当サイトの過去記事でしばしば引用させて頂いていますが、ライオン株式会社が2011年に行った調査によれば、「あなたがかぜをひいた時、損したと思う金額はいくらですか」という質問に対して、全国の20代~50代男女有職者1,000人の回答は平均で21,720円になったとあります。
内訳としては、「会社などを休んだ日の日給」、「体調不良による仕事や家事の効率低下」、「薬の購入代とその手間」などが挙げられたそうです。
風邪の損失はリアリズム
風邪をひくと、あるいは体調不良に陥ると、私たちは皆、何だか損をした気分になりますね。この調査が示しているのは、それがただの気分だけの問題ではなく、きちんと金銭的に勘定できるということです。
私たちが何だか損をしていたように感じていたファンタジーのようなものは、「まさに損をしていた」というリアリズムだったということです。
ここで我々が目指すのは仮病ですから、上記の調査結果とは勘定の仕方が異なってきます。従って、「損をしたと思う金額」の計算結果も違うものになるでしょう。
要素をひとつひとつ検証していきましょう。
風邪と仮病のコストの検証
損失要素1. 「会社などを休んだ日の日給」
風邪においても仮病においても、これは変わりません。
個人における給与の差はあるでしょうから、厳密にいくらということは言えませんが、日給が入らないという事だけは事実です。
損失要素2. 「体調不良による仕事や家事の効率低下」
これは仮病には当てはまりません。
私たちは、仕事や家事の効率を低下させるために仮病をしたのではなく、むしろ、仕事や家事を放棄し、好きな事を自由に行うために仮病を選択したのです。従って、効率は低下しません。
そう考えれば、損失と言うよりも利益と捉えるべきかもしれません。ちょっとした家事くらいなら、いつもよりさっさと片付けることさえできるのです。
損失要素3. 「薬の購入代とその手間」
言うまでもなく、仮病に薬も診察も必要ありません。幸運なことに、仮病を治療してくれる病院は今のところ存在しませんから、病院に行く必要もないのです。
ただし、口うるさい会社では、診断書を提出せよと言われるかもしれませんから、その際は、病院に行かざるを得ません。
診断書は「病院の領収書」で代用可能であると考えますが、どうしても診断書でなければならない場合もあるでしょう。その場合、診察と診断書発行のコストはかかってしまうかもしれません。
仮病のコスト
上記のことを踏まえれば、仮病のコストは、風邪をひいた際の損失よりも遥かに安価であると言えるでしょう。病院に行く必要もないし、仕事や家事の効率低下を恐れることもないのです。
5,000円~10,000円程度の日給分の損失はどうしても取り返すことができませんが、戦略的仮病者は、その辺は覚悟の上でしょう。むしろ、「日給分を支払って休日を得た」と考えることが精神衛生上、健全なのではないかと思います。
そうすることによって、仮病によって発生する損失であるとか罪悪感であるとか、そういった負の部分を考えなくて済むからです。
補足 仮病を利益にするために
風邪によって発生するのは損失でありコストですが、仮病によって獲得するのは利益であると私は考えます。
私たちは風邪に対してはいつまでも受動的にならざるを得ません。風邪はいつも向こうからやってきて、罹った後に私たちはその対策に追われます。いつやってくるかわからない風邪に振り回されてしまうために、損をしたと思ってしまうのです。
それに対して仮病は常に能動的です。
仮病は、仮病者が積極的に発信し、戦略的に周囲の人間を撹乱し、高らかに勝ち取るものです。
会社では、仕事に対して極めて受動的な者は概ね「指示待ち人間」と揶揄されたりしますが、仮病界においては、風邪に対してそのような態度の者のことを「風邪待ち人間」と呼んでいます。
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