現代人には、休暇が必要だ。
だけど、恐ろしい上司、素晴らしい責任感、無限に増殖してくる業務のせいで、なかなか休めない。なんてことだ。きちんと休んでリフレッシュしてこそ、生産性は上がるし、人生は豊かになる。間違っても仕事のために生きてるんじゃない。仕事は生活の手段にすぎない。
会社が休みを取らせてくれないのなら、こちらから徹底抗戦するしかないのだ。どんな邪な手を使ってでも、休む。なぜなら、我々には休暇が必要だからだ。
step1 仮病するぞ!と心に誓う
「あー明日休むわ、風邪引いたってことにしよう」と気軽に決断できる人もいれば、ものすごく悩んでしまう人もいる。仕事なんてしたくないんだけど、今日も明日もやらなければならない仕事がある。
でも休みたい。疲れ切ってしまったんだ。
そんな時には、やっぱり休むに限る。最も手軽に休みを取得できる手段が仮病である。我々には仮病の有効活用が求められている。
仮病で休むのをためらってしまう人は、是非とも「仮病の3ないスローガン」を覚えておいてもらいたい。
・恐れない
・悩まない
・仕事しない
口に出して唱えてもらいたい。あわよくば、額縁に入れて部屋の目立つところに飾って頂きたい。
仮病で会社を休む勇気を発揚するために、己自身を鼓舞して頂きたい。
全てはここから始まるのだ。
仮病の心得「3ないスローガン」を心に秘めるべし
step2 どのような病気・症状で休むか戦略を立てる
単なる風邪はバレやすい
仮病で会社を休むと決めたあなたに必要なのは、戦略である。ガイドラインである。
きちんとした戦略が立案されていれば、仮病を行動に移すための強力な裏付けになるし、成功率は飛躍的に高まる。バレる可能性も極めて低くなる。仮病において最も優先すべき事項は、バレないということであるのは誰もが知るところである。
つまり、仮病の成功とは、誰にもバレずに元気いっぱいに休むということに尽きる。
正直、「風邪で休みます」というのは、バレやすい。
「風邪で休む」というのは具体性に欠けるファンタジーの部類に入るものなので、卓越した仮病を目指すには、もう一歩踏み込むことが必要となる。
【仮病】風邪で仕事を休むときの注意点とは?
「体調不良」と告げることは仮病には向かないということ
優れた仮病の3本の柱
いきなり不安に思うことはない。
大丈夫だ。仮病には定石があるので、是非とも活用して頂きたい。
良い仮病の条件には、3つある。
・症状が他者から見えない
・症状を聞いただけでつらそうと思える
・ほどよく緊急性があり、休まざるをえないと思える
すなわち、これらを満たす症状をでっち上げれば、その仮病は了承されやすいということである。
もちろん、非人間的な鬼上司も世の中には存在するので100%とは断定できない。
しかしながら、その場合、悪いのは「仮病で休みたい」こちらではなく、「感受性の低い」あちら側であることは自明である。だって、我々は具合が悪いと言っているのだ。これ以上の理由があるとは私には思えない。
従って、会社側からの反論・叱責を恐れずに、とりあえずは申し出ること。そうしなければ、何も始まらないのである。
バレにくいスタンダードな症状5つ+α
上記3つの条件を踏まえた鉄板の症状は5つある。
「頭痛」「腹痛」「吐き気」「歯痛」「熱(38℃以上)」である。
どれも手軽なものを厳選したので、誰でも利用できるであろう。仮病ライブラリとして覚えておくと良い。
また、病気には流行がある。
そのトレンドに乗ることによって、仮病で休むハードルを低くすることも可能である。
「インフルエンザで休みます」「流行ってるからな。お大事に」ということである。
注意点としては、流行の病気は症状が激烈であるため、バレるリスクがやや高めであるということが挙げられる。診断書を提出せよと言われる可能性もあるし、休んだ翌日の出社の折に「なんだ、ずいぶん元気そうだな」などと疑いをかけられる可能性もあるのである。
ただし、激烈な症状は休みの期間を長引かせる。つまり、数日に渡って休めるかもしれないということである。
この辺の裁量は仮病者各個人に委ねられる。「いける」と思ったら、そういった冒険をしてみるのもいいだろう。
インフルエンザを仮病に使う時の注意点
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仮病で休んで、診断書の提出を求められたら
架空の葬儀をでっち上げる ーエア葬儀
祖母や祖父、遠い親戚が亡くなったことにして休む、というのは、不謹慎との誹りを受けながらも根強い人気が続く休みの取得方法である。
メリットとしては、緊急性の高さと伝達の容易さが挙げられる。つまり、明日休みたいなと思ったら、電話にて「たった今、祖母が亡くなりまして」と伝えれば、ほぼ確実に休みを取得できる柔軟性の高さであり、「葬儀のため」と言うだけで全てが伝わる簡便性である。
葬式となれば「休むなんてふざけるな」と言ってくる上司は殆どいないであろう。葬式という言葉自体に、相手の口を封じ、事情を勘案させ、「わかった。休みなさい」としか言わせなくする魔法がかかっているかのようである。
デメリットとしては、倫理的な問題と後々のリスクである。
架空とはいえ、存する人を抹消することになるので、当人における良心の呵責が障壁となる。
その架空の葬儀がバレた際には、一大事である。「ちょっと仮病で休んだ」ということとは比べ物にならない程の信頼の失墜と叱責が待っているであろう。
また、多用できない点もリスクとなる。「君、去年も、一昨年もばあちゃん亡くなってたけど、一体何人のばあちゃんがいるんだい?」なんて間抜けなことになっては目も当てられないし、エア葬儀を敢行したが故に、後に来たるべき本当の葬儀に辻褄が合わず、参列できないという事態も考えられる。
当サイトでは、エア葬儀は最後の最後の手段として用いることをおすすめしている。
葬儀まで行かなくとも、「祖父母の看病」や「手術の立会い」、「ペットを病院に連れて行く」などのソフトなもので事足りるのであれば、そちらを使うほうがリスクが低い。
その他、仮病以外の理由・言い訳
会社を休むための言い訳は、当然ながら仮病だけではない。
例えば、「役所に行くため」という王道や「事故に巻き込まれたため」という変化球、「餅が喉に詰まったため」という飛び道具まで、多種多様である。
仮病の最大の楽しみの一つとして、「どのような言い訳を炸裂させて休んでやろうか」というイマジネーションと攻撃性が挙げられる。
仮病をする際は、おどおどしてはいけない。やや攻撃的で積極的なくらいがバランスが良いと私は考える。
仮病の最高の到達点は、「宇宙人にさらわれていたので、昨日は休んでしまいました」と休んだ翌日に告げて、「そうか、大変だったね。もう仕事はできそうなのかい?」と何の疑いも持たれないくらいのところにあり、そこまで来れば殿堂入りである。
オリジナリティ溢れる仮病挑戦者、求む。
step3 会社に電話をかける
ここが仮病のほぼ全てであり、要所である。最もにして唯一緊張するのもこの場面である。
我々は、この最難関を通過して、仮病を勝ち取らなければならない。会社あるいは上司に電話をかけて「休む」との申請をしなければ、永遠に休みは来ないのだ。
苦痛を伴う場面ではあろうが、なんとか奮起して、一人前の仮病者になってもらいたい。
ここさえ乗り越えれば、あとは楽園が待っている。
会社に電話をかけるための2つのタイミング
休む言い訳については前項step2で学んだ。
ここで知っておきたいのは、電話をかけるタイミングや休日の申請の仕方である。
電話をかけるタイミングについては、2パターンある。
a. 前日の夜に電話をかける
日曜の夜などに有効。会社側にとっても翌日の業務プランの立て直しを考える余裕を与えてやることができるという意味では、親切。
欠点としては、理不尽な上司の場合「明日のことはわからないだろ。明日電話しろ」と叱責される可能性がなくはない。
b. 当日の朝に電話をかける
夜中から朝にかけて急に激しく具合が悪くなったということにする。
欠点としては、急すぎるので健康管理を怠ったとのそしりを受けかねない。会社は当日多少バタつくかもしれない。
とはいえ、我々は具合が悪いのである。
上記、欠点についても記述したが、基本的に構う必要はない。なぜなら、我々が具合が悪くて出社できないと言っているからである。体調の悪い本人が会社に行けないと言ったら、どう考えても会社に行けないのである。
会社側・上司にその程度の感受性が備わっていることを願う。
電話での無難な伝え方
電話で喋る際の注意点としては、「多くを語りすぎない」これに尽きる。
人は嘘をつく時、饒舌になることは自明である。
仮病で休む際には、「普段より口数が少ないかな」「説明不足かな」というくらいでちょうどいい。
ただし、聞かれたことに対しては、きちんと矛盾なく答える必要があるので、事前にシミュレーションしておくに越したことはない。
以前に自分が罹った最も苦しかった病気や風邪の時を思い出して、その当時の自分になりきって返答をするというのがひとつの手段であり、スマートなやり方であろう。
step4 休日を晴れやかに過ごす
仮病を勝ち取って、休日を得たら、あとは何もすべきことはない。
さらに寝てもいいし、だらっとゲームをしているも良し。溜まった洗濯物を処理するも良し。
何をしてもよい。これが自由だ。まして他人が働いている時に過ごす休日ほど爽快なものはない。ざまあみろ。
ただし、注意点はいくつかある。
まず、気軽に出掛けるのは控えるべきであるということである。当然に、元気いっぱいに出歩いているところを見つかろうものなら、一瞬にして仮病がバレてしまい、これまでの完璧な作戦が灰燼に帰すからである。
どうしても出かけたい場合、誰かに見つかっても、「病院に行く途中です」と言い訳できる場所だけがセーフティーゾーンであると肝に銘じておくことが要請される。もちろん、派手な格好で出掛けるのは避けたほうが良い。
当日、のこのこと出掛けなくても済むように、必要なものは事前に用意しておくと周到であり、戦略家と言えるだろう。
また、健全なる精神で仮病期間を過ごすためには、退屈しないほうがいいということも重要なポイントである。
「休んだはいいが、ああ、退屈だ。やっぱり仕事に行くべきだった」なんて考えてしまうことは本末転倒であり、絶対に避けなければならない。
我々は仕事に対しての責任は別にどうでもいいが、仮病に対しての責任はきちんと果たしたほうがいい。すなわち、充実した休日にすることである。
一日中寝ていても構わないから、休まなければ良かったとの後悔だけはしないようにすることが望まれる。
仮病中の外出で注意・警戒すべきポイント
仮病で休んだ日の快適な過ごし方
step5 罪悪感、良心の呵責と戦う
我々は優しいし、責任感もあるから、罪悪感に駆られてしまうこともある。これは、我々は人間だもの、仕方のないことかもしれない。
だけど、せっかく休んだのだから罪悪感なんてないほうがいいに決まっているのである。
休んだはいいが、罪悪感のために何も手につかず、心も休まることもなく一日が終わりを迎えつつある、なんてことは悲劇でしかない。何のための休みだったんだ。せっかくの仮病努力が水の泡。
前項にも関連するが、仮病で休んだら、普段の休日以上に充実した時間を過ごすようにすることが努めとなる。
罪悪感、良心の呵責、悩みの類なんて強制的に忘れるべきである。忘れたふりでも構わない。
来るべき出勤日にリフレッシュして出社できるようにするためにも、全力で休むこと。休日を満喫すること。絶対だ。約束してくれ。
step6 翌日、堂々と出勤する
イレギュラーに休んだ次の日の出勤は緊張するもの。
本当に体調が悪くて休んだ場合でもちょっと緊張するにも関わらず、こちとら仮病で休んでいるんだ。個人差はあるだろうが、緊張しないわけがないのだ。
ここで要請されるのは、堂々と自信を持って出勤することである。
「具合が悪かったから、当然のごとく休んだ。業務に支障が出たのは誠に申し訳ない」くらいの態度でちょうどいい。必要以上におどおどしたりすると、変に疑われるのである。
ただ、テンション高めで元気いっぱいというのもどうかと思われるので、ひとつ「申し訳ありませんでした」と皆に挨拶をして、あとは静かに仕事をしているフリでもして一日をやり過ごすのが最も有効な方法である。
「もう大丈夫なのかい?」とか「病院には行ったのかい?」とか「大変だったでしょう?」とか、いろいろ聞かれるであろうが、適当に口数少なく且つ的確に返答をしていれば良い。ここも事前のシミュレーションが役に立つであろう。
最も注意すべき点は、「休んだ分、今日からさらに一生懸命がんばります」だなんて嘘でも言わないことである。実際に仕事が増やされたら目も当てられない。
step7 もう一日仮病で休む
やっぱりもう一日休みたい場合、容易である。
初日の仮病休の夜にでも電話をかけるだけである。
「病院にも行ったのですが、体調が良くならないのでもう一日休ませてください。申し訳ないです」
重要なポイントは、「病院に行ったけど、まだ具合が悪い」と告げることである。
厳しめの社会人の見解として、「会社を休む=病院で診察を受ける」と考えている者が多く存在する。そういった融通の利かない者たちへの事前の対処として、「病院には行きましたよ」ということは確実に伝えておいたほうが安全である。
あとは、もう一日の休日を満喫するだけ。
0を1にするのは難しいが、1を2にするのは簡単なのである。たった1日だけの休みでは疲れは取れないのは誰もが理解しているところである。
であれば、もう一日の休日を追加発注し、思う存分休み、気が済んだところで出社するのが良いのではないか。長い会社人生の中のたった2日だけなのだから、休みたいと思ったら、物怖じすることなく休むのがいいと考える。
3日目、4日目となると、さすがに出社するのが億劫になるし、怖くもなる。
どれくらい休むかについては各人の判断とライフプランにお任せする次第である。
step8 1ヶ月以上の長期休暇
もうダメだと思ったら、たった数日の休みでは戻ってくることは難しいかもしれない。
そんな場合、精神科・心療内科を受診し、診断書を受け取ることによって、1ヶ月からの長期で休むことも可能である。
診断書は公文書であるため、会社に電話をかけて休むというようなフランクな休み方とはまた趣きが変わってくるが、どうしても疲れ切ってしまった、もうダメだといった深刻な場合、最悪の事態を迎える前に、恐れずに長期の休みを取得すべきである。絶対に。
診断書は、あなたにとって絶対的な味方である。
身体を壊してしまっては元も子もないし、我々には人生を楽しむ権利がある。
たかが仕事のために人生が蔑ろになってしまうのは本末転倒である。
「仮病の3ないスローガン」を想起せよ。
「恐れない」「悩まない」「仕事しない」。
最後の「仕事しない」はいささか過激であるにしても、「恐れない」「悩まない」の二つは、このストレス・理不尽だらけの社会を軽やかに生きていくために必要なことであると思うのである。相談しよう、そうしよう。
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