ご飯は絶対に炊飯器で炊け!土鍋で白米を炊く7つのデメリット

 断捨離やミニマニズムを掲げる人の中で、炊飯器を断捨離して土鍋で白米を炊くことがちょっとしたブームになっていました。私の友人にもなぜか炊飯器を心底嫌悪している者がいて、彼も炊飯器を捨てて毎日土鍋でご飯を炊いているのでした。

 土鍋をガスコンロにかけてご飯を炊く人たちが共通して言うことは「土鍋で炊くご飯は、炊飯器で炊くご飯よりも美味しい」ということです。果たして本当にそうでしょうか。

 私はそうは思いません。全く思わない。友人が土鍋で炊いたご飯を食べさせてもらった時、全然美味しいとは思いませんでした。それに加え、ある時は水っぽく、ある時は固く、と日によって炊きあがり方がバラバラなのでした。私がいつも使っているハードオフで2,000円で買った炊飯器で炊いたご飯の方がどう考えても安心して食べられる。彼の奥さんも「正直、家で食べるご飯よりも外で食べるご飯の方が断然に美味しい」と言っていました。

 私はご飯を炊くなら断然に炊飯器を推します。その7つの理由をご紹介しましょう。

 

1. 米のプロ「ご飯の味は炊飯器が全て」

 私は米を生産している農業法人でかつて働いていたことがあります。そこに勤めていた米のプロ・吉田さん(仮名)はこう言っていました。

 「米の美味しさってのは炊飯器で決まるんだよ。品種の好みなどの要素はあるけれど、最終的には炊飯器。高い炊飯器を買えば旨い米が炊ける」

 吉田さんは精米所に勤務していて、自分の仕事に誇りを持っていました。精米に対しても強いこだわりがあるようで、高品質の米を出荷すべく厳しいチェックを自らに課していました。

 そんな米の全てを知り尽くし、プライドを懸けて働く吉田さんが「結局、米の味は炊飯器が全て」だと言うのです。納得しないわけにはいかないのでした。

 

2. 土鍋炊きは味や炊き加減がいつもバラバラ

 冒頭でも触れた通り、土鍋で炊いたご飯を私は全然美味しいとは思わなかった。何度か食べさせてもらう機会があったけれどそのいずれも美味しくない上に、水っぽい時もあれば、米が固い時もあったりして炊き加減がバラバラだったのでした。

 人が何かに対して納得する条件の一つとして「いつも通り、期待通り」というものが挙げられます。例えば、マクドナルドのハンバーガーに対しては「品質が低い、味が雑」などと言われたりしますが、それでもマクドナルドに人が集まるのは「いつも通りの商品を、いつも通りの接客で、いつも通りの待ち時間で買える」からであるという理由が挙げられます。それがつまりは「期待通り」であるということです。

 土鍋でご飯を炊く行為は要するにアナログです。従って、いつも全く同じ火加減というわけにはなかなかいかず、そこには微妙な差異が生じているはずです。

 また、所有している土鍋に合った絶妙な火加減というのもあるはずで、それを見つけることができなければ、延々と見当違いの炊き方をしてしまう場合もあるに違いありません。故に、炊きあがり方や味も日によってバラバラになってしまう上に、最も美味しいご飯の炊き方の機会損失さえし得る可能性があります。

 それに比べて、炊飯器の利点は「いつでも同じ味のご飯が炊ける」ということに尽きます。炊飯器は賢いので、投入した米の量や水の温度によって炊き方を自動で変えてくれます。どんなに安い炊飯器でもです。ただ単に炊飯のために熱を加えているわけではないのです。であるがゆえに、いつでも期待通りのご飯が炊き上がるというわけです。

 

3. 土鍋炊きは手間がかかる、目が離せない

 炊飯器の利点は炊飯にかかる作業を全自動でこなしてくれるところにあります。米と水を投入してボタンを押すだけ。ああ、簡単。

 土鍋炊きを実践している人から言わせれば「土鍋でごはんを炊くことも簡単だよ」という答えが返ってきますが、それは「意外と簡単だった」という意味であり、炊飯器ほどの手軽さとは雲泥の差があると私は考えます。

 土鍋でのご飯の炊き方は、

 
 1. 米と水を投入して中火〜強火で加熱。10分位経つと沸騰してくる。

 2. 沸騰し始めたら弱火で15分炊く。

 3. 火を止めて15分蒸らす。完成。

 
 と紹介されていることが多いのですが、二度も火加減を変えなくてはならないことは私にとっては手間です。いろいろなことが気になってしまう私の性格上、土鍋でご飯を炊いている際にはどうしても気になってしまって目が離せず、火を止めるまでは他のことが手につかなくなると思うのです。

 また、私のような神経質な性格でなくても、例えば、炊飯器では当たり前に可能な「ご飯を炊いている間にシャワーを浴びる」や「ご飯を炊いている間にちょっとおかずを買ってくる」ということが土鍋炊きでは不可能です。なぜなら約10分毎に弱火にしたり火を止めたりしなければならないからです。

 また、ガスコンロが一つ占有されるというデメリットもあります。私は一つ口のガスコンロを使用しているので、土鍋でご飯を炊いている間は何もできないことになってしまいます。

 

4. 炊飯器なら予約機能が付いている

 炊飯器のすこぶる素晴らしい点の一つに予約機能があります。

 夜寝る前にセットしておけば、朝に炊きたてのご飯を食べることができる。帰宅する時間に合わせて炊飯を予約しておけば、仕事から疲れて帰ってきてもすぐに晩ご飯を食べることができる(おかずのことはさておき)。炊飯器の予約機能は家事の手間と制約を減らすためのシンプルながらも素晴らしい機能であると私は賞賛しております。

 当然ながら、土鍋による炊飯には予約はできません。朝起きたらいちいち土鍋をガスコンロにかけてご飯を炊くのであり、仕事から疲れて帰ってきた際にも同様、いちいち土鍋でイチからご飯を炊く羽目になる。

 面倒くさがりの私にとっては拷問に近い手間です。自炊さえも億劫になってしまいそうです。

 

5. 保温機能がない

 私は炊飯器を愛しているとは言え、保温機能は殆ど使わないようにしています。炊き上がってしばらく経ったら個包装して冷凍庫に入れてしまうからです。電気代の節約のためです。

 しかしそれでも、保温してくれていて良かったと思うことが多々あります。ご飯を炊いていたこと自体を忘れていた時や、予約機能で炊飯していたものの帰宅が遅くなってしまった時などです。いつでもすぐに温かいご飯を食べることができます。

 土鍋炊きでは保温しておくことが不可能です。私のような一人暮らしの場合には弊害は殆どないですが、例えば、家族の中で帰宅が遅れてしまった人は温かいご飯の享受に与れないことになります。

 その場合は結局は電子レンジで温め直すことになり、土鍋というアナログな道具で手間ひまかけて炊いて「土鍋での炊きたてが美味しい。米が立っている」と満足気に言っていたものを、電子レンジというデジタルの飛び道具のようなツールで暴力的に加温するというのは果たしてどうなのでしょう。何か矛盾のようなものを感じます。「だったら最初から炊飯器で炊いて保温しておけばいいじゃん」と思ってしまいます。

 

6. 鍋にご飯がくっついて無駄だし、洗うのが面倒

 炊飯器における炊飯釜は綺麗にコーティングがされていて、炊き上がったご飯がくっつかないようになっています。

 ご飯がくっつかない土鍋というものもきっとあるのでしょうけれど、私の友人がご飯を炊いている土鍋はそもそも所有していた普通の土鍋であったため、炊き上がったご飯が壁面に大量にくっついて取れないのでした。取れないので食べることができない。従って、最終的にはシンクで洗い流すことになるわけですが、残さず食べるをモットーにする私としては「すごく無駄だな。もったいない」と思ったものでした。

 また、そのこびりついたご飯は洗ってもなかなか落ちないのです。しばらく水に浸けておいてからタワシでガンガンこするというのを毎日やるのかと思うと気の遠くなる思いがします。

 

7. 電気代よりもガス代のほうが高く付く

 「土鍋のほうが美味しいぞ」とか「炊飯器は高価だ」とかの議論はよく聞きますが、炊飯のためのコストという観点における議論は寡聞のような気がします。

 タイナビスイッチというサイトがこれを検証していましたので紹介しましょう。

 
参考サイト:
炊飯器と土鍋の電気代とガス代を比較してみた! – タイナビスイッチ

 

土鍋でお米を炊く場合のガス代は?

 平均すると20分間中火で炊くということにしておきましょう。

 都市ガスの場合は、ガス会社によっても多少の値段の違いはありますが、20分中火で使用すると18円前後のガス代がかかります。
 そしてこれがプロパンガスとなると、都市ガスよりも2倍からそれ以上値段が高いので、安くても36円前後のガス代がかかります。

 
 土鍋でガスを使って炊飯する場合の一回あたりのエネルギーコストは、都市ガスでは約18円、プロパンガスでは約36円であると示されています。

 

炊飯器でお米を炊く場合の電気代は?

 電気料金は契約する会社やプランによって違いがありますが、おおよそ1回炊くと6円から8円ほどの電気代がかかります。

 
 炊飯器でご飯を炊く場合、電気代は一回あたり6円から8円であるそうです。

 ちなみに、コンセントを刺しておくことでかかる待機電力は一日あたり0.8円保温機能は一時間あたり1円だそうです。

 

炊飯器で炊いた方が年間1万円もお得!

 もしプロパンガスの家庭で毎日ご飯を炊くと仮定すれば、一ヶ月でガス代がで1,080円かかることになります。炊飯器で炊く場合の電気代が一ヶ月240円ですから、差額はおよそ800円。一年間でその差額は9,600円にもなります。

 炊飯器は高価であると言われますが、土鍋をプロパンガスにかけて毎日炊飯することは過剰なるランニングコストがかかります。であれば、毎日高いガス代を消費するよりは、思い切って5万円の炊飯器を買ってしまったほうが5年間使い続ければだいたい元は取れる計算になります。しかも、炊飯器で炊いたほうがご飯は断然に美味しいことは先に述べた通りです。

 もちろん、5万円の炊飯器でなくても構いません。私は中古で2,000円で買った炊飯器をかれこれ5年間使っていますが、全く不満はありません。節約・倹約を目指すなら炊飯器は必須のアイテムです。

 

土鍋でご飯を炊く3つのメリット

 とは言え、土鍋でご飯を炊くメリットがないわけではありませんので、簡単に紹介してきましょう。

炊飯時間が早い

 炊飯器でご飯を炊く場合にはおよそ40分程度かかります。お急ぎ機能を使えば25分くらいでしょうか。

 それに対して土鍋による炊飯は火力にもよりますが15分〜25分程度。土鍋で炊いたほうが比較的早いのは確かです。

炊飯器が不要である

 とにかく炊飯器という家電が邪魔だと考えている人には、土鍋てご飯を炊くという手段によって炊飯器を処分することができます。

自己満足を得られる

 「IKEA効果」をご存知でしょうか。そう、家具を売っているあのIKEAのことです。IKEAの家具は買ってきたらイチから自分たちで組み立てなければなりません。面倒な作業には違いなくデメリットであるかと思いきや、手間ひまかけて作ったIKEAの家具には愛着が湧きやすいのだそうです。それが「IKEA効果」(心理学者・行動経済学者であるダン・アリエリーが命名)です。

 「土鍋で炊いたご飯のほうが断然に美味しい」というのは、要するに自己満足であると私は分析しています。手間ひまかけて炊いたご飯であるから、その手間を掛けた分だけ美味しく感じるというわけです。自分の生活に手間をかけることが幸せであるという人は、ご飯を土鍋で炊くことに向いていると言えるでしょう。

 
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