過去、進学や転勤、プライベートな事情によって10回の引っ越しをしたことがあります。その中でひどい物件に当たったことはないのですが、自分なりに「こういう物件は住みやすい」というようなセオリーがわかってきました。
私は家賃はなるべく抑えたいと考えており、物件を探す際には安い順で検討していきます。本稿においては私見で「一人暮らし格安アパート選びで失敗しないための13のこと」を紹介していくものです。
1. 一階は冬が寒い
一階は床が冷えるので、特に古い物件においては寒さが尋常ではありません。ただでさえ地面と近い床が冷たい上に、経年による建物の歪みによる隙間からも冷風が忍び込んでくるからです。
かつて東北地方の太平洋側、築30年程度の物件の一階に住んでいたことがありますが、ファンヒーター+エアコンでガンガン暖房していたにも関わらず部屋は一向に温まらず、真冬は常にダウンジャケットを着て生活していました。一階であったことに加え、下記の条件が寒さに追い打ちをかける事態となっていたようです。
2. 玄関とリビングの間に扉がないと寒い ―気密性は重要
いわゆるワンルームの物件です。寒さは玄関からやってきて、暖かさは玄関から出ていきます。つまり、ワンルームの物件は保温性・気密性に重大な瑕疵があると考えて間違いありません。冬はとにかく寒いし、夏は暑い。
予算があるならワンルームではなく1K以上の条件で部屋探しをすることをおすすめします。家賃が安くても暖房費が余計にかかってしまったら元も子もないし、快適とはいえない住空間で1日の大半を過ごすことは幸福度を下げる要因にもなってしまいます。
3. 一階は虫が出やすい傾向にある
一階は地面に近いので地を這う虫が闖入してくる可能性が高いように思います。帰ったら蟻が行列を作っていた時には驚きました。すぐに侵入経路と思われる箇所に防虫剤を撒いたらそれ以来出てきませんでしたが。
10回の引っ越しの中で私は1階に住んでいたことが多いのですが、全ての物件において闖入者が現れたかというとそうでもありません。2階でも出る時には出ます。従って、一階だからとそれほど恐れ戦くこともないように思いますが、可能性は少しだけ高いということです。
4. 最上階は夏が暑い(特に古い物件)
五階建ての五階に住んでいたこともあります。他の階に比べて家賃が随分と格安だったのですが住んでみて理由がわかりました。
まず、エレベーターがないのでいちいち階段の昇降が手間であること。但しこれは、私は歩くのがあまり苦ではないので大した問題ではありませんでした。レンタカーを借りて自前で引っ越しをしたので家具の運び込みにはかなり骨が折れましたが。
問題は夏の暑さです。太陽が容赦なく物件の屋根を照り付けるので、その熱が最上階の温度に影響を与えます。逃げ場のない暑さに包み込まれ、エアコンは常にフル稼働でした。かなり築年数が経っている公営住宅でした。逆に、新築物件では断熱構造がしっかりとしているので最上階であろうともそれほど暑さの影響を受けないようです。
5. ルームシェアは3ヶ月が限度
一度だけ友人とルームシェアをしたことがあるのですが、楽しいのは最初だけで次第に息苦しさを感じるようになってくると実感しています。私の経験や他の人の意見を聞く限り、特にお互いにこだわりが強い者同士であったり、片方があまりにもズボラである場合には小さな不満が募っていきやがて爆発しつつあるように思います。
サンドウィッチマンは下積み時代に10年を同じ部屋で過ごしたと言い、SEKAI NO OWARIもメンバーがルームシェアをしていると聞きますが、それが上手く行っているのは共通の目標があるからだと思います。「一緒に夢に向かって頑張る」という目標があるからこそお互いへの不満にも目を瞑れるというわけです。
従って「なんとなく楽しそうだからルームシェア」の賞味期限は3ヶ月程度でしょう。私は何らかの原因で喧嘩をしてしまう前のちょうど3ヶ月で円満に引っ越しました。
6. ワンルーム同棲はおすすめしない
ワンルームの部屋で恋人と同棲をしていたこともあるのですが、これはもう黒歴史とでも言うべき事態でした。もちろん「一人の時間が絶対に欲しい」という私の性格上の問題もあるでしょうけれど、ワンルーム同棲は開始1ヶ月で殆ど破綻しており、私にとっては「家賃と光熱費の支払いが折半」というメリット以外にはストレスばかりが募る状態になっていました
破綻した原因は様々あります。お互いの相性や生活スタイルの問題など。隣の部屋の人は同棲を長く続けているようでしたので、一概にワンルーム同棲は破綻を招くとは言えないでしょう。
だけど私にとっては向いていないものでした。一般論というよりは私の個人的な見解です。結局1年半そのまま同棲を続け、一悶着の後に私は県外へと引っ越しました。
7. 持ち物は少ないに越したことはない
かつて私はとにかく趣味の所有物が多く、引っ越しの度にCD・本・雑貨を梱包し、それを収納するためのたくさんの棚を運び、引越し先で開封、再び棚を設えて収納するということを繰り返していました。
ですがある時、その重労働に嫌気が差し、所有していた全てのCDをコンピュータに取り込んだ上で処分、ついでに雑貨も処分、本は必要最低限だけを残して処分、棚も処分、不必要な服も処分したところ、次の引っ越しがなんて楽なこと。殆ど感動さえしました。
処分する前は「後悔するかもしれない」と足踏みしていたのですが、いざやってみると後悔など全くありませんでした。スッキリ。物の多さに困ったり悩んでいる人は一度思い切って断舎離してみることをおすすめします。
8. ベランダに隣部屋との間に仕切りがあるとプライベートが確保できる
洗濯物は外に干したいのですが、そのアパートはベランダに仕切りがなかったのでありプライバシーを重視する私としてはベランダに出る勇気が持てず、部屋干しに甘んじていたのでした。洗濯物を干している最中や取り込んでいる最中に隣部屋の人を顔を合わせるのが何となく面倒で嫌だったのです。
同じような感覚を持ち合わせている人は、ベランダの仕切りに着目して物件探しをすることをおすすめします。意外と重要です。
9. ロフトは便利
低予算でアパートを探している人は6畳や8畳一部屋の物件を中心に見当をつけることになるでしょう。6畳の部屋は意外と狭いもの。
部屋を出来るだけ広く使いたい場合、ロフト付きの物件を選択することでロフトを収納スペースにするなり寝室にするなりすればリビングに余裕を持たせることができます。梯子で昇り降りしなければならないので面倒かと思われますが、使ってみるとなかなか便利です。
とは言え、必須というわけではありません。私は現在ロフトなし8畳の部屋に住んでいますが、押し入れの扉を外して広い収納スペースにしたり、壁掛けで収納したり、突っ張り棒を活用して収納スペースを創出するなりして狭い部屋を何とか効率的に使えるよう創意工夫しています。ロフトがあればさらに便利ということです。
10. ユニットバスでも問題ない
これは個人の嗜好の問題でしょうけれど、初めてユニットバスの物件に住んでみてわかったことは「ユニットバスでも何も問題ない」ということでした。その辺のこだわりは私にはないようで、冬にはユニットバスに湯をためて風呂にさえ浸かります。
先入観で「ユニットバスはやだなー」と思っていても、住んでみたら弊害はなかったということもあるでしょう。ましてユニットバス物件は家賃が安い傾向にあります。特にこだわりがないのであれば一度試してみてはどうでしょう。
11. 駅まで徒歩30分程度なら何とかなる
子供時代に小学校まで徒歩30分、中学校まで徒歩50分、いずれも自転車通学禁止という環境で育ったためか歩くことに関しては苦になりません。現在住んでいる物件は最寄り駅まで25分程度なのですが、人が言うほど遠くは感じません。大雨が降ってしまうとさすがに難儀しますが、毎日土砂降りなわけでもありません。
駅から遠くなるほど家賃が安くなるというメリットもありますので、歩くのが苦ではない人や駅をそんなに利用しない人は駅からの距離はあまり気にしなくても良いように思います。個人的には徒歩30分くらいまでなら許容範囲内です。
12. 掘り出し物の物件は探せばある
基本的にはネットで物件探しをしますが、探せば掘り出し物の物件は出てきます。以下は私が住んだことのある物件です。
・東北最大の都市部。ワンルーム。地下鉄駅、スーパー、コンビニまでいずれも徒歩3分。家賃28,000円。冬に寒い以外に不満なし。
・北関東の都市部。公営住宅。2DK。駅まで徒歩40分。スーパーまで徒歩10分。コンビニまで徒歩3分。家賃30,000円。駅までやや遠い以外特に不満なし。
・北関東の都市部。1K。駅まで徒歩25分。スーパー、コンビニまで徒歩3分。家賃23,000円。大家の家が目の前であること以外に不満なし。
・東北のド田舎。1K。駅、スーパー、コンビニまで徒歩30分以上だが、クルマがあれば問題なし。家賃15,000円と格安。洗濯場所が共同であること以外特に不満なし。
いずれの物件も築30年以上経過していましたが、家賃とのトレードオフを考えれば大きな不満の噴出する物件はありませんでした。
13. 家賃は安いに越したことはない
家賃は収入の1/3の額が目安と言われますが、貯蓄を志向する場合、安いに越したことはないと考えます。私見では収入の1/5程度の物件に住むことによって家計にかなり余裕が出てくるように思います。家賃は黙っていても出ていくお金であるので、それを下げることによって自動的に貯蓄額を増やすことができます。
あるいは、家賃を浮かせた分のお金で趣味に没頭したり美味しいものを食べたりして幸福度を上げるのも良いでしょう。もちろん、新築物件に住むことが幸福に繋がるのであれば無理に家賃の低い物件に住む必要はありません。
但し、安すぎるために住環境が劣悪で家で過ごす時間がストレスフルになってしまったり、気密性が低すぎて光熱費が高く付いてしまっては元も子もありません。本稿を参考にして、家賃を抑えながら賢く快適な住空間を整えるお手伝いができれば幸いです。
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