我々の体にはビタミンなどの栄養素の他にも、ミネラルが重要です。見過ごされがちですが、ミネラルは心身を健全に保つための原動力となるものです。
最も有名なミネラルに、カルシウムがあります。骨を丈夫にするとか、イライラを抑制する(科学的な根拠はない)とか大きく言われていますから、カルシウムを摂取することを心がけている人は多いでしょう。
それに比べて、マグネシウムも極めて重要なミネラルであるにも関わらず、あまり重要視されていないのではないか。
マグネシウム? 金属かな?
従って、殆どの人にとってマグネシウムは軽視され、人体に必要なマグネシウムが足りていないという状況なのです。
また、ミネラルは加工されることによりその含有量が劇的に減少してしまいます。加工食品が主流になってしまった現代では、体内のマグネシウム不足は一層深刻です。
金属っぽい鉄分が我々にとって必要不可欠なように、マグネシウムも非常に肝要なのです。
イマイチ影の薄い感のあるマグネシウムですが、その効能について見ていきましょう。
マグネシウムを摂取する効果
不眠の改善
マグネシウムには精神の安定作用があり、我々の睡眠の質にも大きく影響します。
2002年に発表された実験結果によれば、マグネシウムのサプリメントを適量摂っている被験者は、深い眠りが増加する傾向にあることがわかりました。マグネシウムによって睡眠の質が向上するということです。
記憶力・学習力など、脳機能の向上
北京の清華大学の報告によれば、高容量マグネシウムサプリメントを摂取した老齢マウスに記憶力の最善が見られたとのことです。
この研究以降、マグネシウムは脳機能の向上を促し、痴呆やアルツハイマー病の改善・予防に貢献すると期待されており、実際、実証されてきています。
高齢者だけでなく、社会人たる我々にとってもマグネシウムは脳にとって重要です。疲れで頭が回らない気がするという人には、まずはマグネシウムを摂ることがおすすめできます。
抗ストレス効果
ストレスによって、我々の体内からは多くのマグネシウムが排出されてしまいます。それは、ストレスに対抗するために大量のマグネシウムが消費されてしまうからです。
マグネシウムには、脳に働きかけて興奮を抑制する作用があります。平常心を保つことに貢献するのです。
従って、マグネシウムの欠乏はイライラの原因に直結してしまいます。
日々ストレスにさらされる現代人には、マグネシウムはことさら積極的に摂取すべきと言えるでしょう。
抗うつ効果
うつ病の原因は脳内におけるセロトニンの不足によるもの、というのは知られたところであると思います。
ところが、脳内でセロトニンを作り出すためにはマグネシウムが必要不可欠であるということはあまり知られていないように思います。
マグネシウムは、ストレスだけでなく、うつ病や抑うつ状態の予防にも効果的なのです。
現代において、うつ病などの精神疾患が増えているのは、マグネシウム不足が一因であると十分に推測されます。
血流の促進
マーストリヒト大学の実験によれば、やや肥満体型の被験者にマグネシウムのサプリメントを定期的に摂取してもらったところ、固かった血管が柔軟になって若返ったとの結果が出ています。
この実験によれば、血圧には変化がなかったと報告されていますが、マグネシウムには血圧を下げる効果があるとの説もあるようで、研究段階にあります。
いずれにしても、我々の要である血管にとって良い効果をもたらし、疾病の予防になることには違いありません。
その他、免疫力の向上、偏頭痛の改善など、心身の健康維持のための総合的な改善が期待できるものです。
マグネシウム摂取の際の注意点
アルコールによって大量に消費される
お酒を良く飲む人は注意が必要です。
アルコールを飲むと、マグネシウムは尿と一緒に大量に排泄されてしまいます。
二日酔いがすこぶるだるいのは、マグネシウムの欠乏が一因です。
お酒を飲む際にはマグネシウムを多く含む食品を一緒に食べると、体内のマグネシウム不足を抑制することができます。
また、翌朝のけだるい症状にもマグネシウムの摂取は効果的です。
カルシウムとのバランスが大事
カルシウムとマグネシウムは緊密に関係し、相互に作用し合う要素です。
重要なことは、カルシウムとマグネシウムのバランスです。どちらが少なくても、あるいは多くても良くないのです。
例えば、カルシウムは骨を丈夫にすると言われていますが、その作用はマグネシウムによってなされます。つまり、カルシウムばかりが多くても、それを骨へ浸透させるマグネシウムが足りなければ、せっかくのカルシウムは全く意味のないものになってしまうのです。
多くの場合、カルシウムに対するマグネシウムの量が不足しがちです。従って、心身の不調に見舞われてしまう。
一般的に、カルシウム:マグネシウム=2:1あるいは1:1のバランスが最も効果的とされます。
一日の摂取量
一日に200mg〜300mgのマグネシウムを摂ることが理想とされます。
400mg以上を恒常的に摂取し続けることは、高マグネシウム血症のリスクがありますので、注意が必要です。
マグネシウムを多く含む食品
マグネシウムを多く含む食品は、海藻類です。ひじきを筆頭に、昆布、わかめ、あおさなど。
他には、豆類が挙げられます。大豆やナッツ類です。
すなわち、和食中心の食生活を心がけることで、マグネシウムを日常的に摂取することができると言えます。
おすすめサプリメント
前述の通り、加工食品の跋扈によって、あるいはストレス解消のためのアルコールの摂取によって、現代人は慢性的なマグネシウム不足にあります。
食生活の改善が最も良い解決策ですが、なかなかそうもいかない人も多いと思います。
ちなみに、私はなるべく自炊をするようにしながらも、マグネシウムはサプリメントにて摂取しております。なかなか栄養のバランスを考えながらの食生活は難しいと感じています。
私が愛用しているのは、「ネイチャーメイド カルシウム・マグネシウム・亜鉛」です。
マグネシウムのサプリメントには、概ねバランスをとるためにカルシウムも適量が含有されているのですが、こちらには亜鉛も含まれています。亜鉛も不足させたくないミネラルのひとつで、心身の健康維持に大いに貢献するものです。
かつては、亜鉛は別のサプリメントで摂っていたのですが、このネイチャーメイドのものを見つけてからはこちらで済ませてしまっています。コストパフォーマンスは高いと思います。
【亜鉛サプリメント】10年間飲み続けている私が教える基礎知識
また、「ネイチャーメイド マルチビタミン+ミネラル」も併用しています。
こちらは各種ビタミンに加え、マグネシウムを含むミネラルが含まれているもので、毎日の健康に欠かせないものです。サプリメントの基本はマルチビタミン。ネイチャーメイドの各種商品の中でも一番売れているようです。
私は、上記「カルシウム・マグネシウム・亜鉛」を一日三粒のところを二粒飲み、「マルチビタミン+ミネラル」を一日一粒飲んで、過剰摂取がちにならないようにしております。
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