仮病における最優先事項は「休める」ことではなく「バレない」ことです。
仮病による充実した休日を過ごしたはいいけれどそれが会社にバレていたのでは元も子もありません。
仮病がバレてはいけない理由は3点あります。
1. 仮病明けに出勤した際に上司からの叱責、同僚からの白い目が飛んでくる。
2. 次に仮病で休む際の障壁となり、休みづらくなる。
3. 本当に具合が悪くて休んだ際に仮病ではないかと疑われる。
ただ単に仮病で休むだけなら誰にでもできます。
ですが、我々は卓越した仮病者として戦略的・継続的に仮病を発動することが求められています。
決してバレることなく、全く疑われることなく任意に仮病を炸裂させて会社・仕事を悠々と休むことが要請されているのです。
一人前の仮病者となるためには、まずは「仮病がバレるパターン」を認識することです。
反面教師としての「短絡的な仮病」を学ぶことにより、仮病をする際にやってはいけないことを学ぶことができ、自らの「バレない仮病」の糧となるのです。
以下、バレる仮病のパターンを一緒に勉強していきましょう。
1. SNSへの書き込み・投稿
仮病と犬猿の仲であるのがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)です。
当然ながら仮病中に「仮病なう」とツイートすることはよろしくありませんし、facebookにリア充バーベキューの様子を投稿することも感心できません。
社内の人にあなたのSNSアカウントが知られている場合はもちろんですが、知られていない場合でもSNSに何かを投稿することはおすすめできないものです。
特にfacebookは実名登録が原則となっておりますから、社内の誰かが簡単にあなたのアカウントにアクセスすることが容易です。
いつ誰にどうやってバレるかはわからない。過去に遡ってバレる可能性も大きいです。
仮病中はちょっと外出することさえやや危険な行為であるにも関わらず、インターネット上に仮病の証拠を無防備に晒しておくことは愚の骨頂というわけです。
また、会社の同僚とオンラインゲームを楽しんだりしている人は、仮病中にゲームをする際にはPlaystation Networkはオフライン表示にしておき、且つ、むやみにトロフィーを取らないようにしておきましょう。
あなたが仮病で休んだ日に山ほどのトロフィーを獲得しているのを見つけた同僚が、羨ましがって自らも仮病を発動するかもしれません。
そうなった場合には、その同僚が休んだ分の労働量のしわ寄せがあなたに押し寄せることになります。
スマホのソーシャルゲームも同様です。
そう、仮病は一人で孤独に楽しむに限るのです。
2. 飲み会の次の日に休む
どう考えても二日酔いであるにも関わらず「風邪です」と仮病を使って休んでいるパターンです。
飲み会には2パターンあります。
すなわち「社内の飲み会」と「会社とは関係ない友人などとの飲み会」です。
「社内の飲み会」の翌日は相当休みづらいです。なぜなら、皆二日酔いのところ出勤してきていることが推測されるからです。
そんな中にあって一人だけ「風邪引いたっぽいので休みまーす」と呑気に休日を取得することは、社内の調和を乱す行為として激しく弾劾される恐れがあります。
もちろん、本当に具合が悪い場合には休んでしかるべきですが、なるべくであれば休まない方が賢明です。
こんなにバレやすい日にわざわざ仮病カードを切ってしまうのは非常にもったいないのです。
「会社とは関係ない友人などとの飲み会」の次の日に休む方法は簡単です。
すなわち、「今夜友だちと飲み行くんすよねー」などと社内では決して吹聴しないことです。
翌日に休んだ際に「あいつ、飲み行くとか言ってたな。まさか二日酔いじゃないだろうな」と上司や同僚の頭の中で点と点が線に繋がる松本清張的なことになるからです。
もちろん、松本清張レベルのトリックを使って仮病をするのならまだしも、私を含め、単なる仮病にそこまでのミステリー要素を導入する労力をかけられないのが普通です。
従って、「飲みに行く」ことは社内では隠しておくことがリスクマネジメントの観点からも賢明な選択です。
3. 休み明けに日焼けをしている
仮病で会社を休んで海に行くことは愚かな行為です。そう、なぜなら日焼けによって一瞬にして仮病がバレてしまうからです。
開放的な気分になって海に山に河原に足を伸ばしたくなる気持ちはわかりますが、仮病とレジャーは相反するものであるものであると覚えておきましょう。
特に夏は外を少し歩いただけでも日焼けをしてしまいますし、冬なら大丈夫だろうと油断してスノーボードに行っても雪面からの照り返しによって日焼けを被ります。
仮病中における外出は危険そのものです。
「病院に行く」以外の外出は有事であると考えましょう。
仮病には日焼けではなく、えのき茸の如く白い肌と、えのき茸の如きひょろひょろさが似合います。
仮病前日にはもやしとえのき茸を買ってきてテーブルの上に置き、それらを見つめながら「かくあるべし」と十回唱えましょう。
4. 重大な仕事の日に限って休む
仮病で休む方としては大したことのない単なる一日の欠勤ですが、仕事をしている方としてはイラつく欠勤となります。
当然ながら「なんでこんな忙しい日に限って休みやがるんだ」ということです。
そして、普段の勤務態度がよろしくなければないほど、忙しい時に限って休めば休むほど仮病が疑われることとなります。
労働量如何に関わらず貰える給与額が同じであるなら、暇な時に出勤し殆ど何もしないで退勤するほうがいいに決まっています。
働かないで貰う給料は奇跡だからです。
であれば、忙しい時や重大な仕事をこなさなければならない日に仮病で休んだにも関わらず何の疑いも持たれずに心配さえされるためには、普段の勤務態度を品行方正にしておくしか方法はありません。
「あいつが仮病で休むわけない」という第一印象を勝ち取ってしまえば、あとはこっちのものです。
とは言え、周囲の全ての人を騙すことのできるのはよっぽどの詐欺師の才能がなければ難しいです。
仮病初心者においては戦略的に仮病すること、すなわち忙しい時にはなるべく休まずに、どうしようもなく業務が暇であると思われるときを狙って仮病するのが良いでしょう。
長い仮病人生ですから、繁忙期にわざわざ仮病をねじ込むのはそれなりにコツが掴めてからでも遅くありません。
5. 元気そうである
本来であれば「昨日まで元気だった」とか「電話口の声が溌剌としていた」からといって、当日の突然の欠勤が仮病であると決め付けるのは尚早です。
昨日まであんなに元気だったとしても急に具合が悪くなることくらいあるに決まってるじゃないか。
にも関わらず、人というのは何でもかんでも関連付けて考えなければ気が済まないようで、少しでも元気な調子であることが垣間見えると「もしや仮病」と疑ってしまうのです。
従って、疑われることを避けるためには、少しくらいの演技はしてしかるべきでしょう。
注意すべきは「ほんの少し」という点です。
我々は舞台俳優ではないので演技となるとどうしても過剰になりがちであり、過剰な演技は隙を見せます。隙を作るとバレることになります。
「次の日は仮病で休むぞ!」という日は、心なしか調子が悪く無口な振りをして社内で過ごしましょう。
「おい、大丈夫か」と上司や同僚に声をかけられるほどでもなく、だけど気づく人は気づくという程度で構いません。全員に調子が悪そうな感じを悟られる必要はありません。
次の日、あなたが病欠した際に、オフィス内の誰か一人か二人が「そういえば昨日、体調が悪そうにしていた気がする」と言ってくれる人がいれば、話は勝手に拡散されて直属の上司の耳にもそのうち届くでしょう。
間違っても、「具合悪いんだよねー、明日休むかもなー」なんて独り言のようにつぶやくのは野暮というものです。
気づくか気づかないか、このくらいの演技が優雅です。
当日の電話口でも、元気溌剌に「今日は熱がうなぎのぼりです!休みます!」と告げるのはいけません。
うずくまりながら、声の調子を80%程度の力にしつつ、電話するのもつらいんだけど頑張ってこうやって電話をかけているんだという感じで欠勤を申告しましょう。
6. ガヤガヤしたところから病欠の電話をかける
仮病の電話をかける場所は意外と迂闊になりがちです。周囲の音なんてあちらには聞こえていないだろうと高をくくってはいけません。
そうしたほんの少しの油断から全ては綻ぶのです。
全ての完全犯罪は一瞬の隙もない美しさによって構築されます。
仮病もそうあるべきであると私は考えます。
家から会社に電話をかける場合には、テレビやBGMを消音する。
隣に誰かいる時には「絶対に静かにしてろ」と念を押す。
静かな場所から電話をかけることは絶対の要件です。
周囲がうるさいから欠勤の連絡をメールで済まそうという横着はよろしくありません。
「何か電話をできない理由でもあるのだろうか」と勘ぐられてしまいます。仮病を察知する側の洞察力を甘く見てはいけないのです。
仮病の電話をかける際には、病室の如く静かな場所から行うこと。
油断大敵です。
7. 休む日に規則性がある
決まった曜日に休みがちであるとか、懇意にしているアーティストやアイドルのライブがある日に必ず風邪をひいたとの連絡が入る場合、仮病の疑念が深まります。
仮病に規則性はご法度です。
社内を撹乱してこその仮病であり、全ての仮病はステルスではなくてはなりません。敵に発見されてはならないのです。
そのためにも、仮病には暗号化が求められるわけです。
当サイト「仮病ドットコム製作委員会」の調査によれば、一週間で最も仮病が発動される比率が高いのは「月曜日」であるとの調査結果がでています。
「やっぱりな」という結果ではあると思います。
従って、月曜日に病欠しがちである人はその時点で仮病が疑われていると考えたほうがいいでしょう。
ということは、月曜日に仕事に行きたくないのはわかりますが、月曜日にばかり仮病を発動しているとその規則性から仮病の容疑がかけられてしまいます。
それでは元も子もありません。
卓越した仮病者においては間違っても安直に月曜日に休むことはしません。
極稀に「逆に月曜日」ということはありますが、基本的には裏をかくように仮病を発露します。
仮病に規則性・マンネリ化はご法度です。
頭を使って職場を撹乱せしむることを再優先に行いましょう。
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