くしゃみを仮病の主な理由とすることはなかなか難しいものですが、仮病に彩りを添えることはできます。
つまり、「くしゃみなので休みます」と言って承認を得ることは難易度が高いですが、「風邪をひいたので休ませてくだ…ハックション」とやることは非常に効果的ですし、そのタイミングや程度がうまく行った場合には圧倒的な達成感と説得力を得ることができます。
くしゃみの派手さと地味さ
くしゃみは、風邪の症状としてはかなり派手なものでありながら、その深刻さにおいてはかなり地位が低いのが現状です。
その原因としては、くしゃみは病気とは関係がないということが言えるかもしれません。
くしゃみは、ラーメン屋でコショウを振っただけで容易に出すことができますし、「こより」という極めて人工的な手段を使ってでも出すことができます。
まして、その際の言葉は「ハックション」ですから、間抜けさに拍車がかかります。「ハックション」と言われたからといって、言われた人は何と返せばいいのかわかりません。唾が飛んできたぞと嫌味をいうくらいが精一杯でしょう。
花粉症とくしゃみ
花粉症という、得体のしれない病気の主な症状がくしゃみであるということも、その地位を下げる要因となっていることは間違いありません。
花粉症とは、花粉症でない人にとってはもちろんですが、花粉症である自分自身ですらさっぱり訳の分からない、病気とも言えないような病気ですから、そんな信頼の低いものが「ハックション」と言わせているからといって、だから何なんだという話になってしまうわけです。
くしゃみの魅力
しかし、くしゃみの魅力はその勢いにあります。
例えば、咳は、咳が出ないときでも適当に「コホンコホン」とやれば、誰でもそれなりに様になるようにできていますが、くしゃみについてはそうはいきません。
あの勢いとエネルギーはまさに本能によるもので、肋骨さえへし折る能力を秘めています。
従って、くしゃみが出ないときにくしゃみを出したいときには、コショウが必ず手許に必要になるわけです。
電話で仮病を告げる場合のくしゃみ
電話口で仮病で休むと告げる際、コショウを片手に通話しつつ、ここぞと思われる所でコショウを鼻のあたりに振り掛け、絶好のタイミング(現在のところ、「風邪をひいたので休ませてくだ…ハックション」が最も好機であると言われている)と過剰な勢い(くしゃみは、過剰であればある程良い。文字に書き表わせば「バックショーーゥイィィィ!」という感じが過激で好ましい)でくしゃみを出すことができれば、もうそれだけで欠勤のための電話は用をなしたようなもので、その人はもはや仮病の達人と言ってもいいくらいなのです。
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