社会人たるもの、目覚ましのアラーム音に全く気が付くことなく、目が覚めたら始業時間を過ぎていたということが、一度や二度は必ずあります。
こういった経験が一度もないという特異な人もたまにいるでしょうが、それは殆ど奇跡と呼んでいい事態であり、社会人として失格とまでは言いませんが、「どうかしている」と思わざるを得ません。
寝過ごしを一度や二度経験することによって、当該人は社会人としてより成熟され、同時に、一人前の仮病者として著しく成長する礎を築きます。
前者はどうでもいいことに違いありませんが、後者は当サイトとしては大変重要なことであると考えます。
仮病による遅刻はバレやすい
当サイト「仮病ドットコム」は、仮病に対して寛容な姿勢を喧伝し、あわよくば推進することを主たる目的としていますが、申し訳ないことに、今回は少し話が違います。
つまり、はっきりと言ってしまえば、寝過ごした場合は「仮病はあまりおすすめできない」ということです。理由は「バレやすい」ということに尽きます。
始業時間前に遅刻の連絡をしなかったことについては、いかなる理由でも、こちらに非があることを認めざるを得ません。「具合が悪すぎて連絡できなかった」や「意識を失っていた」という言い訳もできなくはないでしょうが、やや真実味に欠けます。
なんとか架空の病気をでっち上げたとしても、当日、あるいは翌日に出勤した際に、とっさの嘘であるその仮病は非常にバレやすいです。相手は既に少なからず疑いの念を抱いていますから、それを信じこませるためには、演技力ではどうにもできないくらいにグッとハードルが上がります。デスクのパソコンにいきなり嘔吐するくらいのことをしなければ、信じてもらうのは難しいでしょう。
仮病は疑われてしまったら、もうそこで万事休す、一巻の終わりなのです。
最もバレやすい仮病ランキング1位に輝くのが、この「寝過ごしてしまった言い訳の仮病」ですから、今後、いつ使うかわからない仮病というチケットをここで無駄に消費してしまうのは、非常にもったいないというわけです。
その他、変な言い訳もしないほうがいいです。間違っても、親族が病気になったとか亡くなったとか言うのもやめておいたほうが無難です。あとで収集がつかなくなります。
電車が遅れたというのも、バレやすい嘘のうちに数えられます。
まずは電話をかける
大変億劫で気が重いことであると思いますが、まずは会社に電話をかけましょう。そして、「申し訳ありません。今、起きました。急いで向かいます。本当にすいません」という旨を正直に伝えましょう。別に急いで向かう必要はないのですが、一応、誠意を伝えるために言っておきましょう。
恐らく大抵の場合、「とりあえず気をつけて来るように」と電話口から返ってくるはずです。
ポイントは「今、起きた。すぐ行く。申し訳ない」ということを、短い時間で簡潔に伝えて、はやく電話を切ることです。面倒なことはさっさと終わらせましょう。電話口で説教なんてされようものなら電話代がもったいないです。
寝過ごした際の、始業時間が過ぎたあなたが不在の職場では、「事故にあったのではないか」とか「何か事件に巻き込まれたのではないか」とか「生きているのかどうか」とか、皆が親身に心配をしています。「あいつ寝過ごしやがったな」なんて推測で100%悪意のあることを思う人は、ほぼいないでしょう。誰もが少なからず、心配はしているはずです。
ですから、電話をかけることでひとまず相手を安心させ、相手の気が緩んだところにひたすら謝り倒すことで相手に湧き上がるはずの怒りや失望や「社会人として」などという類のマイナスでネガティブなものを緩和させるのです。
会社に着いたら普通に仕事をする
適当に急いで来た振りをして会社に到着した後は、とりあえず皆に謝りましょう。面倒ですが、後々さらに面倒なことにならないために、上司には丁重に謝りましょう。
もしかしたらくどい説教や注意をされるかもしれませんが、全て「はい」「わかりました」と答えて、聞いている振りをしましょう。そして、すぐに忘れましょう。
こっちだって寝過ごしたくて寝過ごしたわけではないですから、そんなことに対する説教ほど無益で無駄なことはないのです。
善良な我々はつい、「寝過ごした分、たくさん働きます」などと詫びるついでに言ってしまいがちですが、それはあまりおすすめできません。なぜなら、実際にたくさんの仕事を押し付けられてしまう可能性があるからです。
従って、シンプルに謝って、あとは普段通り、何事もなかったかのように仕事に取り掛かるのが、最も洗練された戦略といえるでしょう。
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おわりに 寝過ごすときは寝過ごす
仮に、目覚ましを100個かけていても、全く寝酒をしていなくても、前日の夕方5時頃に眠りについたとしても、寝過ごすときには寝過ごします。
逆を考えれば明快です。目覚ましをかけるのを忘れても、酒を浴びるほど飲んでも、出勤時間の1時間前に就寝しても、起きるときには起きるのです。
世間一般的に、「寝過ごすなんて言語道断、社会人として失格だ」という風潮がありますが、私としてはあまり歓迎できません。堅苦しすぎです。
二本足で歩けるようになって何十年も経つのに、何もないところでつまずいてしまった、ということは、これもまた誰にでもあります。そのように、朝を寝過ごしてしまうことくらい、誰にでもあることではないでしょうか。
厳しい労働環境の中にあれば尚更です。
いざというときに疑われることなく元気いっぱい仮病で休むために、今回のようなリスクの高い遅刻の場合は、変な言い訳はせずに、目が覚めたらとりあえず謝ってからのんびり出勤し、あとは普段通りに堂々と過ごしましょう。
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