やる気が出ない、意欲が湧かない、立ち上がるのも億劫――。このような無気力状態で困るのは本人は「こんなんじゃ駄目だ。やらなければ」と心の底では強く思っているにも関わらず、身体が全然言うことを聞いてくれないことでしょう。
無気力状態への差し当たっての解決策の一つに「敢えて何もしないと決めてしまうこと」が挙げられます。「今日はリラックスして休む日」「だらだら過ごす日」と決めてしまうことによって、無気力状態への罪悪感が軽減されます。やらなければならないことなんて何もなくなるからです。
一日リフレッシュすることによって翌日から再び活力が戻ってくればいいのですが、だらだら無気力状態が意に反してずっと続くとなれば問題です。仕事の効率が落ちたり、やらなければならないことが終わらなかったり、部屋が雑然とし始めてしまったり、そんな駄目な自分に対して罪悪感に苛まれたり、と悪循環に陥ってしまいます。
無気力状態は根性や精神力の問題ではありません。そういったメンタル面に理由を求めると自分で自分を責めてしまい良い方向へ解決しない場合が多いです。
根本的に解決するためには身体の内部から改善していくことが求められると私は自分の経験から考えています。本稿においては私が実際に試して高い効果のあった厳選「無気力を改善したい人のためのサプリメント5選」を紹介していきたいと思います。
チロシン ―無気力対策の定番
やる気の出るサプリメントとして最も名高いのがチロシンです。無気力の改善にはうってつけで「動きたくなってくる」「効率が上がる」などその評価は非常に高いものです。
チロシンはチーズから発見されたアミノ酸で私たちの暮らしに身近な物質です。例えば、たけのこ水煮に見られる白い塊みたいなものはチロシンが凝固したものですし、りんごの切り口が茶色くなるのはりんごに含まれるチロシンが化学反応を起こしたものです。チロシンという名前は聞き慣れないかもしれませんが、化学物質ではなく天然由来の成分であるので安心して服用できるサプリメントの一つです(本稿において紹介するサプリメントは全て天然由来の成分です)。
価格もサプリメントとしては安価な方ですので、容易に試してみることができることも長所の一つです。私もどうしても仕事の効率を上げたいときにはチロシンに助けてもらっています。
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エレウテロ(エゾウコギ、シベリアンジンゼン)―滋養強壮
エレウテロはシベリア人参のことです。滋養強壮ドリンクなどに朝鮮人参のエキスが入っていることがありますが、シベリア人参もその仲間で薬用人参の一種です。エレウテロという呼び名の他に、エゾウコギ、シベリアンジンゼンなどとも呼ばれます。由緒正しきアダプトゲン(抗ストレス作用のあるハーブ)の一種です。旧ソ連のオリンピック選手の運動能力・精神力増進のために活用されていたという実績もあります。
アダプトゲンには気分がマイルドになるものと、気分がポジティブになるものとがあると私見では感じているのですが、エレウテロは後者です。すなわち、気持ちが明るく前向きになり、上記チロシンのように活動的になることができるものです(ちなみに、前者のマイルド系ではロディオラ・ロゼアが気に入っています)。
エレウテロの効果の高さ・確かさは多くのレビューによってお墨付きであるばかりでなく、近年の研究によって科学的にもその効能は実証されてきました。アダプトゲンの中でも最も人気のうちの一つであることも頷けます。
L-トリプトファン ―セロトニンの原材料
L-トリプトファンという名前は寡聞かもしれませんが、セロトニンなら聞いたことがあるでしょう。そう、L-トリプトファンはセロトニンの原材料となるアミノ酸の一種です。
セロトニンは「幸福ホルモン」とも呼ばれることからもわかる通り、私たちの健全な社会生活には欠かせない物質です。脳内におけるセロトニンの分泌が少なくなると不安感が増したり意欲が低下したりしてしまいます。うつ病患者はセロトニンの分泌が極端に少なくなってしまっているというデータからもわかる通り(ちなみに、うつ病治療薬SSRIは脳内のセロトニン濃度をコントロールすることによって治癒を目指す薬です)、やる気や意欲とセロトニンの分泌には密接な関係があります。無気力状態が続いているという人はセロトニンの分泌が足りていないという原因が考えられます。
L-トリプトファンはアミノ酸の一種ですので食事から摂ることが充分に可能ですが、食事に気を払っている余裕がない、食生活が乱れがちであるという人はサプリメントによって摂取することをおすすめします。私も食にあまり関心がないので、L-トリプトファンサプリは毎朝欠かさず摂取するようにしています。
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ビタミンB群 ―身体にとってのエンジン
ビタミンBは一言で表せば活力の源です。つまり、私たちが食事によって摂った糖分や脂質をエネルギーへと変換する働きをするのがビタミンB群の役割です。
ビタミンB1は糖分を、ビタミンB2は脂質を代謝します。充分なビタミンB群が体内になければ、いくらエネルギー源の糖分や脂質をとっても全く意味がない。クルマに例えれば、食事がガソリンで目的が走ることであるとすれば、ビタミンBはエンジンです。いくらガソリンを注いでもエンジンがなければクルマは走りませんよね。
サプリメントマニアの間では「ビタミンBの過剰摂取をすればやる気が出る」と言われており、確かにやってみると身体の中から活力やバイタリティが自然と沸き立ってきます。ただし、おすすめはしません。栄養素はバランス良く摂るのが鉄則だと思うからです。
但し、ビタミンBが無気力状態を改善するための手助けになることは確かですので、意欲の停滞が長らく続いているようならビタミンBを意識して充分量を摂取してみることは推薦されるものです。
マルチビタミン ―サプリメントの基本にして最重要
サプリメントの基本はマルチビタミンです。一つの栄養素に偏ることなく普段摂りきれない栄養素を満遍なく補ってくれる大変便利で有用なものだからです。
前項で「ビタミンBは人体にとっての活力源である」と紹介しました。確かにそれは間違いではないのですが、ビタミンBだけ摂取していれば元気になるというわけではありません。人体に必要な栄養素は多種多様あり、それらをバランス良く摂ることが心身共の健康の秘訣です。
特に忙しくて外食ばかりであったり毎日コンビニ弁当で済ませてしまっている人、カップラーメンなどの加工食品が食事のメインになってしまっている人は栄養素が偏ってしまっている可能性が大いにあります。
毎日きちんと何かを食べていても、バランスが悪ければ栄養失調になってしまいます。元気が出ない人は栄養のバランスが欠けているという可能性もあります。そこで、マルチビタミンは人体に必要な栄養にとって心強いサポートになり得るものです。
私のおすすめのマルチビタミンサプリメントは米国大手NOW社の「ADAM(アダム)」です(これは男性向けで、女性向けとしては「EVE(イヴ)」があります)。完璧なマルチビタミンサプリメントとして定評のあるものです。私は毎晩晩酌をするのですが、ADAMを飲み始めてからは次の日の寝起きがまるで違いました。全然アルコールが残らず、寝起きも大変に良く、起きてすぐに明らかにシャキッと活動的になれるので、正直、驚きました。
ちなみに、ADAMの一日の適量は3粒と記載されているのですが、これは身体の大きな欧米人向けの適量であると考えられ、私は過剰摂取を恐れて夜に1粒だけ飲んでいます。
ただし、ADAMとEVEはやや高価ですので、普通のマルチビタミンサプリで構わないという人にはネイチャーメイドのマルチビタミンサプリをおすすめしています。
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