出勤後に体調が悪いことを周囲の人間に知らしめることによって、次の2つのメリットがもたらされます。
1. 当日早退をすることができる。
2. 翌日欠勤をすることができる。
もちろん、合わせ技で「当日早退をした上で翌日欠勤する」ことも可能です。
とにかく体調不良、具合が悪い、塩梅がよろしくない演技をすることによって、休みを得られる礎を築くことになるということです。
是非とも積極的な活用が求められますが、注意点もあります。
「バレない」ことが再優先
演技における再優先事項は「バレない」ということです。
サッカーにおいては敵陣ペナルティエリア内で、PKを狙ってわざと転ぶなどの悪質な演技をしたと審判がみなした場合、当該選手はシミュレーション行為としてレッドカード一発退場となります。
我々社会人においては、仮病の演技が発覚したからといってレッドカード一発退社になることはありませんが、著しい信頼の失墜や叱責に見舞われる可能性が大きいです。
信用を失うのは恐るべきことですし、怒られるのは嫌なことです。
しかし、それ以上に恐ろしいことは、「バレる」ということは次の仮病の際の障壁になるということです。
我々が目指すのは仮病欠勤を任意に継続的に取得していくことです。
会社には「経営し続けなければならない責任=ゴーイング・コンサーン」がありますが、我々仮病者にも「仮病し続けなければならない責任=ゴーイング・ケビョーン」があります。
肝に銘じておきましょう。
風邪の演技は難しい・バレやすいからおすすめできない
仮病・体調不良と言うと真っ先に思い浮かぶのが「風邪」ですが、正直、あまりおすすめできません。
「風邪」はあまりにも安直であり、ただそれだけで疑われる理由であるにも関わらず、高度で多様な演技が求められるからです。
我々は俳優志望ではありません。
楽に欠勤できることに越したことはないのです。
風邪の症状の煩雑さを下記で見ていきましょう。
咳の演技
上っ面だけの咳と真性の咳には雲泥の差があります。「コホンコホン」だなんて演技の咳は一瞬にして見破られます。人間の耳は意外と敏感です。
本当のやんごとなき咳というのは腹筋、背筋、喉、横隔膜などの器官を全身全霊に動員し「グェホゥッ!グェホゥッ!」という尋常ならざる異音と共に発動されます。この「ゴフォゥッ!ゴフォゥッ!」というサウンドは、一朝一夕に演技で勝ち取ることは至難の業です。
まして、それら非常なる咳を一日の中で断続的に出し続けることはかなりの集中力が必要になります。
気を抜いていると咳を出すことを忘れてしまいます。一時間の間を開けて慌てて思い出したように咳を出すことほど間抜けなことはありません。
鼻水の演技
嘘の涙を流したい時には目薬を利用すればいいのですが、嘘の鼻水を出したい時の「鼻薬」は存在しないことが最大の手落ちとなり、仮病において鼻水を流出させることは永遠の課題となっています。
くしゃみの演技
くしゃみはこよりを鼻に突っ込めば擬似を発することができますが、いかんせん手間です。
こよりで鼻の内部の繊細な部分を刺激しているところを上司や同僚に見られては意味がありません。
くしゃみの発動は人間の総合力によるものであり、命懸けであると言われています。
なぜなら、くしゃみの衝撃で「肋骨が折れた」「ぎっくり腰になった」ということさえ耳にするからです。
「肋骨」「腰」を犠牲にしてまでそのくしゃみは全力で発されなければならなかった。
とは言え、一般的には「風邪≠くしゃみ」と考えられています。
「ひどい咳をしている人」と「ひどいくしゃみをしている人」とでは、前者のほうが重篤な病気であると認識されがちです。
そう、くしゃみはその迫力と効果が比例しない症状の例であると言えるでしょう。
従って、仮病においてくしゃみの演技をすることは殆ど意味のないことですのでやめておきましょう。
発熱の演技
発熱は使いようによっては大変に優秀な症状のうちのひとつですが、それは出勤前の話。
つまりは「朝起きたら熱が38℃もあった。休ませて下さい」と架空の数値を申告するのには大変便利ですが、出勤してしまってからではそれは難易度がグッと上がります。その体温計を証拠として見せろと言われてしまう可能性があるからです。
従って、出勤してからの体調不良の演技においては「熱がある」と断定して申告することはリスクを負います。
ただし、体調の悪い演技をして早退の機会をうかがっている時に「具合が悪いなら熱を計ってみなさい」と誰かに言われても動じることはありません。何の問題もない。
普通に体温を計り、平熱の体温計を示せばいいのです。
「熱はなかった。だけど依然として体調が悪い」ことを仄めかしましょう。
目指すは、発熱を伴わない体調不良です。
37.9℃以上が効果的!発熱で会社・仕事をズル休みするべき3つの理由
バレない体調不良・具合が悪い鉄板の演技4選
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
前述した症状の演技を悪い例として、以下、無難な体調不良・具合が悪いの演技を紹介していきます。
1. マスクをする
マスクに言葉はいりません。ただ装着して出勤するだけで周囲の人間に「おや?」と思わせることができます。
上述の通り、無闇に咳をする必要はありません。マスクをしているという実績が重要なのであり、わざとらしい咳なんて蛇足です。
「風邪かい?」と聞かれたら「ええ、まあ。喉がちょっと痛くて」などと適当にぼかしておきましょう。
マスクは目立ちますから、やや仰々しいところが欠点です。
恥じらい・優雅さに欠ける部類に入るものですが、目立つことは良いことであるとの考え方もあります。
わざとらしい咳をするくらいならマスクをして出勤しましょう。
2. 頻繁にトイレに行く・トイレに長時間滞在する
こちらも言葉は不要です。
標題の通り、我々には二種類の選択肢があります。すなわち「トイレに頻繁に行く」ことと「トイレからなかなか帰ってこない」ことです。
これはかなりの体調不良アピールになりますのでおすすめなのですが、注意すべき点は、無駄な言い訳はしないことです。「やー、ちょっとお腹痛くて。何か悪いものでも食べたかなぁ、トイレ行ってきます」なんてわざわざ口に出す必要はありません。蛇足であり野暮です。
優美な作法としては、気づかれないくらいにさり気なくトイレに行く・帰ってくるを繰り返すことです。トイレへの長期滞在の場合は、誰かが「おや、トイレかな。大丈夫だろうか」と思い始める頃に帰ってくること。
我々は心配してもらうためにトイレへの籠城を敢行するのではなく、体調不良を演出するためにトイレという伏兵を利用するのだということを忘れてはいけません。
3. 食欲がないふりをする
とは言っても、お腹が空いていたら思わずガツガツ食べてしまいがちです。それでは元も子もありません。
解決策としては、朝食をいつもよりお腹いっぱいに食べていくことによってランチタイムに昼食の入る余地をなくすことが物理的・抜本的に良い方法となるでしょう。
例えば、朝からラーメン二郎は非常に合理的な方法です。
人は、他人の食欲の有無に意外と敏感です。
お昼ごはんを「全く食べない」というのはあまりにも過剰な方法ですが、「あまり食べない」「残す」程度であれば程よく「食欲がない=体調が悪い」アピールをすることができます。
私事ですが、胃の容量が少ないらしくあまり多くを食べられないのです。
なので、元気であるにも関わらず、年がら年中「食欲ないの?」「体調悪いんじゃないの?」と聞かれることになっています。
平時の私でさえそんな具合なのですから、「普段よりもお昼ごはんをあまり食べない」戦略は偽りの体調不良を演出するための極めて効果の高い方法であると言えます。
4. 休憩時間に寝る
眠くて寝ていると思われても構いません。
肝要なのは、休憩時間に省エネモードに入っていることを印象づけることです。
人が休憩時間に寝る理由は、以下の三通りしかありません。
1. 眠い
2. やることがない
3. 体調が悪い
従って、傍から見れば休憩時間に寝ている人が具合が悪い確率は、乱暴に言ってしまえば1/3であるわけです。
昼休みに寝ていたからといって、それイコール体調が悪いということにはなりません。
従って、それは昼休みに「体調悪いのかい?」と声を掛けられるための行為ではないのです。
休憩時間に寝る本当の目的は、その後に体調不良を申告し早退・翌日の欠勤をする際に「そういえば、昼休みにぐったりしていたな。本当に具合が悪かったに違いない」と思わせるための布石のためです。伏線です。
伏線はさりげなければさりげないほど良いことは自明でしょう。
秀逸な東野圭吾の伏線の如く休憩時間にさりげなく寝ましょう。
まとめ
体調不良を演出する際には、咳などの風邪の症状を演技することはリスクが高いです。
であれば、もっと労力が少ない上に効果的でバレにくい演出をすることが求められます。
それには4つの代表例があります。
是非とも活用してみましょう。
1. マスクをして出勤すること
2. トイレに頻繁に行く・こもること
3. ご飯をあまり食べない・残すこと
4. 休憩時間にうつ伏して寝ること
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