アニメ『ハッピーシュガーライフ』はコメディだと思えばおもしろく見られる説を解説する

2018年夏アニメの中で、最も好き嫌いがわかれそうな作品が『ハッピーシュガーライフ』である。まず、視聴前には百合・ロリっぽさが人を選ぶだろうし、1話視聴後にはサイコホラーっぽさが人を選ぶだろう。数話見れば登場人物のほぼ全員が狂人であることに辟易してしまうかもしれない。

私は3話を見終わった辺りで見るのをやめようかと思った。上にも述べた通り登場人物のほぼ全員が頭がおかしいのであり、リアリティもへったくれもないと思ったからである。主人公であるさとうから炸裂するわけのわからない独白「愛」だの「甘い」だの「苦い」だのもよく理解できなかった。

だけど。待てよ。このハッピーシュガーライフ。見方を変えれば相当おもしろいんじゃないか、と気づいた。

 

狂った登場人物(第5話まで、ネタバレあり)

松阪さとう…主人公の女子高生。下に述べるしおを監禁、二人きりの幸せな生活を維持するためならどんなことでもできる。人殺しさえも厭わない。目玉をくり抜いたりする。狂っている。

神戸しお…さとうに監禁されている少女。さとうのことを信頼している。何らかのトラウマがあるらしく、第4話あたりで押し入れにわけのわからない絵を書くなど、ちょっと狂気な一面が垣間見える。

神戸あさひ…おそらくしおの兄で、チラシを撒くなどしてしおを捜索している。今のところまともな登場人物。

三星太陽…さとうのバイト仲間。たまたま街で見かけたしおの捜索チラシを見て欲情、部屋にしおのチラシを大量に貼りまくっている。狂っている。

飛騨しょうこ…さとうのバイト仲間。最もまともな登場人物。

北理川大地…さとうの学校の学年主任。表向きは人気教師だが、裏の顔はドMのド変態野郎。さとうに弱みを握られ、死体の処分(と思われる行為)を手伝わされても尚、さとうに歪んだ好意を向けている。狂っている。

宮崎すみれ…さとうのバイトの後輩。さとうのことが好きでロッカーを勝手に漁っている。ピュアな感情からなのかもしれないけれど、その描写は結構狂っていた。

 

ハッピーシュガーライフは「群像ナンセンスコメディ」

というわけで、主要な登場人物が殆ど狂っている。上では挙げなかったけれど、さとうの保護者やしおの保護者もまともではないことが示唆されているので、正確には狂気率は更に高い。

ひとつの街にこれだけたくさんの狂った者が生息していて、その狂人たちが出会って物語を紡いでしまうなんてリアリティがない。私は普通の人物の普通の話が見たいのだ。だから、見るのをやめようかと思った。

だけど。このハッピーシュガーライフ、ナンセンスコメディとして見ればおもしろいんじゃないかと思ったのである。サイコホラーではなく、コメディ。愛の物語ではなく、ナンセンスな物語。さとうを主人公にした物語ではなく、狂人たちの群像劇。

ナンセンス(nonsense)
[名・形動]意味をなさないこと。無意味であること。ばかげていること。また、そのさま。ノンセンス。

デジタル大辞泉より

 

ハッピーシュガーライフがナンセンスコメディである3つの証拠

私はハッピーシュガーライフを貶めようとしているのではない。むしろ、このように見るとおもしろく見ることができるのではないかという方法論を提示したいと思っている。なぜならハッピーシュガーライフはおもしろいからだ。

1. 反社会性を正当化していてもクレームがつかない

さとうはえげつない犯罪者である。愛の名の下に誘拐し、殺人さえ犯し、全く良心の呵責を感じていない。正真正銘のサイコパスである。

テレビ朝日で放送が予定されていたテレビドラマ『幸色のワンルーム』について「誘拐肯定ではないか」などと一部からクレームがついて放送中止になったことは記憶に新しい。にも関わらず、それよりもえげつない『ハッピーシュガーライフ』については好き嫌いの議論はあれど「誘拐肯定ではないか」というクレームがついているとは聞いたことがない。

これは、ハッピーシュガーライフがあまり注目されない深夜アニメであることに加えて、ナンセンスコメディだからであると考えることができる。ナンセンス(無意味)だから、それに対するクレームも無意味。ハッピーシュガーライフは世に何かを問うような作品というよりは、そのナンセンスさを純粋に楽しむ作品なのだ。

 

2. プロットが破綻していても物語は驀進する

第4話、さとうは自らの幸せを脅かす存在の目玉をくり抜いて殺害する。こんなに猟奇的な事件が起きているというのに、その事件が大々的に報道されている様や、さとうが警察に目をつけられるシーンは全く出てこない。明らかに意図的に出てこない。

その他にも、どう考えても無理があるだろという設定やストーリーの流れ、プロットの破綻があるにも関わらず、物語はお構いなしに驀進する。なぜ驀進することができるのか。この物語は寓話であり、ファンタジーであり、ナンセンスであり、コメディだからである。

吉本新喜劇について「プロットが破綻してるぞ」とクレームが付くことはない。そんなことはどうでもいいからである。同様にしてハッピーシュガーライフにも「プロットが破綻してるぞ」とクレームを付けることはナンセンス。そんなことは笑いの前にはどうでもいいことだからである。

 

3. 笑わそうとしているとしか思えなくなってくる

ハッピーシュガーライフがコメディであると認識できると、全てのシーンが笑えるようになってくる。

さとうの言う「愛」「苦い」「甘い」という一見意味不明な台詞も「なんだそれ」と深く考えずに意味不明なままに笑い飛ばせるようになる。次々と出てくる狂気に満ちた変態的な人物も「また出てきた」と腹を抱えることができるようになる。私も見ながら「そっちかよ」「なんでだよ」と何度笑ったことか。一度は見るのをやめようと思っていた私も、今では「次はどんな仕掛けで笑わせてくれるのだろうか」と毎週楽しみにしているくらいである。

そもそものOP曲(ナナヲアカリ)もコメディタッチの秀逸な曲じゃないか。

 
ハッピーシュガーライフを「わけわかんない」と途中で切ってしまった人は「これはナンセンスなコメディだ」という視点でもう一度見て欲しいと思う。もしかしたら楽しめるかもしれない。

ちなみに、私はハッピーシュガーライフをAmazonプライムビデオで見ている。毎週土曜日更新である。

 
ハッピーシュガーライフ公式サイト:http://happysugarlife.tv/

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