遅刻するくらいなら仮病で休んだほうが評価が下がらないかもしれないという話

 薄々気づいているかもしれませんが、社会というものは往々にして理不尽なものです。そのうちのひとつに「遅刻 vs 欠勤」の終わりなき抗争があります。

 例えば、寝坊でも体調不良でも何でもいいのですが仕事に1時間遅刻したとしましょう。8時間勤務だとしても7時間も仕事をしていることになります。

 それに対して欠勤の場合、会社には一歩も立ち入らないわけですから労働時間はゼロです。働かない。労働しない。

 にも関わらず、遅刻したけどきちんと7時間は仕事をしつつある者が「遅刻しやがって。学生気分じゃ困るんだよ」と詰られ、欠勤して全く仕事をしていない者が「具合はもう大丈夫なのかい?」なんて心配さえされるという不思議な事が起こるのです。

 

正直者が馬鹿を見る ―誠実さはいらない

 つまりこれは「正直者が馬鹿を見る」ということです。遅刻を正直に申し出たところ案の定怒られるのであれば、遅刻してまで出勤しないで「頭が痛いってことにしよう」と仮病で休んだほうが戦略的に功を奏するである場合があるということです。遅刻するくらいならいっそのこと休んでしまったほう小言を言われないし、精神的ダメージは少ないし、心置きなく休めるしと良いことづくめであるということです。

 
遅刻:
・寝坊を疑われる

・自己管理がなっていないとみなされる

・結局仕事をしなくてはならない

 
仮病で欠勤:
・心配してもらえる

・誰にでも体調不良は起こるもの

・心置きなく家でゆっくりと休める

 

遅刻と欠勤、どっちにする?

 もちろん、遅刻と欠勤のどちらの作戦を採用するかはステレオタイプに一般化できるものではありません。社風、上司の性格的傾向、仕事内容などを上手に読み取って、自分自身のオリジナルな計略を立案することが重要です。下記に一例を挙げておきましょう。

 
社風:
・「這ってでもとにかく出勤せよ」という考えの会社では遅刻してでも出勤したほうが良い。ちょっと顔を出すだけでも印象が違う。

・逆に、ゆるい雰囲気や、ルールがあってないような会社では仮病欠勤しても誹りを受ける可能性が低い。

 
上司の性格:
・まずは上記社風に準じて判断すべきである。信じられないくらい頭の固い上司もいれば、逆に信じられないくらいゆるい上司もいる。

・過去の傾向から判断するという手もある。遅刻に対して鬼のように厳しい上司であれば、とにかく会社に顔を出すことが最優先となる。「死ぬ気で急いで来ましたアピール」をしても良い。

 
仕事内容:
・自分一人休んでも周囲にあまり影響のない仕事であれば仮病欠勤が大変にしやすいので常に機会を伺うべきである。

・逆に、小売業などシフト制で出勤人数が決まっており、一人でも欠けると当日の店舗運営が破綻するという場合、急な当日欠勤は大いなる遺恨を残すこととなるので、遅刻を選択したほうが無難である。

・出勤人数の厚い日を狙って仮病欠勤するというのは極めて有効な手段である。

 

社会は不合理にできている ―嘘・タテマエを使いこなせ!

 社会人には正直さ・誠実さよりも、高度な戦略・タテマエが求められていることは自明です。就職面接で「趣味はアニメ鑑賞でコミケにもよく行きます」という正直さは顰蹙を買い、「趣味は読書です。成長することが何よりの喜びで1日1冊を目標にしています。重要だと思うところはメモしています」という嘘が高く評価されることになっているのです。

 私がかつてスーパーマーケットに努めていた頃、「売上金額」が未達の場合は上司に何も言われないけれど、「利益率」が未達だと厳しく怒られるという不思議な体験をしたことがあります。企業にとって重要なのは「利益額」であり、それは「売上金額×利益率」によって求められますから、「利益率」だけ達成していても会社にとっては何の意味もないのです。

 ですが、上司があまりにも「利益率、利益率」とうるさいので私は全ての商品を大幅値上げし、売上金額などそっちのけで利益率だけを確実に確保する作戦を採りました。結果、狙い通りに売上はガタ落ち、だけど「利益率」だけはきちんと確保され、在庫も極めて少なく健全という状態になり、上司も大変に満足気でした。本来重要な「利益額」は売上の低迷に伴ってボロボロの状態なのに、それを責める人は一人もいませんでした。

 社会人の目的はヒーローになることではありません。怒られないこと、穏便に済ませること、無難にやり過ごすこと。それこそが当サイト「仮病ドットコム」の目指す意識低い系社会人のあるべき姿です。

 

まとめ

 というわけで、あなたがいつか遅刻しそうになってしまった場合、誠実に慌てて遅刻するよりも、もしかしたらそのまま仮病欠勤してしまったほうが合理的で、何かと都合良く収まるかもしれないですよ、というお話でした。

 
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