腹痛という症状も「症状が外から見えない」という仮病をする上での最高の理由があるわけですが、深刻性としてはやや弱いというのが実情です。
ですが、全ての弱点は補完しうるものです。安心して下さい。
また、仮病のバリエーションの一つとして覚えておいて損はないでしょう。
要請されることは戦略の幅広さです。我々は仮病界の諸葛孔明を目指すべきである。
腹痛で仮病をするための戦術について見ていきましょう。
腹痛は2種類に分けられる
腹痛は「深刻性の高い腹痛」と「深刻性の低い腹痛」の2種類に分けられます。
深刻性の高い腹痛(仮病)
深刻性の高い腹痛とは、盲腸・ウイルス性感染症・食中毒・その他消化器官の不調などを指します。
緊急性の高さ故に病院での治療を要するものです。
高確率で休みを取得することができる上に連休の取得も容易ですが、同僚から「お見舞いに行きたい」とか、復帰後に「診断書を提出せよ」と言われると厄介です。「大変だったね、もう大丈夫なの?」とかあれこれと聞かれるのも面倒というわけです。
深刻性の低い腹痛(仮病)
水の飲み過ぎ・急に冷えたものを食べた・魚に当たった・賞味期限切れのものを食べてしまったなど、病院に行くまでもない腹痛です。
腹痛と言うと、暗に「下痢」の存在もほのめかすことになります。
一日だけ休むのには適していますが、パンチが足りない感があります。
つまり「腹痛や下痢くらいで休むなんて」と非難されかねないというわけです。
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殆どの場合、我々は「深刻性の低い腹痛」を仮病にでっち上げることとなると思いますが、それではちょっとインパクトが足りない感があるのです。
かと言って「深刻性の高い腹痛」の演技をしてしまうと、病院に行って来いと言われてしまう。
疑われても困るし、心配されすぎても困る。
腹痛の仮病はバランスを取るのが非常に難しいというわけです。
なぜ腹痛にはインパクトが足りないか
腹痛はすぐに治ると思われている
深刻性の低い腹痛は数時間もすれば治ることを誰もが知っています。
なので腹痛は「仕事を終日休む」とか「早退する」というレベルのものではないために、「腹痛くらいで休むなんて」とみなされる危険があります。
腹痛はトイレさえあればいいと思われている
要するに腹痛とは「痛い」ことと「下痢(トイレに頻繁に行く必要がある)」が併発される病気です。
言ってしまえばただそれだけ。
耐えられないほどの痛みが迸る腹痛の演技をすれば「救急車、呼ぶかい?」と言われてしまうし、かと言ってそれほど深刻ではない演技をして帰ろうとすると「帰ることはないだろう。トイレに篭って治るのを待てばいいのに」と思われてしまうわけです。
腹痛は自己管理の怠慢によるものと思われている
腹痛は自己責任論として語られがちです。
頭が痛い症状がストレス・うつの心配をされるのとは大違いで、お腹が痛いに対しては「何か悪いものでも食べたんだろー」となるわけです。
自分で自分の体調管理を怠った結果であるにも関わらず、会社に迷惑をかけて欠勤・早退するとは何事だと思われがちであるということです。
腹痛を仮病する場合の注意点と戦略
上記から勘案して、腹痛で仮病をしていくための戦略は3通りあります。
1. 深刻性の高い腹痛で強行突破する
「病院に行ったら〇〇と診断されたので治るまで休みます」と嘘をでっち上げて強行します。
「診断書を提出せよ」と言われても「書いてくれなかった」の一点張りで押し切ります。
闘病生活について聞かれたら適当に「つらかったよー」とでも答えてあしらいます。
バレた際のリスクはかなり高いですが、バレない自信があるなら使ってみてもいいでしょう。
強い気持ちと高い演技力、臨機応変さなど人間の総合力が求められるので、成功した人は将来大物になれるかもしれません。
2. 他の症状と組み合わせて相乗効果を狙う
おすすめはこちらです。
単なる腹痛では弱いなら他の症状を巻き込んでみましょうということです。
「腹痛+吐き気」「腹痛+熱」あたりが現実的で信憑性が高いでしょう。
腹痛+吐き気
吐き気は最も緊急性の高い症状のうちのひとつであり、あらゆるシーンにおいて非常に有用ですから覚えておきましょう。
腹痛と吐き気をコラボレーションさせることによって消化器系の何かがやられたことを相手にイメージさせることができ、上から下から液体がアレになって盆と正月が一緒にやって来た繁忙てんやわんやええじゃないかの大騒ぎというわけです。
欠勤であれば「トイレから出られない」とトイレから電話する。
早退であればトイレから20分くらい帰ってこないだけで大きな効力を吐っ気することができます。
従って、腹痛 feat.吐き気は自信を持って推薦できるものです。
腹痛+熱
腹痛と熱を組み合わせることによって闘病している感を演出することができます。
熱でだるいにも関わらずトイレにも行かなくてはならないシーンは壮絶であり、上司も目を覆いながら「休み給え」と言ってくれるでしょう。
熱については「37.9℃以上」の温度を申告することによって緊急性・深刻性・信憑性がグッと上がりますから覚えておきましょう。
社内でも「あの腹痛と熱がタッグを組んだ」と話題騒然となりチケットは即日完売となるでしょう。
3. 駄目で元々でほのめかしてみる
少々気が弱くてバレるのが非常に不安だという人は、朝「ちょっとお腹が痛くて…すぐ治ると思うんですけど今はちょっと…出勤できるようななったらすぐ行きます」と牽制してみるのはどうでしょう。
そこで上長が「わかった。急がなくていいから落ち着いて来たまえ」と言ったら適当に遅刻して行けばいいし、「そうかい、今日は暇だろうからゆっくり休みなさい」と言ってくれればラッキー、そのまま休めばいいわけです。
早退したいという場合には前述の「トイレから20分出てこない作戦」を使いましょう。30分でも1時間でも構いません。
それだけ長時間帰ってこない上にげんなりした表情で戻ってくれば「大丈夫?」と誰かが声をかけてくれるでしょうから、「実はお腹が痛くて」と切り出してみましょう。
運が良ければ早退できますし、早退できなかったとしても気遣ってくれるくらいのことにはなります。
その時に欠勤・早退できなかったとしても「具合が悪いのに仕事をした人」という称号は与えられます。
お楽しみは次の仮病の機会までにとっておきましょう。
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