の始まりが高校3年生の3学期というところがとても良いと感じています。高校時代、残すは数ヶ月。はしゃぎながら終わりを待つだけの日々の中でドラマなんて起こるはずがない。しかし『Just Because!』では静かに何かが起こり、何かが変わる。嗚呼、青春。

そして、リアリティがある。例えば、登場人物たちが繰り広げる群像恋愛劇の中においては、おそらく意図的に「好きになった理由」が描かれない。思えば、私たち自身を振り返っても誰かを好きになるために明確な理由はなかったはず。「転んだところに手を差し伸べてくれて胸キュン」みたいなものは作られた物語の中にしかないと思う。

とにかく上質でよく練られた脚本・演出が秀逸な作品です。一見地味な作品だけれど、期待を裏切らないことを約束しよう。

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